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2004年11月

 メルマガ605号(2004/11/25)より抜粋編集

 ここ10数年、私は福祉にかかわってきた。その中で、自らの反省も込めて言うならば、日本人の大きな問題点は、高齢者福祉は自分や家族の問題として比較的熱心に考えるが、障害者福祉は他人事としか考えない。
 この障害者差別とも言えるギャップを何とかしたい。
 日本の障害者福祉は、高齢者福祉よりも10年、20年遅れている。
 一例をあげるなら、東京の障害児が、施設がないからという理由で、北海道の施設に入所しているケースもある。21世紀にこんなことが許されていいのか!

 介護保険の被保険者・受給者を拡大することによって、若者も介護保険料を支払う代わりに、ゼロ歳の障害児からお年寄りまで全年齢が介護サービスを介護保険によって、利用できるようにする。
 ホームヘルパーさんも可能であれば、お年寄りのみならず、障害者・児のホームヘルプを行う。地域のそこらじゅうに増えた介護保険の事業所が、お年寄りのサービスのみならず、障害者・児のサービスも行うようにする。

 このような夢が実現すれば、お年寄りのみならず、障害者も住み慣れた地域に暮らせる社会が実現できる。

 道のりはまだまだ長い。
 「障害者福祉に力を入れても、票にはならんからなあ・・」。
 今日議論した多くの議員から言われた言葉である。
 しかし、助け合いにより、共生の社会をつくる。その夢に向かって、邁進したい。

 なお、11月24日。無事、衆議院内閣委員会で発達障害者支援法案が可決された。ほっと一息。
 しかし、自閉症児や学習障害児が暮らしやすい社会をつくるためには、まだまだ第一歩に過ぎない。

 仙谷政調会長は、「山井は、『シングルイシュー突撃型』だからなあ」と笑っておられた。なるほど。オールラウンドでなく、特定の福祉関係の法案だけに熱くなる、という意味であろう。ともかく、頑張りたい。

Posted at 2004年11月30日 固有リンク | TrackBack

2004年11月

2004年11月

11月25日 医療・社会保障を国民の手に取り戻す連続フォーラムで特別発言します

今、介護保険はどうなっているか

-改めて国民の立場から制度改革を提言する

◎日時:11月25日(木) 午後2時~4時30分
◎場所:京都新聞文化ホール(中京区烏丸通夷川上ル 京都新聞社7階)
     ※地下鉄「丸太町」駅 7番出口よりエレベーターあがる

◎主な内容

  1. 介護保険制度改革を通じて進められようとしている「社会保障制度の一体的改革」について、その目的・中身・問題点について明らかにする
  2. 介護保険制度のあるべき改革方向について明らかにする
  3. 京都府保険医協会の改善提言

  4.   問題提起 伊藤周平 鹿児島大学教授
      特別発言 山井和則 衆議院議員

    主催 京都府保険医協会 京都府歯科保険医協会 京都社会保障推進協議会
    後援 京都新聞社 KBS京都 NHK京都放送局

    ※国会日程のため、山井はVIDEOで参加しました(11/26追記)。

    Posted at 2004年11月24日 固有リンク | TrackBack

2004年11月

2004年11月

介護保険制度について

「介護保険制度に関する質問主意書」について、国から答弁書が返ってきましたので掲載致します。

介護保険制度に関する質問主意書(平成16年10月21日)

 介護保険法施行より四年がたち、国は現在五年目の見直し作業をしているところである。平成16年7月30日に出された社会保障審議会介護保険部会から出された「介護保険制度の見直しに関する意見」には様々な観点から、被保険者の拡大や給付の見直しなどの案が示されているが、以前より多くの介護サービス利用者や介護職員より寄せられた疑問点や意見を解決するものとして十分なものとは言えない。そこで、以下のとおり質問する。

一、平成16年10月15日付けの朝日新聞によれば、大阪府が昨年行った高齢者虐待の調査で「虐待されて生命にかかわる危険な状態」と認識していた29人の中で、その後も虐待が継続され8人が死亡していた。昨年国が行った「家庭内おける高齢者虐待に関する調査」では約200名ほどが「生命に関わる危険な状態」と認識されていたが、その後の状況は把握しているか。

