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厚生労働委員会議事録(介護保険法施行法の一部改正案)

162-衆-厚生労働委員会-5号 平成17年03月11日
 介護保険法施行法の一部を改正する法律案(内閣提出第一五号)
◇旧措置入所者の利用料減免措置の延長理由について
◇介護保険法改正の介護予防について

○鴨下委員長 次に、山井和則君。

○山井委員 きょうは、介護保険の施行法の改正、そして、後半は介護予防についても質問をさせていただきたいと思います。

 夕方遅くまで委員の方も残っていただき、本当にどうもありがとうございます。
 この介護保険の施行法に関しましては先ほど橋本議員からも質問がありましたので、多少重なる面があるようでしたので、その分は当然割愛しまして、そういう関係で、橋本議員の後を継いで質問しますので、質問通告と多少違う面があるかもしれませんが、お許しいただければと思っております。
 私自身、二十六歳のときですか、熊本の老人ホームで一カ月実習をさせていただいて、それを皮切りに全国の老人ホームを回って、アメリカ、スウェーデン、イギリスと各国の老人ホームを回って、そんな中で、世界の老人ホームと比べて日本の老人ホームはやはり非常におくれているということが私が政治家を志した原点でありまして、世界じゅうの老人ホームのお年寄りとの出会いというのが私が政治を志した原点でありますので、この老人ホームのこと、非常に関心を持っております。
 今回の施行法の軽減措置の延長も、確かに、一見お年寄りに優しいことのようにも思えるんですけれども、公平性の観点からいくと、それでいいのかなという疑問が正直言ってありますので、質問をしたいと思います。
 私の知人の特別養護老人ホームに勤める職員さんも、かえって軽減措置を延長したら不公平ではないか、今まで軽減されていた人は貯金が百万、二百万たまっている人もいる、払えるんだったら払ってもらったらいいんではないか、逆の面の不公平になるんではないかということもおっしゃっておられました。
 そこで、まず西副大臣にお伺いしたいと思います。
 この経過措置を打ち切れば、払えなくて老人ホームを退所せねばならない人はいるのか、いるならどれくらいいるのか。いかがですか。

○西副大臣 お答え申し上げます。
 経過措置を延長しなかった場合に入所を結果的には継続できないという人が何人おられるか、こういうお話でございました。
 確かに、そういう人がおられることは事実だと思います。その際に、結局入られないで生活保護、こういうことになるというふうに思われますけれども、生活保護は、先生ももう御存じのように、預貯金が使い果たしてもうない、資産もない、こういうことが前提でございまして、措置という行政処分によって入所した方に、そうした状況に陥るまで負担を強いるというのは、私どもとしては適当でないというふうに今のところは考えているところでございます。

○山井委員 今のは答えていないんですよね。その方々は何人ぐらいいらっしゃるわけですか。これは六万八千人の経過措置ですが、そのうち何割ぐらいであって、でも、今、生保になってもらうのは申しわけないとおっしゃいましたけれども、在宅では、ホームヘルプを十分に利用できない、あるいは、貧しいがために生保になっても在宅で生活しておられる方はごまんとおられるわけですよね。
 改めてお伺いします。何人ぐらいですか、これ。要は、そもそも出る人はいないわけですね。

○西副大臣 今の質問でございますが、負担軽減している皆さんのうちで生活保護が必要になってしまう、こういう人がどの程度いらっしゃるか、どの程度の割合いらっしゃるか、こういうお話でございますが、先ほど申し上げましたように、当該の皆さんの資産の把握の状況等もございまして、ただいまにわかに予測することは困難でございます。

○山井委員 先ほどの橋本議員の答弁においても、実態調査もしていないと。今も、どれぐらい生保になるかもわからない、わからないけれどもとりあえず延長しておこうかというように聞こえるわけです。
 それでは、お伺いします。
 過去五年間、この経過措置で――ちょっと説明しておられるようなので待ちましょうか。

○鴨下委員長 どうぞ質問を続けてください。

○山井委員 過去五年間、この経過措置で幾らかかったわけですか。それでまた、今後、毎年あるいは五年間、これで予算が幾ら発生すると推計しているんですか。

○西副大臣 軽減措置を実施するために必要な額というお話でございました。
 ごく粗い試算でございますが、平成十二年度から十六年度の間におきまして、国庫負担額が三百五十億円程度でございます。今後推計される額といたしましては、平成十七年度から二十一年度の額といたしましては、百ないし二百億円というふうに見込まれているところでございます。

