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厚生労働委員会

165-衆-厚生労働委員会-5号 平成18年11月08日
 ◎社会保険庁 社会保険庁未加入
 ◎障害者自立支援法 利用中断問題
 ◎B型、C型肝炎問題
 
○山井委員 民主党の山井和則です。
 これから一時間、質問をさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
 きょうは、感染症予防法改正に関連して、B型、C型肝炎患者の方々の救済、そのことを中心に質問したいと思いますが、その前に三点だけ、短く質問をさせていただきたいと思います。
 まず一問目は、先日、我が党の細川律夫議員がされた偽装請負に関する質問に関してでございます。
 その際には、要は、最近、請負や派遣労働者の社会保険加入状況が非常に不明になっているんじゃないかという質問がございました。そのときの厚生労働省の答弁は、今後一歩一歩調べていく、そういう悠長な答弁であったわけですが、そこで具体的に質問いたします。
 今、大企業の工場で幾つも偽装請負という違法な雇用形態が広がっております。昨年度には全国の労働局が九百七十四件の是正指導をしたと伝えられていますが、偽装請負では、安全管理がおろそかにされているだけではなく、社会保険への加入漏れ等待遇面でも問題があると指摘されています。この九百七十四件は氷山の一角とも考えられますが、社会保険庁は少なくとも最優先でこの九百七十四件について社会保険の加入状況について早急に調査を行い、社会保険への加入を徹底すべきではないでしょうか。

○柳澤国務大臣 今御指摘のように、最近の請負の形態につきまして、昨年、各都道府県労働局において是正を指導しなければならない案件が生じておることは御指摘のとおりでございます。そういうときに、単に労働局ラインの是正を求めるだけではなくて、社会保険事務所の事業所調査とよく連携がとれる形をとって、そして社会保険関係の的確な適用、徴収といったことについてもしっかりした指導を行うべきだ、こういう御指摘をいただきました。
 これはまさしくそのとおりでございまして、今、労働局の方のラインの仕事と社会保険関係のラインの仕事が分立して、並立している形になっておりますが、我々、労働省と厚生省が一緒になって一つの役所をつくっている以上、この関係の連携というものはもっと緊密にならなければならない、このように考えておるわけでございます。
 そうした意味におきまして、今御指摘をいただきましたように、今後は、労働局の職員のいろいろな調査におきましても、社会保険関係にも十分関心を持って、そういうところから情報がうまく伝わるようにいたしてまいりたい、このように考えております。

○山井委員 早急に調査をお願いしたいと思います。
 それでは、あと二問、短く、障害者自立支援法について質問をいたします。
 先日、我が党の園田議員、郡議員からもお話がございましたが、去る十月三十一日、一万五千人もの方々が、史上最大規模で日比谷公園等に集まって、今の障害者自立支援法、出直してほしい、そういう活動をされました。
 きょうお配りしております資料の中にもその資料が入っております。一番ラストのページ、九ページ目でございますが、「通所やホームヘルプ・ガイドヘルプの断念・抑制、生活費を削るなど、予想以上の深刻な影響が出ています。」「「自立支援法」はうたい文句とはまったく異なる状況を生み出しています。」「「三年後の見直し」が明記されていますが、それまでにサービス利用や生活が継続できなくなる事態が相次ぐ恐れがあり、早急な見直しが必要です。」ということを一万五千人の方々がおっしゃっておるわけであります。
 そこでお伺いしたいと思います。
 この資料にもございますし、先日も申し上げましたように、例えば、今回、厚生労働省が受け取った長野県からの資料、六ページに載せてございますが、事例二、工賃と同じぐらいの利用者負担を払わなければならなくなったため、通所施設への通所をやめた。この方は、利用料金がただだったのが二万二千円になった。
 そして事例三は、工賃より高い負担金を払った例として、三十代の通所授産施設に通っておられた女性の方が、通所することで、働いた工賃収入以上に負担金がかかるので、一万五千円の工賃のところに負担額が二万九千円になってしまった、これで利用をやめたということであります。
 それで、七ページになりますが、これも前回と重なりますけれども、それによって、今サービスを利用せずに家に閉じこもっておられる方も出ているわけであります。
 そこで、お伺いをいたします。
 通所施設の利用中止や利用抑制は何%か。また、滞納されている方は何%か。そして、家に閉じこもっておられる方々がどうされているかという実態調査はされているでしょうか。現状を把握されているでしょうか。大臣、お答えください。

○柳澤国務大臣 先般来お話ししております利用中止者の割合というのは、通所、入所、いわば込み込みの比率でございました。
 今、先生から、特に通所の利用中止者の割合についてお尋ねがございました。今お答え申し上げる中止者の割合というのは、実はデータが明らかになっている県に限るわけでございまして、そういたしますと、現在、八府県の状況ということになりますけれども、〇・六八%という水準になりまして、先般お話し申し上げました入所の中止者の単純平均の〇・三九%に比べてやや高水準になっているかと思います。