二、平成13年度より身体拘束ゼロ作戦として全国的な取り組みを続けているが、介護保険施設での身体拘束の全国的な実態調査をこれまでにしたのかどうか。また、身体拘束の状況はどうなっているのかお示し頂きたい。

三、介護保険施設で身体拘束ゼロを推進するためには、要介護度に応じた人員配置が必要であると考えるがいかがか。

四、介護サービス事業者が「身体拘束ゼロ作戦」を実施している旨の広告をすることは問題ないか。

五、日本労働組合総連合会が平成16年に行った「介護保険三施設調査」結果によれば、過去一年間に「身体拘束」を行ったと答えた職員は半数以上にも上り、「拘束した方が安全」「手が足りない」という理由が多かったが、この結果についてどう考えるか。

六、介護保険施設において、緊急かつやむを得ず身体拘束を行う場合、その態様及び時間、その際の入居者の心身の状況並びに緊急かつやむを得ない理由を記録することが義務づけられているが、五のように依然として身体拘束が存在することから、身体拘束の件数・態様等を一般に情報公開することを新たに義務づけすることはいかがか。

七、要介護度4、5の利用者しかいない介護施設において、3対1の人員配置基準通りで身体拘束することなしに介護することは可能か。

八、国はユニットケアを推進しているが、ユニットケアを行うためには入居者一人に対して、どれくらいの人員配置が必要なのかお示し頂きたい。

九、従来型の特別養護老人ホームと個室ユニット型の特別養護老人ホームが同じ3対1の人員配置基準で運営される根拠は何かお示し頂きたい。

十、介護現場の離職率は高く、非常勤職員の比率が高くなってきているが、質の高いケアの実施やケアの継続性を考えた場合、一定の常勤職員を配置させることが必要と考えるがいかがか。

十一、痴呆ケアの切り札として介護保険施設ではユニットケアが行われているが、精神病院に入院している痴呆性高齢者も同様の痴呆ケアを受ける必要があると思われるがいかがか。

十二、平成16年8月6日の日本経済新聞によれば、神奈川県と東京都の介護療養型医療施設の月間利用料が7万円から22万円までの開きがあり、フェイスタオルやおしぼり、シャンプーなどの日用品費として月に85000円も徴収している施設があるとしているが、これは事実か、またこのような利用料の価格差や高額の日用品費を徴収することを妥当と考えるか。

十三、平成16年9月14日の全国介護保険担当課長会議資料の中で、「東京都23区内の福祉用具レンタル価格の格差(1月)」として「ベッド」・TAISコード「00170-000027」の価格が最低2000円から最高28000円と14倍の価格差があるが、このことについてどう考えるか、又国が一定の価格の上限を示す必要があると考えるがいかがか。 
右質問する。