○山井委員 結局、今まで毎年七十億円ぐらいかかっていた、これからも毎年四十億円ぐらいかかるのではないかということで、かつ、正確なところはわからないわけですね。
 繰り返しますが、今までから軽減されているから、結局貯金がたまっている人が多いわけですね。百万、二百万、三百万貯金を持っている人も多いわけですね。考えてみてもらったらわかりますけれども、老人ホームに入っているということは、年金が入ってきているけれども余り使えないから、たまる一方なわけですよ。
 そこで、次に、尾辻大臣に同じ趣旨でお伺いしたいと思います。
 私が言いたいのは、払えなくて退所する人がいるんだったら軽減措置は必要ですけれども、今の西副大臣の答弁を聞いても、要は払えるわけですよ。ただ、払えるけれども生保になる方が一部いたりするのでよくないということなんですけれども、結局、実態調査もせず、年に数十億という費用を今後も使っていくということは、私は、ほかで非常に厳しい自己負担アップが続いている中で、公平性の原理なんかもおかしいと思うんですが、やはり絶対この自己負担アップという不利益変更はできないんですか、大臣。

○尾辻国務大臣 まず、第一段階では生活保護の被保護者ということになっておりますから、今の先生のおっしゃるようなケースだとそもそも生活保護にならないというふうに考えられますから、対象者にならないと思いながら聞いておったんですが、その辺、どういうふうに先生が言っておられるのかお聞かせいただいた方が、また議論が進むというふうに思うのでありますけれども、どうでしょうか。

○山井委員 資料をお配りしていますけれども、第二段階の中の、貧しい、所得が少ない方に関しても軽減措置ができているわけですから、その軽減措置がなくなっても払える方が多いわけなんですよ。だから、この措置を打ち切っても、出ていく人というのは理論上発生しないわけですよ、非常にこの額がそもそも少ないわけですから。にもかかわらず、経過措置を打ち切っても払えるにもかかわらず、なぜこの経過措置を延長するのか。それは、先ほどの橋本議員への答弁で、自己負担アップは不利益変更だから措置の人にはできないということだったんですけれども、払えるんだったら払ってもらったらいいんじゃないですか、不利益変更はどうしても入所の場合はできないんですかということを言っているんです。

○西副大臣 今、実質的に、軽減の対象とされている人が大体六万八千人いらっしゃいます。その中で、生活保護の被保護者、それから、市町村民税の世帯非課税かつ老齢福祉年金の受給者、いわゆる生活が現実に困窮されている方が二万四千人現実にいらっしゃる。こういう事実から考えてみましても、非常に生活的には厳しい方が残っているということは事実だというふうに考えております。

○山井委員 全然最初から質問に答えていられないわけですよね。厳しくても、これは経過措置を打ち切っても、出ないとだめという人は発生しないわけですよね。そうしたら、これはやっていったらいいと思うんです。
 それで、だから、要はそういう調査もしていないということなわけですけれども、次の二ページ目をお願いいたします。
 尾辻大臣にお伺いしますが、二ページ目、見てください。要は、先ほどから、入所の人に関しては自己負担アップはできないんだ、不利益変更はできないんだという答弁を重ねておられますが、二ページ目、三ページ目を見てもらったら、去年九月十四日の担当課長会議の資料においては、半年前においては、これを見てもらったらわかりますように、利用者負担の減免に関しては、「平成十七年四月からは1については、終了」となっているんですね。これは厚生労働省の課長会議の資料なんですよ。このときには終了となっているわけですよ。でも、きょうの答弁を聞いていたら、いや、不利益変更はできないとなっているんですよ。これはどっちが厚生労働省の見解なんですか。この時点では経過措置の延長をしないということになっているんですよ。大臣、いかがですか。

○西副大臣 確かにこの時点では経過措置の終了ということになっておりますが、その後の検討経過がございまして、最終的に政策判断としては今回のような方向で決着したということでございます。

○山井委員 でも、その答弁はちょっと不誠実じゃないですか。それだったら昼間の橋本議員の質問のときから、そういう選択肢もあったけれども考えた末にこっちになったという答弁をしないとだめなのに、最初からずっと、そんなことはあり得ない、不利益変更はできないと言っていたじゃないですか。さっきの答弁は違うんですか。違うんだったら一回撤回してくださいよ。