○山井委員 それで、これは前回の柳澤大臣の答弁でも、こういう、利用料が高いからということで利用が中断するということは断じてあってはならないと答弁されているんですね。断じてあってはならないけれども、今おっしゃったように、そういう事例が出てきているわけです。
 実際、これは大人の障害者の施設だけでなく障害児のデイサービスでも利用断念というのが出てきております。
 例えば、資料の八ページを見てもらいますと、利用者負担増を理由に退所した方は一%、そして利用減少は六%も出ているというのがこの八ページの熊本県のデータでありまして、通所施設断念が十五人、児童デイサービス断念が何と六十人ですよ。障害のあるお子さんが六十人も自己負担アップによってデイサービスに通えなくなった。
 大臣、ですから、本当に大変心配なのは、これで家に閉じこもられて、もしそこで虐待が起こったり、あるいは親子心中なんということになったら、これは大変なことになりますので、そうならないように、やはりこれはきっちりと措置をしないとだめだと思います。
 そこで提案なんですけれども、さまざまな軽減措置などをしても、なお工賃を上回る利用料や食費を払っているという事態が続いているわけですが、こういう逆転現象が起こっているわけです。やはりさらなる軽減措置等を通所施設、児童デイサービスに関しては行うべきではないでしょうか。いかがですか。

○柳澤国務大臣 先ほどはちょっと失礼いたしました。私、御質問に全部答えていませんので、それをちょっと補足させていただきますと、通所施設における利用抑制、滞納は、利用抑制につきましては、調査を行っている六県を見ますと、一・四%ないし二・九%という数字が出ております。また、滞納については、調査を行っている県は一県でございますが、それによりますと一・三%であるということでございます。
 今御指摘のように、通所をして、そしてそこで一定の作業をしている、その作業の対価というか、そういうことでいただく工賃に対して利用料の方が上回っているというような状況についてはもっと配慮すべきではないか、こういうことでございますけれども、私ども、このスキームを考え出すに当たりましては、一つは、ぜひこれは御理解いただきたいわけでございますが、たとえ作業をしておりましても、そこには一定の支援が行われておって、そこに一定の経費がかかっているということでございまして、それとのかかわりで私ども利用者負担を算定させていただいておるということでございます。
 そして、その利用者負担の算定に当たりましてはいろいろな角度からの負担軽減措置をとらせていただいておりまして、私どもの見るところでは、確かに工賃との関係では今先生御指摘のような逆転現象が起こっているというようなこともございますけれども、全体として、負担能力との絡みで、これを十分に支払うことができるのではないか、こういう考え方のもとで今日のスキームを構築させていただいておるということでございます。ぜひ御理解を賜りたいと思います。