 内閣からの答弁書(平成16年10月29日)
一について
 財団法人医療経済研究・社会保険福祉協会において、厚生労働省から補助金を受け、平成十五年十一月から平成十六年二月にかけて、「家庭内における高齢者虐待に関する調査」を実施しているが、当該調査は、プライバシーに関する事項もできるだけ正確に把握するため、住所、氏名等の調査回答者及び調査対象者を特定できる情報について記載を求めていないため、調査対象者のその後の状況の把握はできないものと承知している。
二について
 介護保険法(平成九年法律第百二十三号。以下「法」という。)第七条第十九項に規定する介護保険施設(以下「介護保険施設」という。)における身体拘束の状況については、厚生労働省において全国的な調査を行ったことはないが、複数年にわたり調査を行った宮城県、神奈川県、愛知県及び愛媛県の調査結果によれば、いずれの県においても、回答があった介護保険施設等のうち、緊急やむを得ない場合を含め、身体拘束を行っていた施設の割合は、減少傾向にあると承知している。
三について
 介護保険施設において身体拘束を行わずに介護が行えるようにするためには、身体拘束を行った原因を把握し、当該原因を除去するために、施設職員の意識や介護の方法を改め、施設環境を整備することが重要であり、人員配置を手厚くすることによって直ちに身体拘束がなくなるわけではないと考えている。
四について
 法第四十一条第一項に規定する指定居宅サービス事業者及び介護保険施設のうち、病院又は診療所であるものを除いては、御指摘の「身体拘束ゼロ作戦」を実施している等の身体拘束をなくすよう努力している旨の広告を行ったとしても、その内容が虚偽又は誇大でない限り、特段の問題はないと考えている。
五について
 介護保険施設における身体拘束の状況は、御指摘の調査の結果のみでは必ずしも明らかではないが、介護保険施設において、当該入所者又は他の入所者等の生命又は身体を保護するため緊急やむを得ない場合ではなく、単に御指摘の「拘束した方が安全」又は「手が足りない」といった理由で身体拘束が行われている場合は、指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準(平成十一年厚生省令第三十九号。以下「指定基準」という。)第十一条第四項、介護老人保健施設の人員、施設及び設備並びに運営に関する基準(平成十一年厚生省令第四十号)第十三条第四項及び指定介護療養型医療施設の人員、設備及び運営に関する基準(平成十一年厚生省令第四十一号)第十四条第四項の規定に違反するものであり、当該身体拘束は許されるものではないと考えている。
六について
 介護保険施設において、当該入所者又は他の入所者等の生命又は身体を保護するため緊急やむを得ない場合に行われる身体拘束その他入所者の行動を制限する行為についての様態及び時間、その際の入所者の心身の状況並びに緊急やむを得ない理由に関する記録に基づき、当該施設における身体拘束の状況について、当該入所者のプライバシーが確保されることを前提とした上で、どのような情報開示が可能か、今後検討してまいりたい。
七について
 三についてで述べたとおり、介護保険施設において身体拘束を行わずに介護が行えるようにするためには、身体拘束を行った原因を把握し、当該原因を除去するために、施設職員の意識や介護の方法を改め、施設環境を整備することが重要であり、御指摘のような入所者の状況及び人員配置の場合であっても、身体拘束を行わずに介護を行うことは十分可能であると考えている。
八について
 特別養護老人ホームの設備及び運営に関する基準(平成十一年厚生省令第四十六号。以下「施設基準」という。)及び指定基準において、小規模生活単位型指定介護老人福祉施設における介護職員及び看護職員の総数は、常勤換算方法で入所者の数が三又はその端数を増すごとに一以上とすることとしている。
九について
 施設基準及び指定基準は、施設の状況が様々であることを踏まえつつ、最低限必要な人員配置を定めるものであるので御指摘のような人員配置基準となっている。なお、小規模生活単位型指定介護老人福祉施設については、小規模生活単位型ではない指定介護老人福祉施設よりも高い介護報酬を設定しているところである。
十について
 指定基準において、指定介護老人福祉施設は、常勤の生活相談員を入所者数に応じて置くとともに、常勤の看護職員を一人以上置くこととし、また、指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準(平成十一年厚生省令第三十七号)において、指定訪問介護事業者は、常勤の介護職員を事業の規模に応じて一人以上置くこととしており、現行でも一定の常勤職員を配置することとしている。なお、介護保険のサービスの質を確保するため、介護サービスを支える人材全体の資質向上について取り組んでまいりたい。
十一について
 痴呆性高齢者を含めた痴呆疾患患者については、患者の病態に応じて適切に治療や介護を提供することができる体制を確立することが重要であると考えており、介護保険施設と精神病院では施設の性格が異なることから、精神病院において直ちに小規模生活単位型の介護を導入することは困難であると考えるが、現在行っている精神保健福祉施策の見直しの中で、精神病院における痴呆疾患患者に対する適切な治療や介護の在り方についても検討してまいりたい。
十二について
 御指摘の事実については承知しておらず、お尋ねについてはお答えできないが、指定介護療養型医療施設が日常生活において通常必要となるものに係る費用であって、入院患者に負担させることが適当と認められるもの(以下「日常生活費」という。)の支払を受ける場合の取扱いについては、「通所介護等における日常生活に要する費用の取扱いについて」(平成十二年三月三十日付け老企第五十四号厚生省老人保健福祉局企画課長通知。以下「通知」という。)において、日常生活費に係るサービスは、入院患者又はその家族の自由な選択に基づいて行われるものでなければならず、日常生活費の受領は実費相当額の範囲内で行われるべきものであること、また、一般的に要介護者等の日常生活に最低限必要と考えられる物品(例えば、歯ブラシや化粧品等の個人用の日用品等)をすべての入院患者に対して一律に提供し、すべての入院患者からその費用を画一的に徴収することは、入院患者の希望を確認した上で提供されるサービスには該当しないと解されるため、日常生活費として徴収することは、認められない旨を通知しているところである。
十三について
 平成十六年九月十四日の全国介護保険担当課長会議の資料で示した「東京都二十三区内の福祉用具のレンタル価格の格差」のうちの「ベッド」・TAISコード「00170ー000027」の一月のレンタル価格については、最高額が二万八千円であり、最低額が二千円であり、倍率は十四倍となっているところである。しかし、レンタル価格毎の件数の構成比については、一万円から一万五千円未満までの範囲のものが全体の八十七パーセントを占めており、大部分の事例はこの範囲に該当しており、この二万八千円の価格だけが全体の価格と比較して特に高い価格となっている。福祉用具のレンタル価格は、同一品目の福祉用具であっても、新品と一定期間使用されたものとではレンタル価格が異なること、指定福祉用具貸与事業所の事業規模等により管理費用及び流通費用が異なること等により、レンタル価格に一定の差が生じることはやむを得ないと考えている。
 福祉用具のレンタル価格の上限を設定することについては、実勢のレンタル価格が上限価格から下がりにくくなることによって価格が硬直化するおそれがあること、個別に価格を設定する場合は、機能、材質等に着目しつつ、市場の実勢価格を把握した上で多くの単価を設定しなければならず、複雑な仕組みになること、いくつかの機能別にまとめて一律に公定価格を設定する場合は、利用者の状態に応じた個別の機能の評価が不十分になるおそれがあること等から、現行の実際の貸与価格を用いた保険給付が適当であると考えている。