○西副大臣 違うわけではございません。最終的に結論としてこういうことを決定したということで、その見解については一切変わりはございません。

○山井委員 では、なぜ変わったんですか。

○西副大臣 先ほども若干触れたように思いますが、もし、経過措置を延長しない、こういうことを考えますと、先ほど申し上げましたように、多くの入所の継続が困難となる人が生ずるおそれがあるということです。その際に……(山井委員「困難にはならないですよ、生保にだって入れられるんですから」と呼ぶ)
 御指摘のように生活保護を受けるということは、それは条件がございまして、預貯金等を使い果たした、先ほど申し上げたとおりでございますが、そういう形が前提でございますので、措置という行政処分によって入所をされた方に対して、そこまでの負担を求めるということは適当ではないというふうに考えているところでございます。

○山井委員 聞いていると、全然答弁になっていないと私は思うんですね。出なければならない人はいない、生保にならなくても自己負担で耐えられる人が多いのではないか、実態調査もしていない、でも年間五十億ぐらいのお金はこれからも続けていくということで、今、これからも入所が困難な人がいるとおっしゃっていましたけれども、全然困難な人はいないんですよ、い続けられるわけなんですね。
 私はなぜこんなことを言っているかというと、今介護保険の財政が厳しいということで、みんな必死になっているわけですよ。これは与党も野党も関係ないわけですよね。そんな中で、これからいろいろなことを切っていかないとだめだということを提案するのであれば、一つ一つ、年間五十億でも、八割、九割の人は払えるんじゃないか、そういうことをきっちりやって、払えない人も多いというようなことがあればこういう判断をするのはいいですけれども、実態もわかっていない、でも延ばしましょうというのでは、私は非常に在宅との公平性ということでもおかしいのではないかと思います。いかがですか。

○西副大臣 お答えを申し上げます。
 実態については、困窮されている、生活保護状態に近い方が大変多いということは先ほど申し上げたとおりでございます。結果的には、これはもう最終的には政策的な判断でございますけれども、生活保護に陥るということよりもむしろ介護の世界で見る方が適当であろう、こういう判断をした上で今回のような措置になったということを御理解願いたい、こう思います。

○山井委員 非常にある意味で納得できないものが残ります。
 それで、不利益変更をしないということに関してなんですが、尾辻大臣にお伺いしたいんですが、このことに関しては障害者福祉も一緒ですか。一度措置をした人は自己負担アップなどはしないというようなことは、これは老人福祉だけじゃなくて障害者福祉でも同じでしょうか。尾辻大臣、いかがですか。

○尾辻国務大臣 午前中の御議論を聞きながら私も随分気になったところでありますので、もう一回整理をちゃんとしろと言ってさせたんですが、結局、最終的には政策判断なんですね。ですから、最後は政策判断としてどうするか、こういうことだということなんです。
 ですから、低所得者の皆さんに対して特例措置を講ずるというのも、不利益なことをしてはいけないということが理由ですけれども、それを政策判断した、こういう整理になるわけであります。
 したがって、結局、やはりそれぞれ、何か起こるとその都度政策判断をしていく、どうするかというのはその都度決めていく、必ずこうなるというものではない、このことは御理解いただきたいと思います。

○山井委員 そうしたら、もう先ほどの橋本議員に対する答弁というのは全く違うことを言っていたわけですね。というのは、あのときは、入所の措置の人は不利益変更はできない、できないからノーなんですと言ったのに、今は、政策判断でそうしただけであって、必ずしもそれがいつでもそうではないというようなことを言うんだったら、答弁が違うんじゃないですか。

○尾辻国務大臣 ですから、不利益変更はできないという政策判断をした、こういうことを申し上げておるわけであります。

○山井委員 だから、不利益変更ができない場合もあるし、できる場合もある、結局そういうふうなことになるわけですね。だから、本当に昼の答弁とまた全然違うなというふうに思います。
 それで、次に介護保険のことについて、ちょっとこの不利益のことと関係しますので入らせてもらいたいと思うんですけれども、結局、片や、こういう実態調査もせずに不利益変更をしないというような判断をしている。片や、訪問介護の家事援助の部分などに関しては、今現場では、非常にこの介護保険の改正が行われたら切られるのではないかというような不安が強まっているわけであります。
 今週も私、月曜日一日ホームヘルパーさんと一緒に回らせていただきましたが、例えば、家事援助のホームヘルプを利用して在宅で暮らしている百歳のお年寄りや、家事援助のサービスを受けてひとり暮らしを続けられているアルツハイマーの認知症の女性の家も訪問しました。そう考えてみると、もう訪問介護というのは命綱なんですね。それで、その方々の今一番の不安は、介護保険が改正されても引き続き今のサービスを利用できるかどうかなんです。
 そこで、尾辻大臣にお伺いしたいと思いますが、この資料、最近厚生労働省に文書で質問しましたら返ってきて、結局、生活能力を低下させる家事代行型は原則として行わないというふうにそちらからは答弁をもらっているんですけれども、具体的に、生活能力を低下させる家事代行型の訪問介護というのはどのようなサービスですか。そして逆に、どのようなサービスならこれからも受け続けられるのか。
 これは午前中の大村議員の質問とも似ておりますけれども、続けられる、あるいはカットされる訪問介護の基準というもの、あるいは具体例をお示しください。