○山井委員 この熊本県の資料を見ても、利用中止が十八人、児童デイサービスに関しては十一人ですから、そういう答弁をしていて、これは本当に、熊本県だけで児童デイと通所で二十九人、全国的には千人以上の方々が通所を断念して家に閉じこもっておられるわけです。その中で虐待や心中事件が起こったら、これは大変な問題になるということを指摘しておきます。
 それでは、B型肝炎、C型肝炎の質疑に入らせていただきます。
 まず最初に私申し上げたいんですけれども、私も、今回のこの法案審議に入るまでは、名前は聞いたことがあったんですが、このB型肝炎、C型肝炎の問題というのはそれほど深刻じゃないのかなというふうに実は思っておったわけです、恥ずかしながら。ただ二週間ちょっと勉強しただけなんですけれども、やはりこれは知れば知るほど本当に深刻な問題だということを痛感しております。そういう意味では、私も、ある意味で専門家ではありませんけれども、ぜひ、大臣を初めとします方々やきょうの委員会室の皆さんとともに、この問題の深刻さを一緒に考えていって、この解決策を探っていきたいと思っております。
 まず、資料をお配りしておりますが、この資料の一ページにありますように、B型肝炎が大体百二十万人から百五十万人、C型肝炎が二百万人から二百四十万人、合計三百九十万人ぐらいに達するかもしれない。その中で実際発症されている方々は六十万人ぐらいではないか。大体、これは時限爆弾とも呼ばれておりまして、感染してから二十年後ぐらいに発症するとも言われているわけであります。第二の国民病とも言われております。
 しかし、そんな中で、例えば、インターフェロンとリバビリンを併用すれば半分ぐらいのC肝、C型肝炎のウイルスが排除できるんじゃないか、そういう治療法の光明も、残念ながらこれはすべての方に適するわけではございませんが、そういう方法も出てきている。
 それで、大臣御存じのように、今これは訴訟になっております。この資料の新聞記事の方にもございますように、B型肝炎訴訟、C型肝炎、大阪地裁、福岡地裁とか、訴訟になっております。それで国も敗訴をしている部分もあるわけであります。
 しかし、原告の中で既に四人の方々が亡くなっておられる。そういう意味では、もちろん司法で決着をつけるということは一面では重要ではございます。しかし、きょう大臣に特に申し上げたいのは、それまで待てない、それまでに本当にどんどん亡くなっていっておられる、あるいは、手おくれになって生体肝移植しか方法がないとか、がんになってしまうとか、そういう本当に悲劇的な状況が刻一刻と進んでいるわけであります。
 そこで私が提案したいのは、司法は司法としてきっちりやるわけですけれども、同時に、私たちもやはり政治の力でその肝炎対策、救済をせねばならないのではないか、そのことを一緒に考えてみたいと思うわけであります。
 まず、実物でありますが、一つ、この血液製剤、幻の血液製剤で、今はもうないのではないかと言われているんですが、これが、C型肝炎ウイルスをお母さん方に出産の際の出血の際に感染させてしまった恐ろしい薬、フィブリノゲンの実物でございます。これがまさにフィブリノゲン・ミドリでございます。これをこの蒸留水で溶かして、点滴のような形でやっていく。出産のときに大量出血したときにこれでとまる、そういうふうな説明であったわけです。
 しかし、これが日本で大体三十数万人に使われて、そのうち数万人の方々がこれによってC型肝炎に感染したのではないかと言われております。このもとは、アメリカの刑務所の囚人の方々の売血とか、そういう方々の血をもとにつくられてしまった。一九七七年にはアメリカでは使用が禁止されていたのに、その後も日本では使い続けられた、このことが今訴訟になっているわけであります。
 それとともに、今インターフェロン治療が行われております。このインターフェロンの治療においても、これですね、このインターフェロンの注射、これは本当に、非常に痛くて、かつ副作用もある。これは非常に小さなものでありますが、これだけで三万円、あるいはもっとするケースもあるわけです。それで、このリバビリンと併用すると五〇%ぐらいの可能性でC肝ウイルスが除去できる、そういうふうなデータも出てきているわけであります。
 しかし、これも非常に高価な、お金がかかるわけでして、副作用が強いからこのインターフェロン治療をされないという方もおられますし、また、自分に適しないというふうにお医者さんから判断される方もいますし、あるいは、一番深刻なのは、経済的な理由でこれを断念されている、それでみすみす慢性肝炎になって、肝がんになっている方もおられるわけです。
 それで、私も余りこういう写真は得意じゃないんですが、この写真を持ってまいりました。これは見ていただいたらわかりますように、一番上が慢性肝炎の肝臓でございます。それが、放置しておくと時間の問題で肝硬変になる。それが、残念ながら最後にはこういう肝がんになってしまう。これを食いとめるためには、一つの方法としてはインターフェロン治療があるというふうに言われているわけであります。生まれたときに感染して、二十年間自覚症状がない、しかし、二十年ぐらいたってあるとき感染に気づくという、恐ろしいことであります。
 それともう一つ、札幌で訴訟になっているのが注射器での感染でございます。これもちょっと見ていただきたいと思います。恐らく見覚えがあると思います。BCGとかツベルクリン反応のときの、これですね、このブルーのもの。私もこれは非常に苦手で泣きそうになっていたのですけれども、これを五人分ぐらいここに入れて、一人ずつ集団で注射する。ということは、自分の前の人がたまたまC型肝炎に感染されていたら、その次の方も感染してしまう。それで、もうちょっと大きなものは、こういうガラスのものもございました。これでは感染するということで、今日ではこういうプラスチックの使い捨てのものになっているということなんですね。
 ところが、私たちの世代もそうでしたけれども、こういう集団接種、回し打ちというもので利用していて、これによってC型肝炎に運悪く感染された方もいるわけです。このことに関して最高裁は、ほかのB型肝炎感染が考えられないということで、国の責任を今回、最高裁が認定したわけであります。
 そこで、まず柳澤大臣にお伺いしたいのですが、今のこの注射を見ていただきましたように、これは私たち以上の世代というのはみんな見覚えがあるんですね。今回、五人の方が勝訴をされたわけなんですけれども、これを使っているのは、私たち以上の世代は多くの人が使っていると思うのです。ということは、今回、五人がこれによってB型肝炎ウイルスに感染したということで最高裁が判断をしたわけなんですが、これは五人に限らず、この注射を注射器で打たれただれしもが、もしかしたら感染していたかもしれないというリスクはあると理解してよろしいでしょうか。

○柳澤国務大臣 B型肝炎の話からお始めになられましたので、そのラインで私の答弁を申し上げますけれども、B型肝炎の感染経路も、今先生御指摘の注射器の回し使用ということだけではなくて、他の感染経路もあるという認識がございます。
 したがいまして、最高裁の判示におきましても、この起源もいろいろ難しい議論があるようですけれども、しかし、基本的に、これが注射の回し使用というものにはっきりと原因が特定できる、他の例えば母子感染のような経路での感染ではないということが証拠に基づいて証明できる部分につきまして、これが原告五人の方々でございますけれども、そういったことについて国の責任を認めたということでございまして、これを他に広げて、B型肝炎一般について国の責任を認めるということにはなっておらないわけでございます。
 これは先生、つとに御案内かと思いますが、そうしたことでございますので、私どもとしては、今、この国の判決には、これはしっかりと服して必要な補償等をとっておりますが、それ以上のことについては、これはやはり判断の問題でございますけれども、これを一般化するということはいたしておらない、こういうわけでございます。

○山井委員 大臣、私は、国の過失ということは当然申し上げていないのです。国の過失と言い出すと、今のようなややこしい答弁になるかもしれませんが、私は、シンプルに、この注射で集団予防接種を受けたのは五人だけじゃないですよね、ということは、当然の可能性として、五人以外にも、この集団予防接種でB型肝炎に感染した可能性がある人は日本の中におられますよねという一般論を申し上げているのです。いかがですか。