Posted at 2004年11月12日 固有リンク | TrackBack

介護現場における医療的生活援助行為について

今年8月に「医療的生活援助行為に関する質問主意書」を提出しましたが、10月に再度内容を変えて提出し、その答弁書が国から返ってきましたので掲載致します。

医療的生活援助行為に関する質問主意書(平成16年10月21日提出)

 平成16年8月4日提出の衆質160第39号(以下「前回質問」という。)に対する平成16年8月11日受領の答弁第39号(以下「前回答弁」という。)について、不明な点が多く、また新たな疑問がある。そこで、以下のとおり再度質問する。

一、「爪切り」「軟膏等塗布」「点眼」「服薬管理」「血圧測定」「口腔内かき出し」「褥瘡の処置」「摘便」「浣腸」「坐薬挿入」「吸引器による痰の吸引」「経管栄養の準備・実施」「インシュリン注射」「湿布貼布」「狭心症治療薬貼布」「在宅酸素吸入・管理」「導尿」「カテーテル管理」等の医療行為について医療・看護職員と連携をとりながら介護職員は行ってよいかという前回質問二に対し、「医師法(昭和23年法律第201号)第十七条は医師でない者が医業をなすことを禁止しているが、ここにいう「医業」とは、医師の医学的判断及び技術をもってするのでなければ人体に危害を及ぼし、又は危害を及ぼすおそれのある「医行為」を反復継続する意思をもって行うことであると解しているところであり、お尋ねの行為が業として行われる「医行為」である場合には、例外的な場合を除き、介護職員は医師等と連携をとる場合であっても当該行為を行うことは許されていないものと考えている。」という答弁であったが、例外的な場合とは何か、又何をもって例外的な場合というのか、誰が判断するのか具体的にお示し頂きたい。

二、一で例外的な場合を医師が判断するならば、その医師の指示のもとで介護職員が医療行為を行うことは可能か。

三、前回答弁七では、特別養護老人ホームにおいて、痰の吸引が必要な利用者は約1万人程度存在する。現行の人員配置基準では看護職員が24時間対応できず、多くの施設では夜間看護職員がいないが、その間、どう対応しているのか。