○西副大臣 介護保険におきましては、利用者も含めて、さまざまな専門家がかかわって、そして利用者の自立を支援するためにさまざまなサービスを行っていただいております。その内容について検証いたしまして、最も適切なサービスのプランを利用者の同意を得ながら策定していく、こういうことがサービスの利用に際しては最も必要なことではあろう、こういうふうに考えております。
 委員お尋ねのように、サービスの内容、家事援助の内容につきましても、それぞれの個々人のケアマネジメントを経て現場現場で決定していただくということでございますので、一律に不適正といいますか、サービスを、ここからここまでの範囲、ここからは適正だというふうに決めるわけには、なかなか難しい、こういうふうに考えているところでございます。

○山井委員 質問に答えてくださいよ。私は、生活能力を低下させる家事代行型の訪問介護は原則として行わないとそちらが言っているから、それはどういう訪問介護ですかと聞いているわけです。

○西副大臣 家事代行につきましては、お一人お一人の利用者に対するケアマネジメントを経てサービスが決定される、これは先ほども申し上げたとおりでございまして、問題は、要介護状態を減らす、または悪化させない、こういうことにつながらないサービスにつきましては控えさせていただくということが原則でございます。

○山井委員 だから、それはどんなサービスかということを聞いているんです。このままではわからないから、答えてください。

○西副大臣 お答え申し上げます。
 ただいまも申し上げましたとおり、適切なサービスによっていかに重度化を防ぐかという観点からこれはサービスを考えているものでございまして、このことによって介護状態が改善する、もしくは維持をされる、こういう可能性が残っているものが今後とも存続をし、それ以外のものについては次第に控えていただく、こういうことでございます。

○山井委員 それではわからないんですよね、さっぱりと。
 これはどうなんですか。きょうは私はちょっと早く質問しているわけですけれども、法改正の審議のときもそういう答弁になるんですか。それで、これは法案審議まで基準を出さないんですか。そうしたら私たちは判断しようがないですよ、今の答弁じゃ。基準、いつ出すんですか。

○西副大臣 お答え申し上げます。
 最終的には、いずれにしましても、今回の介護保険制度、五年前にできた制度の場合もそうでございましたように、詳細なガイドラインについては今後きちっと決めていくということでございます。

○山井委員 今後きちっとというのはいつですか。今後というのはいつですか。もちろん法改正の審議の前ですよね。はい、答えてください。

○西副大臣 十八年の四月一日をもって介護保険制度が変わるということでございますので、その時期までにきちっと改定させていただくことになります。

○山井委員 ということは、法改正のときにはその基準は出ないということですね。もう一回答弁してください。

○西副大臣 同じ時期に介護報酬についても改定が行われるわけでございまして、その時期と同じくしてこの内容についても決めるということを予定しているところでございます。

○山井委員 これ以上やっても時間のむだですから、私は指摘しておきますが、原則として生活能力を低下させる家事代行型訪問介護はもう行わないと言っておいて、その基準は分科会で年末ぐらいに決めると。法改正のときには出てこないんだったら、こんな法案、それは審議できませんよ。判断しようがないじゃないですか、その基準がわからなかったら。
 それでは次、具体的にもう一度言います、わかりやすく。あえて具体的に言います。
 私の近所に八十九歳のひとり暮らしのおばあさんがおられます。それで、骨折して、今要支援です。自分で掃除をできないので、週一回、掃除を利用されておられます。そして、この方が、例えば今度新しく法が変わって筋トレなどをやれというふうに言われた場合、このおばあさんは非常に、実話ですけれども、筋トレだけは勘弁してくれと言っているんですね。筋トレというのは、ノーと言ったら拒否できるんですか。嫌がるお年寄りに強制されることはないですか。