○柳澤国務大臣 それは、その可能性は完全には排除できないと思います。

○山井委員 そうなんです。これが感染原因だと特定できる人は、これはいろいろなエビデンスがある方で、めちゃくちゃまれでありまして、一般の人はこれはわからない。ただ、もしかしたら、C型肝炎、B型肝炎になってしまったのは集団予防接種だったかもしれないと。これは、まさに今大臣おっしゃったように、それも排除できないんですよ。その中で、では国の過失があるのかどうか。これもなかなか正直言って難しい判断にまたなってくるわけであります。
 ただ、私が聞きたかったのは、最終的な判断は司法がするわけでありますが、だれしもがこの集団予防接種でB型肝炎なりC型肝炎にかかられた可能性は排除できないということを確認させていただきました。
 それで、次の資料、二ページ目を見ていただきたいのですが、では、そのB型肝炎、C型肝炎の方がどうなるか。B型肝炎の方は、一〇%から一五%だけが慢性肝炎、肝硬変、肝がんになるわけです。C型肝炎ではリスクがもっと高くて、八割、九割以上の方が慢性肝炎、肝硬変、肝がんになっていく、こういうわけなんですね。それで、無症候性キャリアも含めると、多ければ三百万人以上ということになっているわけであります。
 それで、こういう三百万人を上回っているという推計値が厚生省から出ております。これは人口の本当に多くを占めるわけなんですが、このまさに第二の国民病とも言える問題が、もちろん、今司法で争っておられる方はおられます。でも、大臣、申し上げたいのは、圧倒的多数の大部分の方は、それは司法では当然争えないわけですよ。その方々の対応を司法が今やっているから、その結果待ちということになったら、患者の方は亡くなってしまうか、手おくれになってしまうわけです。
 そこで、もう一つ、この感染の可能性があるのがクリスマシンというものなんですね。これは当時、もうアメリカでは新生児の出血症には効果がないとされていた第9因子製剤であります、クリスマシン。そして、このクリスマシンを出産のときに投与されたということでC型肝炎に感染されたのが、きょうの資料の十ページ目ですね、福田衣里子さんであります。実名を公表して福岡地裁で争っておられる。それで、きょうも実は傍聴席にお越しいただいております。真ん中に座っていられるグリーンの服を着た方、きょうはわざわざ長崎からお越しをいただきました。
 それで、また、私、この福田衣里子さんが最近書かれた本も読ませていただきました。「イッツ・ナウ・オア・ネバー」、C型肝炎ウイルスに感染して二十年経過していますと二十のときに言われたと。あるテレビ番組で、知らないうちに、出産のとき出血したときの血液製剤などで感染しているケースがありますよと。それで病院名が公表された。その病院名が自分が生まれたところだったので、念のため見てみたら、これに感染してしまっていたということであります。この本、後でまた柳澤大臣にもプレゼントしますので、ぜひお目通しをいただければと思います。
 それで、一番理想的なのは、大臣に会っていただいて、直接、苦しみ、悩みを聞いていただきたいのですが、それはなかなか難しい面もあろうかということで、実はきょう、福田衣里子さんが柳澤大臣あてに手紙を書いてこられましたので、短く書いてくださったそうですので、ちょっと早口になるかもしれませんが、少しだけお許しを得て読み上げさせていただきます。
  柳沢大臣殿
  はじめまして。福田衣里子と申します。
  もし、そう遠くない未来に、地球が滅びることが分かっていたとしたら、柳沢大臣、あなたはどう生きますか?夢を持つことが出来ますか?将来の為に貯蓄をしたり、勉強をすることができますか?
  死と同等の絶望と恐怖を持ちはしないでしょうか。
  私は今、「死」を意識して生きています。
  私は二十歳の時、感染を知り、それ以来幾度となくインターフェロン治療をうけてきましたが、いまだ完治には至っていません。
  一人、入院中のベッドの中で、「こんなはずじゃなかった。今まで一生懸命勉強したり、我慢して頑張って来た事もたくさんある。でもこんな所で一日中寝ている為にしてきたわけじゃない。もっと可能性が有ったはずなのに…。今の私は、どう生きるかなんて、贅沢な事を考える前に、自分の命を確保することが先なんだ。」そう思って泣いていました。友達はみんな仕事をしたり、結婚をして羽ばたいていて、自分だけが取り残されていくようで、不安と焦りの気持ちでいっぱいでした。
  柳沢大臣、私は、パン屋さんになりたかったんです。しかし、病気と治療で身体が弱って、その夢も諦めました。今の私は、放っておけば、遅かれ早かれ肝癌になる体です。お嫁さんになる勇気も、子供を産む勇気も持てません。
  私はただ生まれてきただけなのに、何も悪い事はしていないのに、ちょうど、これから人生が大きく広がろうとする二十代に動き出す様に仕掛けられた、時限爆弾のようなC型肝炎ウイルスに感染させられました。私は今年、二十六歳になりました。両親とも六十歳をとっくに超えています。お母さんはこんな私に「お母さん達が元気なうちに治してやりたい。どんなことをしても、家を売ってでも治療させてやるけんね。」と言ってくれます。両親を安心させる為に行ったはずの検査で、結果大きな負担と心配をかける事になってしまいました。
  最初、感染を知って運が悪いと思いました。しかし今は、運良く感染の事実を知り、治療を受ける事が出来ていると思っています。まだ感染に気づいていない若者が感染に気づくきっかけになれたら、また、感染が分かってもインターフェロン治療は高いので、治療できず、肝癌への進行をおびえながらも待つばかりの若者もたくさんいます。この裁判をきっかけに肝炎対策に関心が高まり、医療費の助成が実現するように、その力となれたらという思いで、私は実名公表を決意しました。
  起きてしまった薬害や、私がその被害にあった事はもう仕方のない事だと思います。裁判をすることで、病気が治るわけでも、過ぎた時間が戻るわけでもありません。
  しかし、薬害の被害にあった人やその家族がどのような人生を歩むことになったかを、知って欲しいと思います。
  柳沢大臣、私はお医者さんでもありませんし、何の力も無い一人の小さな人間です。
  ですが、あなたには、たくさんの命を救える力があります。どうか、一人でも多くの人の涙がやむように、命が救われるように、お力をお貸し下さい。
    二〇〇六年十一月八日
               福田 衣里子
という手紙でございます。
 本当に、当然、福田さんには何の落ち度もなかったわけでありまして、クリスマシンというこの中にC型肝炎ウイルスが混入をしていたわけであります。三百万人いると言われる日本の肝炎患者の方々のお一人の声として、今、御紹介をさせていただきました。
 それで、今、病床に伏すことも多いので、刺しゅうをされているんですね。実は、きょうも、個展を長崎でやっていたのを一日個展をやめて来られたんですけれども、すごくきれいな刺しゅうのもので、それをポストカードにしたものでございます。柳澤大臣と石田副大臣にこの刺しゅうのポストカードと本を失礼ながらプレゼントさせてもらいたいと思いますので、ぜひまたお読みいただければと思います。
 私もこういうことを二週間前ぐらいから、本当に遅まきながら調べ出して、本当にこれは深刻な問題だなというふうに思っております。
 そこで、柳澤大臣、今までのこのお話をお聞きになって、御感想というか、日本の厚生労働行政の責任者としてのお気持ち、御感想を一言いただければと思います。