四、日本労働組合総連合会が平成16年に行った「介護保険三施設調査」結果によれば、「爪切り」「外用薬の塗布」「血圧測定」「点眼」「座薬」「口腔内のかき出し」「痰の吸引」の医療行為を半数以上の介護職員が行っているが、この結果に対してどう考えるのか。

五、准看護師は看護師の指示を受けて診療の補助行為を行っているが、准看護師の養成課程で「痰の吸引」のスキルを習得するために何時間の講義及び実習を行っているのか。

六、非医療従事者が自動血圧測定装置を使用して「血圧測定」を行うことについて、「自動血圧測定装置を使用した血圧測定については、比較的正確な測定値を容易に得ることが可能となっており、こうした機器を利用して血圧を測定する行為自体は、非医療従事者でも行うことが可能である。ただし、自動血圧測定装置を使用して得られた血圧値を基に、診断を行うことは「医行為」に該当し、これを業として行う場合は医師による必要があるものと考えている。」との答弁があったが、血圧測定以外でも同様に身体に対する危険性が低い機器を介護職員が利用することは可能と考えられるか。

七、盲・聾・養護学校において医療のニーズの高い児童に対して、「痰の吸引」等の医療行為を教員が行う方向であるが、四のような状況の中で、同様の行為を介護職員が行えるような条件づくりを急ぐ必要があると思われるがいかがか。
右質問する。

内閣からの答弁書(平成16年10月29日)
一について
 介護職員が業として「医行為」を行う場合が先の答弁書(平成16年8月11日)二についてにおける「例外的な場合」(以下単に「例外的な場合」という。)に該当するか否かについては、個々の事例に即して判断されるべきものであり、例外的な場合を包括的にお示しすることは困難であるが、例えば在宅筋萎縮性側索硬化症患者の喀痰吸引については、「ALS患者の在宅療養の支援について」(平成15年7月17日付け医政局長通知)で示した一定の場合には、当面のやむを得ない措置として許容されるものと考えている。このようにどのような場合が例外的な場合に該当するかについては、一義的には、厚生労働省が判断するものと考えている。
二について
 ある行為が「医行為」に該当するものである限り、どのような場合が例外的な場合に該当するかを医師が判断することはできないものと考えている。
三について
夜間に定期的に喀痰吸引の処置が必要な者が特別養護老人ホームに入所している場合の対応状況のすべてを把握しているわけではないが、特別養護老人ホームの入所者で喀痰吸引の処置を行う必要のある者の中でも、当該者が就寝する前に、排痰を促したり、喀痰吸引の処置を行ったりすることにより、夜間に喀痰吸引の処置を行う必要がない者も存在する。また、看護職員が臨時に夜勤体制を組む等の対応を行う施設もあると承知している。
四について
 御指摘の行為が「医行為」に該当するか否かは御指摘の調査のみでは不明であり、お尋ねについてお答えすることは困難である。
五について
 喀痰吸引の技術を習得するためには、単に吸引する行為に係る技術だけでなく、人体の解剖・生理、病態生理、感染予防、疾患別の患者の看護などについて、様々な知識を必要とする。
 准看護師学校養成所の教育内容については、保健師助産師看護師学校養成所指定規則において、科目ごとに満たすべき講義及び実習の時間数が規定されているが、このうち喀痰吸引の技術に関連する講義及び実習の時間数は別表のとおりであり、また、喀痰吸引の技術を習得するための具体的な教育内容については、それぞれの准看護師学校養成所が時間数及び方法を決定し、教育を実施しているものと承知している。
六について
 お尋ねの機器を利用する行為が「医行為」に該当するものでなければ、介護職員が業として行うことは可能である。
七について
 盲学校、聾学校及び養護学校における幼児、児童及び生徒に対する喀痰吸引、経管栄養及び導尿については、「盲・聾・養護学校におけるたんの吸引等の取扱いについて(協力依頼)」(平成16年10月20日付け医政局長通知)で示した一定の場合には、やむを得ない措置として許容されるものと考えているが、介護職員による同様の行為については、当該行為が行われる場所、状況等が異なることから直ちに同様に論じることはできないものと考えている。
 なお、介護職員が行うある行為が「医行為」に該当するか否かを包括的に明らかにすることは困難であるが、原則として「医行為」ではないと考えられる一定の行為の類型について明らかにすることができないか今後検討してまいりたい。