○西副大臣 今までの介護保険制度もそうでございましたけれども、今回の介護保険制度、また予防給付につきましても、サービスを提供するに当たっては、一方的ではございませんで、本人の選択が基本で、本人がケアマネジャーさんと十分相談をして決めていくということが基本でございます。
 先ほどの個別の問題、骨折のお話がございましたけれども、その様態様態に応じて、どういうサービスが必要かということは、回復の速度とかいろいろな要件が入ってくると思います。御自身で動きやすい状況になる……(山井委員「嫌がる人に強制するのかどうか聞いているんです」と呼ぶ)
 そのことにつきましては、これは先ほども申し上げましたように本人の選択ということになりますので、強制はできません。(発言する者あり)

○山井委員 ということは、強制はされない。
 それで、今もお話がありましたが、では、今までから、例えば掃除の訪問介護を受けていた。それで、自分は体が弱くて掃除ができないということは、今までの受けられたその掃除のホームヘルプは受け続けられるということでよろしいですか。

○西副大臣 お答え申し上げます。
 介護保険のサービスに関しましては、先ほども申し上げましたように本人の希望に基づいてサービスするということでございますが、利用者を含め、さまざまな専門家が自立を支援するという観点から、サービス内容については検証をし、最も適切なサービスプランを利用者の同意を得ながら策定するということが原則でございまして、その現場現場においてサービスが提供されるということで、そのように見直すことが必要だと考えております。

○山井委員 本人の同意を得ながらという答弁が今ありましたから、そうしたら、本人が、これはもちろん自分で掃除とかできるのにやってくれというのはよくないと思いますが、できない場合には、希望すれば掃除のホームヘルプは今までどおり受けられると理解していいんですね。

○西副大臣 例外的な問題だと思います。
 本人の同意を得てということでございますが、例外的にそういうことを行う場合においても、必要性について十分に厳格に見直した上で、期間や提供の方法等を本人とともに考えて、メニューとして採用するということになるわけでございます。

○山井委員 その例外的というのは、何が例外なんですか。ホームヘルプの掃除を利用し続けられるのは例外的なケースということは、裏返せば、ほとんど利用できないということなんですね、今の答弁は。もう一回確認をお願いします。

○西副大臣 介護保険制度の利用の原則は、その個人個人の皆さんが少しでも状態が悪化しないように、また現状を維持していただくということが根本でございます。そのことは、介護サービスする側も、また受けていただく側も当然のことだ、こういうふうに考えるわけでございます。
 そんなことを考えますと、要介護状態を軽減したり、または悪化するのを防止したりということにつながらないということにつきましては、今後、サービスは控えさせていただくということが今回の考え方でございます。

○山井委員 だから、答弁を聞いていても全然わからないわけですよね。これは私が知りたいからじゃなくて、全国の多くのお年寄りや御家族の方やケアマネさんやホームヘルパーの方々は厚生労働省の文書ではさっぱりわからないと言うから、今質問しているのに、答えを聞いていても全然わからないじゃないですか。
 それで、これは尾辻大臣にお願いしたいんですが、もちろんこれは法改正の審議のときにきっちりとやりますが、尾辻大臣、一つお願いがあるのは、やはりきっちりホームヘルパーさんの現場に行ってほしいと思うんですよ。
 今、要支援、要介護一の方の、八十歳以上が六割以上です。半分がひとり暮らしです。二割が老夫婦です。この方々からこういうサービスを切ったら、もう命取りになりかねないんですね。ぜひともお願いしたいのは、そういうホームヘルプの行っておられる現場に行って、ホームヘルパーさんやお年寄り本人、御家族、さらにケアマネジャーさんの方に生の声を聞いてきてほしい。お願いばかりしてなんですけれども、尾辻大臣、いかがですか。

○尾辻国務大臣 それはかねて必要なことだと思っておりましたから、必ず参ります。そのことはしっかりお約束して、やらせていただきます。
 そこで、今の議論のやりとりでありますけれども、一言私からも申し上げておきたいと思いますけれども、今回のことというのは、まず法律は、考え方、基本の考え方をまず示そうとしております。ホームヘルパーさんの問題も、結局、いろいろな御指摘がありました。一番端的な御指摘というのは、家政婦がわりに使っているんじゃないか、それはちょっとまずいだろうという御指摘もありましたし、またそのことが、自分はただ座って調理してもらうのを見ているだけだ、自分の体を動かさないから、自分の体を動かさないことによって予防ということと反対の方に行く、そんなことになってはまずいからというのが今回の法律改正でお願いしている基本の精神であります。
 あと、個別にどうなるんだという話は、先ほど来お答え申し上げておりますように、最終的には、介護の報酬を決める、そこの介護報酬の決定のところの場面になると思いますから、そこで個別の、こんな場合にはどうするのというのは決めさせていただきますということを申し上げておるつもりであります。
 ただ、最初のお話で、いろいろなことがあると思いますから、まず現場をしっかり見せていただいて、ホームヘルパーの問題もちゃんと対応をさせていただきます。