○柳澤国務大臣 今の福田さんのお話、御本人もあそこにいらっしゃるわけですけれども、お話を含めまして、山井委員の御指摘というのは、まことに胸の詰まる思いで聞かせていただきました。
 本当に、例えば今のクリスマシンによる肝炎というものも、お母様の御出産のときに生じた、治癒させるために使用されたということかと存ずるわけですけれども、それが大変重大な疾病を、後日に大きな疾病を引き起こす要因になってしまったのではないか、こういうことでございまして、本当に、その当事者に対しては、これはもう本当に心から御同情を申し上げるというほかございません。
 ただ、これを国の制度として治療費の面倒を見るということになりますと、これは他のもろもろのいろいろな制度、あるいは、治療の支援というようなことになりますと、他の疾病との比較考量というようなことがどうしても必要になってしまうわけでありまして、その間における合理性あるいは公平性といったものを考慮して制度としては考えなければならない、これも私たちが置かれている立場でございます。
 そうしたことから、現在、我々は一つの考え方を打ち出させていることは山井委員も御案内のとおりでございまして、難病であるとかあるいは通常の生活で感染をしてしまうとかいうようなことの疾病に対しては一定の配慮をするという制度が成り立っておりますけれども、これを広げるということについては、なお、我々として、なかなかこれを踏み切っていくだけの理由というかそういうものを見出し得ていないというのが現状でございます。

○山井委員 今、柳澤大臣は合理性、公平性ということをおっしゃいました。合理性とは何でしょうか。公平性というのは何でしょうか。
 明らかなのは、福田衣里子さんには、自分には何の過失もないということであります。そして、もちろん国の過失がどうかということに関しては司法が決めるでありましょうけれども、このクリスマシンという薬によって薬害で感染したということも事実であります。
 柳澤大臣、これは国の過失というと、非常に実はややこしくなりますのが、すべて最高裁まで争わなくてはならなくなるわけですね。治療費が出たときには、もう亡くなっておられるか、あるいは手おくれになって、もうインターフェロン治療もできない時期になってしまっている可能性もあるわけですし、また、三百万人おられるとしたら、全員が訴訟するということも事実上不可能なわけです。そこがこの問題の難しさであります。
 柳澤大臣が、ほかの病気とのある意味で公平性とおっしゃる意味、わからないではありません。しかし、最大の違いはやはり国の過失があったかもしれないということなんですね。
 それで、柳澤大臣、今推定で三百万人、肝炎患者の方がおられます。そのうち国の過失があったかもしれないというのはどれぐらいだと思われますか。

○柳澤国務大臣 B型肝炎、C型肝炎につきまして、これには多様な感染経路があるということでございます。
 したがいまして、その中で、確かに国の過失があったかもしれない、あるいは、全く国は関与していなかったというような分類分けが一応できるかと思いますけれども、現在のところ、私どもとしては、このB型肝炎、C型肝炎のそれぞれの感染経路における感染の割合というものは、これを把握することが困難である、こういうことで、不明と言わざるを得ないわけでございます。