Posted at 2004年11月12日 固有リンク | TrackBack

厚生労働委員会議事録(育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律等の改正)

161-衆-厚生労働委員会-7号 平成16年11月12日
  育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律等の改正
◇介護休業は活用されているか
◇介護休業の三ヶ月は適切か
◇休業取得者の不利益取扱い
◇厚生労働省職員の介護休業取得状況

◇私のしごと館
◇痴呆予防
◇年金保険料率
◇精神病院の社会的入院
◇介護保険と支援費制度


○山井委員 四十五分間にわたりまして、尾辻大臣、そして衛藤副大臣に質問をさせていただきたいと思います。
 まず最初に、先日の質問で尾辻大臣にテレビ出演のことをお願いしましたところ、きっちり、出てくださるということで御返事をいただきまして、どうもありがとうございました。そのことを一つお礼を言いたいと思います。年金不信を解消するためにも、年金に対する信頼向上のためにも、説明責任をしっかりと果たしていただきたいと思っております。
 また、きょうの法案の介護休業と育児休業に関してですが、私自身、政治の世界に入った一つの理由がこの介護問題でありまして、議員になる前は大学で老人福祉を学生さんたちに教えておりまして、アメリカの老人ホーム、イギリスの老人ホーム、世界各国の老人ホームを、一カ月単位で泊まり込んでボランティアをさせてもらったりして、回っておりました。
 そういう中で、きょうは、育児休業のことは、さまざま、たくさん質問が出ておりますが、介護休業に絞って私は質問をさせていただきたいと思います。

 まず、きょう資料をお配りしておりますが、ちょっと見ていただければと思います。まず一問目、尾辻大臣に質問をさせていただきます。
 根本的な質問であるわけですが、資料の二枚目を見ていただきたいんですけれども、女性の離職理由というところで、年間、介護が一・一%、離職者数が三百四十一万人ですから、これを見ると、三万七千人ぐらいの方が介護を理由に離職されているかなというふうに統計からは読み取れるわけです。三万七千人ぐらいですね、一・一%ですから。それで、次のページの介護給付の支給状況を見ると、平成十五年度、四千六百六十八人。三万七千人がやめて、ところが、介護休業をとっている人は四千六百六十八人しかいないということなんですね。要は、介護休業をとってかとらずかわかりませんが、やめた人が七倍ぐらいいらっしゃるということなんです。
 何を言いたいかというと、率直に申し上げますが、介護休業というのがまだまだ十分役に立っていないんじゃないか。介護休業制度はあるけれども、やはり介護が原因でやめる人がまだまだ非常に多いなというふうに思っております。
 そういう意味で、こういう制度があるにもかかわらず、介護休業をとることなくやめていっている人が大多数であるというこの現実に対して、尾辻大臣、なぜなのか、どうしたらいいと思われますでしょうか。よろしくお願いいたします。

○尾辻国務大臣 いろいろな数字をお示しになりまして、お示しされた数字を見て、ああそういう視点があるなと思いました。
 ただ、私が私なりにこの数字を見て、まず最初に非常に気になりましたのは離職理由の割合なんですけれども、その中で介護を理由にやめた人が一・一%という、この数字が、こんなに少ないのかなということで、ちょっと気になったというか、そんなものなのかなと思ったわけでございます。
 そこのところをちょっと注目して私はこの数字を見ていたものですから、今直ちに、先生のお示しいただいたような視点での数字を見ておりませんでしたから、ちょっと答えがずれるかもしれませんが、ただ、一言申し上げますと、やはり介護休業という仕組みをよく御存じないところがあるのかな、周知が足らないのかな、こういうふうに思います。基本的にそう思います。

○山井委員 周知が足らないというのもあるかもしれませんが、まだまだ使い勝手が悪い、あるいは非常に不十分なのではないかという面も強いのではないかと思います。
 そこで、衛藤副大臣にお伺いしますが、これは九十三日、三カ月ということですけれども、この三カ月、どういう趣旨で、どういうための三カ月なのかということをお答えください。