○山井委員 大臣、やはり私、お願いしたいのは、家政婦がわりに使っているとか、ホームヘルプによってよくなっていないとか、そういうことを言うのは、私は慎重に言っていただきたいと思うんです。
 そういう話が大部分なのか、一割二割なのか、それによって全然違うわけですよ。多くの家事援助はお年寄りにとって命綱になっているわけですよ。そのために雨の日も雪の日も現場のホームヘルパーさんは汗だくになって、あるいは家に入って、本当にうんちまみれになりながらやっておられるホームヘルパーさんもおられるわけなんですよね。だから、日本のお年寄りの幸せを守る介護保険の責任者でもあるべき厚生労働大臣が、余り軽く今おっしゃったようなことをおっしゃるのは、私は非常に慎重に言っていただきたい。もちろん、一部そういうのがあるのは認めますよ。しかし、それがあたかもトータルであるような見方をされると、非常に失礼になるのではないかというふうに思います。
 次にお伺いをしますが、尾辻大臣、筋トレのメニュー、厚生労働省はどのようなものを考えておられますか。

○尾辻国務大臣 筋トレの中身について……(山井委員「メニューですね」と呼ぶ)メニュー、余りうまく説明できないんですが、ごく普通に、この後御質問になるのかもしれませんが、私、現場を見ておりまして、お年寄りがちょっとした器械を使ってやっておられる、まさにそういう、普通にいう筋トレだと思っておりまして、それ以上うまく説明できないことをお許しいただきたいと存じます。

○西副大臣 お答え申し上げます。
 その前に、私も、先ほど大臣に要望されました内容、必ずまた現場を見せていただきたいと思います。
 今回の新予防給付への導入、これはいろいろなことが議論されました。最終的には、先ほど大臣がおっしゃいましたような、いわゆる筋トレと言われる、器具を使った運動機能の向上のため、それからもう一つは、やはり年配になってきて栄養の改善もぜひやらなければいかぬ、それから口腔機能、こういう三つを考えております。

○山井委員 それで、厚生大臣、先日、デイサービスで高齢者トレーニング、筋トレを視察されたようで、今のこともおっしゃっていましたが、そこで、ここにも書いてありますが、その筋トレマシンは幾らでしたか。

○尾辻国務大臣 私は、そのマシンの値段は承知しておりません。

○山井委員 厚生労働省にも一応聞きましたが、マシンの値段はわからないということです。でも、これは、今の議論をしていても、これからは介護予防だ、この介護保険改正の目玉は介護予防で、その中の一つの柱が筋トレだというときに、大臣が見に行くマシンが、果たして幾らのマシンで筋トレをやっているのかも大臣もわかっていない、厚生労働省も知らないというのは変な話だと思いませんか。世の中、介護予防でも筋トレでも費用対効果というのがあるわけですよね。
 それで、次に、筋トレのことで大臣にも申し上げておきますと、エビデンスがあるのかというと、ここの資料にあるように、例えば太極拳のエビデンスは外国の論文なんですよ。外国のお年寄りが太極拳をやって効果があったと。ダンベルもこれは外国の論文で、あと、セラバンドというものも外国の論文なんですよ。
 それで、私、厚生労働省に日本の論文が欲しいと。そうしたら、日本ではまだデータが出ていないと言うんですよね。そうしたら、エビデンスもないわけですよ。外国でやってよさそうだから日本に導入しようというのでは、目玉としては私は非常に不十分だと思っているわけです。
 それで、その筋トレマシンの価格についても教えてくださいといってお願いしたら、ここの資料にありますように、四ページ目、筋トレの方法については、「各種あると聞いているが、価格等詳細については承知していない。」と。
 先ほど大臣もおっしゃったように、大臣も見に行っている。大臣も、筋トレといえば機器だと思っている。そういうふうに厚生労働省がいろいろ推奨して、全国の現場も、筋トレマシンを買わないとだめなんじゃないかということになっていて、いろいろな業者が売りに行ったりしているわけですね。そういうことになっているのに、厚生労働省はそういう価格も知らない、こういうふうなことというのは極めて無責任じゃないですか。この価格表、ぜひすぐに出してほしいと思います、大臣。