○山井委員 まさにそうなんです。国の過失があったかもしれない、でも、一人一人の感染経路というのはそう簡単にはもう特定できないんですよ。でも、重要なのは、ほかの病気と違って国の過失があったかもしれないんです。
 ですから、やはりこれは、今、産婦人科で無過失補償制度というのを、厚生労働省、議論をされていて、年内に方向性を出すと。これは、そのときの過失が医師にあったかどうかというのは置いておいて、ある程度補償しようという考え方なんですけれども、それと多少似たような考え方で、お一人お一人に国の過失があったかどうかというのは、これはやり出すということは不可能なんですね。ということは、その議論は司法の方でやるとして、でも、もう待ったなしだから、もしかしたら国の過失があったかもしれない、かもしれない方々に対して国がどうするのかというのは、ほかの病気とはやはり少し違う。どう違うかというと、一般の患者さんではなくて、もしかしたら被害者だったかもしれないわけですよ。そういう可能性がある。ここが私はほかの病気との違いであると思います。
 それと、もう一つの違い、違いというか、今、一つ言えるのが、インターフェロンとリバビリンとの併用でC型肝炎も、これは合う人、合わない人がもちろんあるわけですけれども、半分ぐらい、C型肝炎ウイルスが排除できる治療法というのも出てきているということなんです。
 そこで、お伺いをしたいと思います。
 この資料にも入れさせていただきましたが、虎の門病院副院長で厚生労働省のC型肝炎及びB型肝炎ウイルス感染者に対する治療の標準化に関する臨床的研究班の班長であられます熊田教授がされました調査結果というか研究結果があります。
 どういうことかというと、推定百万人の患者における医療費の比較で、従来の治療法、インターフェロン治療を行わなかった場合、先ほどの写真にありますように、慢性肝炎になって肝硬変になって肝がんになるのを待たざるを得ない可能性が高い。そうすると、百万人からすると八・二兆円、トータルで医療費がかかりますね。ところが、インターフェロン治療、インターフェロンとリバビリンを併用して、それによって、半分ぐらいですか、ある程度治られる方が最近どんどん報告されております。そうすると、トータルの医療費も五兆二千億円で、結局、本人にとってだけではなくて、予防的な意味でトータルの医療費としても低いのではないか、こういう調査結果というか推計も出ているわけであります。
 このような、インターフェロン治療、リバビリンと併用して等で早期に予防的に治療費をかけた方が結果的には医療費としても高くつかないのではないか、こういう研究に関しては、厚生労働省としてはどのように認識をされていますでしょうか。

○柳澤国務大臣 今、山井委員御指摘の熊田先生の研究でございますから、私ども、これを何か軽視するとか、そういうふうなことは全くないわけでございます。非常に重く受けとめるわけでございますが、多分先生もお認めになられると思うんですけれども、この推計というのは相当いろいろな仮定を置いてのこうした推計結果ではないか、このように考えるわけでございまして、この試算と申しますか比較が示すような、そういう医療費の削減が期待できるかどうかということを判断することは難しいと思っております。
 また、医療費が節約できるからこうするというような話が、次の段階に進む基礎としてどういう意味を持つかということについても我々考えてみなければならない問題だ、このように考えます。

○山井委員 それで、患者の方々の多くの要望がございます。検査体制の整備などもございますが、一つの最大の要望は、やはりこのインターフェロン治療の医療費が高いということなんですね。
 それで、この資料、厚生労働省からいただいた資料にありますが、三割負担として、自己負担がB型肝炎だと年額約三十万円、C型肝炎が年額平均約八十万円。恐らく、これより高い人はもっとたくさんおられると思います。低く見積もって、平均してこんなものだというデータを厚生労働省からいただいております。
 それで、もしなんですけれども、これは仮定の話です。昨日厚生労働省から聞いたら、五万人がインターフェロン治療を今されている。六十二万人も発症されている方の八%にすぎないわけなんですが、現時点で、このインターフェロン治療、リバビリンとの併用というものを、仮定として、三割負担じゃなくて無料にもしするというようなことを一年間施策でやったら、幾らぐらいの費用がかかりますでしょうか。

○柳澤国務大臣 インターフェロン治療を行っております患者さんが一年間に五万人いると仮定をいたしまして、現行の医療保険制度における平均的な自己負担、これは必ずしも三割ということにはならないわけでございますが、そういう前提でごく粗い推計をいたしますと、この治療の自己負担部分を無料とする場合は、約二百億円の費用がかかると推計されると考えております。

○山井委員 これはよく、肝炎対策をやると、数千億、数兆かかるんじゃないかという議論もあると思うんですが、やはりこの数字の問題はある程度きっちり議論していかないとだめだと思います。
 今お聞きしたように、現在五万人、インターフェロン治療をされている。それを自己負担をゼロにしたら、年間約二百億円、一人頭でいうと四十万円ぐらい補てんするということになろうかと思います。一つの目安ですね。もちろん、今、いろいろな前提を置いた粗い試算ということをおっしゃいました。
 それで、大臣、もう一つお伺いしたいと思います。
 仮定なんですけれども、もしこの二百億円でやってみたときに、全額出るんだったら私もインターフェロン治療をやりますという人が当然出てくると思うんです。先日も、NHKスペシャルの医療、医師不足の番組の中で、ある方が、自分は今非正規雇用なのでお金がなくて、C型肝炎なんだけれどもインターフェロン治療ができないんだということを切々とおっしゃっておりました。そういう方も、無料だったらできるかもしれないんですね。
 かつ、これは、重要なのは、インターフェロン治療は五年も十年もやるものではなくて、半年か一年で、うまくいけばですけれども、C型肝炎ウイルスが除去できるケースがある。先ほど、ある同僚議員に聞いたら、自分のおじさんもC型肝炎ウイルスだったけれども、インターフェロン治療でもうウイルスがなくなったと。それと、きょうお配りしております資料の中でも、読売新聞の記者の方が、十七ページ「治療で消えた肝炎ウイルス」、インターフェロンとリバビリンを併用したら肝炎ウイルスが消えたということを解説部の左山政樹さんが実名入りで書いておられるわけですよ。ですから、大臣、こういう情報が出れば出るほど、できるならば受けたい、あるいは、できるならば我が子に受けさせたいとだれもが思うのが当然だと思うんです。
 そこで、お伺いしますが、こういうふうにもし二百億投じて五万人の方のために無料化したら、無料になったらこれぐらい利用者が、今までインターフェロン治療をされていなかった方がこれぐらい新たにされるんじゃないか、あるいは、一年間やったら、二年目は半分ぐらいの人が治って、もうその方々は治療をしなくて済むので、減る部分もあると思うんですね。そういう、二年目はどうなりそうかという試算というのはございますでしょうか。