○尾辻国務大臣 まず、筋トレというのが、必ず器械を使わなきゃいけない、マシンを使わなければいけないものだという認識がまず私にはございませんでした。
 それから、見に行ったところも、これは専門家でないからわからないのかもしれませんけれども、そんなに高そうなものには見えませんでしたし、それから、バーというんですか、棒を一本横に流しただけのところで足を上げたり下げたりしておられるような、まあ、少なくともあの棒を一本引く値段はそう大した値段ではないだろうと思いましたし、私はそういう印象で帰ってまいりましたということを率直に申し上げるところであります。

○山井委員 ちょっと、質問に答えてくださいよ。資料を出してくれと言っているわけですよ。その筋トレマシンについて、厚生労働省が持っている価格表。
 そして、続けますと、この八ページにもありますが、今、モデル事業を全国でやっているわけですよ、筋トレのモデル事業。私たちも法案審議する上で、モデル事業をやっているんだったら、どんな器械を使って、幾らかかって、人手がどうで、費用対効果はどうなのか知りたいと思うのが当然ですよね、大臣。
 私は三週間前から、幾らのマシンを使って、幾ら人手をかけて、どんなことをやっているのかと頼んでいるんですけれども、答えがまだ返ってきていません。大臣、この資料を見てください。それでやっと、あした質問しますよと言って、きのうの晩来た資料がこの資料です。高浜市、筋トレマシン、費用はなし、事業費もなし。
 私は、介護予防あるいは筋トレを全面的に否定するものじゃないですよ。ただ、それを判断する意味では、どんなマシンを使って、あるいはどんなマシンを使わずに、幾らで、どんな人手でやっているのか、そんな資料ぐらい出してもらわないと、こっちも審議しようがないじゃないですか。
 こういうふうな資料を速やかに、これは委員長にもお願いしますが、次の委員会までに出してほしいと思います。

○尾辻国務大臣 申し上げましたように、筋トレそのものが必ず器械を使うものだとも思っていません。したがって、まず……(山井委員「器械じゃなくてもいいんですよ。かかっている費用を出してくださいと言っているわけですよ」と呼ぶ)
 いや、器械の値段をとおっしゃったので、そのことを申し上げておるわけでありますが、器械の値段を出すのは、調べて出せばいいと思いますけれども……(山井委員「調べて出してもらえるんですね」と呼ぶ)いや、逆に私が心配いたしますのは、そうすることによって、そんな器械を買うのが筋トレだというふうな逆の理解になるとまずいんじゃないかなとつい思ったりもしますから、正直に私、そう思うんです。
 そういう値段をお出しすると、厚生労働省が今度の法改正に当たって筋トレの器械の値段をこんな数字で出してきたというと、逆に、そういうものを買わなきゃいかぬのじゃないかという理解になったら困るなとつい思ったりするものですから、そこのところまでちょっと検討させていただければというふうにお答えしているつもりであります。

○山井委員 平成十五年度の全国のモデル事業、ほとんど筋トレマシンを使っているわけですよ、厚生労働省のモデル事業がいろいろなところでやっているものを。そういう今までの経緯があるわけですよ。だから、厚生労働省がそういう姿勢だったから、全国が今、筋トレマシンを買わないとだめかなということになっちゃっているわけですよ。
 そう既になっているにもかかわらず、それを出すとそういう雰囲気になるというのは、逆に本末転倒なわけであって、とにかくデータを出してくださいよ。モデル事業でやって、そのモデル事業に基づいて介護予防をやるわけでしょう。大臣、これはちょっとちゃんと答えてください。ちゃんとコストと人手と、大臣、ちゃんと答えてください、それは。

○尾辻国務大臣 モデル事業でやっていますから、モデル事業は今年度の事業としてやっていますから、今年度末できっちり締めて、そうもう長いことじゃありませんから、お出しをします。ただ、時間がちょっとずれますということを申し上げるわけであります。

○山井委員 いつですか、それは。審議の前ですか、後ですか、介護保険改正法案の。ちょっとそれ言ってください。審議が終わってからだったら意味ないじゃないですか。大臣、ちゃんと今のは答えてくださいよ、それは。大臣、答えてください、今のをまず。