○柳澤国務大臣 先ほどの試算、二百億円というのは、現在治療を行っている患者さんを推計して五万人と仮定いたしたわけでございます。それをもっと、無料にしたら一体どうなるか。
 こういう言い方が適切かどうかわかりませんが、今自分が肝炎に感染しているということを知りながら治療の方にまだ出かけていない、それから、まだ全然自分が感染しているということを知らないというような方々が、無料にするということでどんな治療のところまで出てくるのか、この推計いかん、こういうお話でございますけれども、これは、私ども、全く仮定の話であるというようなこともございまして、また、推計が実際上難しいということもございまして、今の先生の御質問に対しては、これは全く不明であるというのが私どもの今の持っている情報だと申し上げます。

○山井委員 もちろん、これはちょっとやそっとのことで推計はできないと思います。
 しかし、大臣、わかっていただきたいのは、本当にこれによって救える命があるということなんですね。もし、この政策によって一人の人がインターフェロン治療で完治した、これはすごいことですよ。二十代で発症してそのままで亡くなられたら、本当に本人、御家族にとってどれほどつらいことか。ちょっとの助成で、もし四十万円で一人の命が救えたとしたら、ある意味で、安い高いということは私はもちろん言いたくはないですけれども、価値のある政策だというふうに私は思うんです。
 そこで、人工透析とかいろいろなほかの施策もありますが、無理を承知でお願いしたいんですけれども、なかなかこんな推計できない、するのは難しいとは思います。でも、やはり本当に肝炎対策は何とかせねばならないんです。ばたばたと肝硬変になって、肝がんになって、亡くなっていっておられるんですよ。その方々は百万、二百万、三百万とふえていくかもしれない。
 その中で、ぜひこの推計の検討を、一度ちょっとぜひともやっていただきたいと思うんですが、大臣、いかがでしょうか。

○柳澤国務大臣 これは、山井委員からどうしても推計しろというお話であれば、それはもう、推計は役所は何とか、私は形を整えるかと思うんですけれども、そういうようなことがその後のいろいろな施策に結びつくようなものであるかどうかということについては、私は極めておぼつかない気持ちがいたします。

○山井委員 大臣も当然、軽々な答弁というのはできないと思います。しかしこれは、司法に任せっきりではこの問題は解決はできない、三百万人の問題はできないというのが明らかなんですね。今こそ、これは政治の出番なんですよ。これはやはり、政治家がこのことに対して手をこまねいていることはできない、何らかの政策をやらざるを得ない、肝炎患者の方を見殺しにすることはできないんですよ。
 かつ、もしかしたら何割、何割というか幾らかの人たちは、やはり国の過失があったかもしれないけれども、カルテもない、いろいろなものもないということで裁判もできない。ほとんどの方は匿名でやっておられるんですよ、家族に迷惑がかかるとか、いろいろな差別を受ける、偏見があるということで。それを、勇気を持って福田衣里子さんが今実名で裁判をされているというのは、こういうことで話題がふえて、自分も肝炎になっているということに一人でも多くの同世代の人たちが気づいてくださったら、もしかしたら自分が人の役にも立てるかもしれない、そういう思いでやっておられるわけであります。
 それで、今二百億円という話がございました。これも仮定の仮定の話で非常に失礼かとは思いますが、例えば五年間の時限立法をする、肝炎対策緊急措置法を五年間、二百億掛ける五で一千億、短期的、集中的、予防的にこのお金をかけることによって、恐らく肝がんになる人はかなり減るでしょう、肝硬変になる人は減るでしょう。
 そのことによって、もしこの一千億というものを通じてそういう肝炎対策というものを時限的にやったら、先ほどの熊田教授の試算ではありませんが、どれぐらいトータルの費用が、その一千億を投じなくて肝がんになる人がふえてトータルの医療費がかかるのか、あるいは、それによってどれぐらいの方がC型肝炎ウイルスが除去される可能性があるのか、こういう試算も、柳澤大臣、もちろんその後実行できるかどうかというのは、それはそんなことを簡単に、正直言って言えないと思いますが、まずこれは試算してみて、これぐらいの額だったらどうだろうかというのは、まさに超党派で政治家が優先順位をつけて判断する問題だと思うんです。そのベースを提供するのが厚生労働省ではないかと思うんです。
 そういう一千億を五年間かけてやってみた場合、どういう効果、費用対効果を含めて、費用対効果という言葉はよくありませんが、費用、効果、いろいろなことの試算、これも何とか、粗いもので結構なんですが、一度やっていただきたいと思いますが、大臣、いかがでしょうか。

○柳澤国務大臣 先ほど来のいろいろな仮定計算による推計、これをぜひしろ、こういう仰せでございまして、これをいろいろとくだくだしい理屈をこねて申し上げる気持ちもないわけでありますけれども、この肝炎の治療というか、そういうものが非常にタイミングをとって行われるということが必要だ、こういうこともお聞きしておりますので、そういう意味で、そのウイルスを持っていらっしゃる方については推計できるにしても、そういう場合に、一体、治療の適期というかそういうものに当たる方がどのくらいいるのかというようなことについては、ますますやみくもの話になってしまうということがございます。
 しかし今後、いろいろな訴訟も進んでいくでしょうし、また、いろいろなところでの御議論もありますので、私どもとしてもその御議論に耳を傾けてはいきたい、このように申し上げたいと思います。