○尾辻国務大臣 モデル事業ですから三月で締めてお出しをしますと言っているわけですから、そこは御理解ください。

○山井委員 そんなことは聞いていないんです。報告書を出せと言っているんじゃないんですよ。ここに書いてある表で、幾らのマシンを使って、幾らの費用がかかっているか、これだけを出してくれと三週間前から言っているんですよ、報告書なんか言っていないんですよ。モデル事業終わらなくてもいいんですよ。それは出してもらえるんですね。

○尾辻国務大臣 実施済みの十五年の事業がございますから、その数字はすぐに出させていただきます。

○山井委員 なぜ今やっているのを出せないんですか。私こんなこと言いたくないですけれども、年金審議と一緒になりますよ。一本電話したらわかることじゃないですか、どんな器械を使っているかなんて。なぜその資料を出してくれないんですか、法案審議の前に。出せない理由があるんですか。大臣、答えてくださいよ。

○西副大臣 今、モデル事業に関してというお話でしたので、そのことについては調べさせていただきたいと思います。
 なお、報告書につきましても、今年度いっぱいということですから、四月には出させていただきます。(山井委員「報告書のことは聞いていないですよ」と呼ぶ)

○山井委員 ちょっと、関係ないこと横から答えないでくださいよ、そんなのだったら。
 大臣、その資料、これの項目の、幾らコストがかかっているか。自民党の皆さんも理解してくださると思うんです、公明党の皆さんも、皆さんも。介護予防や筋トレで費用が幾らかかっているか、それと効果がどうか、費用対効果を考えるのって当たり前ですよね。その費用が幾らかかっているか、何で出してもらえないんですか。ちょっと大臣、お願いします。それぐらい出してくださいよ。大臣、お願いします。

○尾辻国務大臣 調べてお答えしますというふうに答弁したはずなんですけれども。私はそういうふうに聞きました。

○山井委員 だから、来週水曜日の審議までということでいいですね、これは電話一本でわかることですから。報告書じゃないんですからね。報告書じゃないですから、この項目だけは、大臣、お願いします。大臣、お願いしますよ。三週間前から頼んでいるんですから。尾辻大臣、お願いします。

○尾辻国務大臣 精いっぱい努力いたしますことだけはお約束を申し上げます。

○山井委員 来週水曜日までに精いっぱい努力してもらえるということでいいですね。もう一回確認します。これは非常に重要なことですから。

○尾辻国務大臣 多分、先生が求めておられるのはマシンの値段だと思うんですが、そういうふうに理解していいですか。

○山井委員 ここに書いてありますように、マシンの値段と人件費でかかっているコストですね、コスト。

○尾辻国務大臣 人件費のコストまで言われると、ちょっとかかるような気がします。絶対だめだとも言いませんが、今、事業実施中でありますから、年度で締めさせていただけば、それはきっちり、当然お答えすべきものでありますし、お答えしますが、人件費まで言われるとどうかなというのが、率直に思うものですから、申し上げているところです。

○山井委員 だから、一月幾らかかっているかとか、そういうことで結構ですから、終わってからでなくて、今、PTさん、保健師さん、幾ら人件費がかかっているということと、この表にありますように、機器とか、セラバンドでもどんな機器でもいいですけれども、使っているか使っていないか、それの費用ということで、それ、いいですね。

○尾辻国務大臣 とにかく、年度が終わったらきっちり出しますと言っているわけですから、隠すつもりも何にもありませんので、とにかくできるだけ早くお出しすることだけはお約束いたします。

○山井委員 ちょっと、答弁後退しているじゃないですか。来週水曜日までにできる限りのことをお願いしますと言っているんですよ。

○尾辻国務大臣 人件費までおっしゃったので、そこまで言われるとちょっとかかるだろうなと思ったので、今申し上げているだけの話でありまして、決して後退させているつもりもありません。
 最後に一言で言いますと、精いっぱい努力をして、できるだけ早く出させていただきます。

○山井委員 そうしたら、来週水曜日までにぜひともお願いをいたします。
 とにかく、繰り返しになりますが、私たちは真剣に法案を審議したいわけですよ。きょう初めて言っているんじゃないんですよ、三週間前からこういうデータを欲しい欲しいと言って、出せない出せないと言っているわけですよ。本当にこれはお年寄りの幸せのためにも非常に重要なことでありますので、こういう資料の請求のこととか、また、先ほど言った基準のこととか、こういうのをきっちりとやはり出していただきたい。そうでないと法案が審議できないということを最後に申し上げて、質問を終わります。
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Posted at 2005年03月11日 12:00 | TrackBack
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