○山井委員 ぜひ、そういう試算というものをやっていっていただきたいと思います。
 例えば、きょうお配りした資料の中にも、十三ページの毎日新聞の社説、「肝炎訴訟 救済は裁判外にも広げて」、そして十四ページ、産経の主張、「肝炎対策 争うより患者救済が大切」、十五ページ、産経、「B型肝炎訴訟 国は早急に支援策提示を」、これは言い出したら切りがないですけれども、ここ数年の記事全部、私も読みましたが、すべて、裁判は裁判で、もちろんこれは争いになるけれども、それはそれとして、政治の力でやはり早急に肝炎対策をやってほしいという意見ばかりなんですよ。それで、ここにも書いてありますように、「全面解決急いで」「患者に時間ない」ということをこの十六ページにも書いておられます。
 そこで、一通、お一人、東京訴訟の原告十三番、匿名で争われた五十七歳の方が、フィブリノゲンを一九八四年に出産時の出血で投与されて、それから十六年後に肝硬変から、肝がんになって亡くなられた、この方が最後、ビデオを家族が撮られて、その御家族の方が、肝炎の今後の施策のためにということで公開をされています。
 この五十七歳の女性の方の最期の言葉を読み上げさせていただきたいと思います。
  私は二十年間、どこに相談の窓口があるか分からず、苦しみ、闘ってきました。しかも、医療従事者の方からの、差別扱いに戸惑い、悲しみ闘ってきました。ようやく、闘いの窓口にたどりつきました。が、もう体がついていきません。どうか裁判を早く終わらせてください。そして製薬会社の人たちも、自分達のしてきたことを認めてください。国は争うことなく現実を見つめ、人の健康と命の重さを認めてください。私はとにかく元気になりたいんです。そして、この問題を各ひとりひとりが、自分の問題として受けとめて下さい。
  わたしは、こんなふうになりたくなかった。平凡でもいいから走り回り、みんなで…、楽しく、笑い転げながら、これからも生活をしていきたかった。
  いま、とても苦しいです。息が続きません。
このビデオ撮影をされてから二週間後に、二〇〇三年六月十二日、最後に三人のお子さんの名前を呼んで、裁判の結果を待つことなく亡くなられたわけですよ。これからもこの悲劇は続くわけです。
 カルテが残っているとか、相当、あるいはその病状が悪化している人はもちろん訴訟なんか闘えない、そういう本当に待ったなしで、きょうも一日、きょうもまた一日と、三百万人もの方々が、いつ発症するのか、インターフェロン治療もつらい、でも、つらいけれども、それをしなかったらますます治らない。
 実名を公表された第一号の山口美智子さんの息子さんは、次男を産んだときにフィブリノゲンで感染をされたわけですが、その次男さんは、ほかの人から、おまえが生まれなかったらお母さんは病気になっていなかったんだとまで言われているわけですよ。全く罪はないじゃないですか。
 これは、もちろん司法は司法です。でも、何のために国会があるのか、何のために委員会があるのか、何のために国会議員が議論をするのか、それは突き詰めれば、救えるはずの命を救うために私たちは政治家をやっているんだと思っております。司法の解決まで待てないんです。
 柳澤大臣、どうかやはりここは政治的な決断で、医療費の助成を含めた、すぐに医療費の助成をしろとはもちろん言えませんが、含めたそういう肝炎対策をやはり早急に、待てない患者さんのために、国の過失は横に置いておいて取り組んでいただきたいと思うんですが、柳澤大臣の御決意をお聞きしたいと思います。

○柳澤国務大臣 山井委員が、本当に感にたえない、そういう御様子で切々と訴えられるこのお気持ちについては、私も本当にこの気持ちは酌み取らなきゃいけない、こういう気持ちで聞いております。
 ただ、私も行政の責任者でして、行政というのはやはりどこから見ても、先ほど来申しておりますように、合理的で公平でということを心がけて制度を構築していくということでございますので、今ここでにわかに肯定的なお答えをする用意は率直に言ってございません。
 ただ、この問題については、なおいろいろな御議論を、私としては注意を払って、部内でもいろいろと問題を投げかけ合って、何とか、何か一歩でも半歩でも前進することがあり得るのかどうか、これは、今まで、現在のところ、私もなかなか難しいという感を持ってこの場に臨んでおるわけですけれども、なおそういった方向での私なりの努力は、先生のそういうお訴えにも照らして、私としてしていかなければならない、このように感じております。

○山井委員 もう時間になりましたので終わらせていただきますが、これは本当に待ったなしの問題でありまして、司法に任せていると、もう患者の方が次々と亡くなっていかれる、そういう緊急の事態であります。ぜひとも行政のトップであると同時に政治家である柳澤大臣の御判断で、一歩でも二歩でも、石田副大臣も来ていただいておりますし、公明党も非常にこのことには坂口元大臣もお力を入れてくださったわけですけれども、ぜひとも党派を超えて、やはり政治家が、ここは救える命を救うんだという思いでこの肝炎対策に取り組んでいかねばならないと思っております。どうかよろしくお願いします。
 ありがとうございました。

Posted at 2006年11月08日 12:00 | TrackBack
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