○衛藤副大臣 家族に介護が必要な場合が起こってきます。そのときに、まずこの介護休業制度によって介護休暇が取れる、そしてそういう中で緊急的な対応ができる。
 それから、しばらくしていく中で、また最終的に、その時点でどういうぐあいに介護をやったらいいかという方針がすぐ決まらない場合、私も両親にそういうことがありましたので、状況が落ちつくまですぐにやはり決まらない、そういう中で、長期的な方針を決めるまでの期間もかかるということで、三カ月程度でどうだろうかということで九十三日ということにしたのが、この制度でございます。

○山井委員 一つ、今のキーポイントは、要は、介護の休業といいながら、答弁を聞いていると、介護の方針を立てるのに三カ月かかるということなんですよね。そういう意味では、ここが私は、最初尾辻大臣に質問した、そもそもこの介護休業の利用を十分にされていない根本的な問題があるんではないかと思っております。
 それで、例えば、きょうお配りした資料の中で、「諸外国における介護休業制度」というのをお配りしておりますけれども、その中でも、アメリカは一年に十二週間、一年に四カ月、ということは毎年四カ月、もちろん事情に応じてですけれども、その前に、直近十二カ月間に千二百五十時間以上労働している労働者とか、そういう条件つきはありますけれども、こういうことをやっているわけです。また、フランスなんかも四カ月ですけれども、更新して一年まで、フランスとかもこういう1と2というケースになっているわけなんですね。
 そういう意味では、この期間に関して、衛藤副大臣、やはり三カ月というのは短過ぎるのではないかというふうに私は思うわけです。
 例えば、第二十五回労働政策審議会雇用均等分科会の発言を聞いておりましても、労働側の委員さんからこういう声が出ております。
 要は、UIゼンセン同盟が調査したところ、UIゼンセン同盟としては方針としては一年を掲げておりますが、それでも全部の組合がそういうことができているわけではありません、三カ月までというところが五七%、三カ月以上のところが四〇%ということで、組合としては労働協約で三カ月の法定以上という契約をしているところがかなり多いという実態があります、利用者もかなりふえつつありますので、実際に家族の介護が発生した人の状況を聞きますと、やはり三カ月では短いということで、ぜひ長くしてほしいという声がかなりたくさん寄せられておりますと。それとまた、結局、この調査結果を見ても、一年間とられた方が一七・七%で、非常に多いということなんですね。
 だから、そういう意味では、この三カ月というのは短いというふうに思うんですが、衛藤副大臣、いかがでしょうか。

○衛藤副大臣 正直なところ、企業の理解も得なければならないというふうに思っております。
 そういう中で、日本の場合は、世界に先駆けてというか、ドイツの方が先に導入されておりましたけれども、介護保険制度の導入という形で、全面的に介護について国を挙げてバックアップをするという体制を今とり、また充実しようとしているところでございます。そういう意味では、介護そのもののためにということになってくると、ちょっとやはり、非常に実質的にはもう厳しいというのが正直なところだと思います。
 それで、長期的な方針を決める、それから緊急的な対応措置としていうことで、九十三日というぐあいに上限をさせていただいたので、諸外国と比べてもそう遜色があるわけではないというぐあいに認識をしているところでございます。
 以上です。

○山井委員 ちょっと何か自信なげな答弁であります。だから、そういう意味では、今の答弁でも、介護そのものに関しては余り十分なプラスにはまだまだなり得ていない、そういうふうなことを認められたのではないかなと思います。
 それで、このことに関してどんな相談が来ているかということなんですけれども、都道府県の労働局に平成十五年どんな相談が来ているかというと、介護関係の不利益取り扱いに関する事案に関しては五十六件来ているわけですね。労働者側からは十九件、雇用者側からが三十七件。介護休業を申請しても首にならないかどうかとか、あるいは雇用者側からは、こんなことを認めないとだめなのかとか、そういう不利益取り扱いに関する事案が五十六件。
 それで、例えばどんなのがあったんですかということで聞いてみたら、二人事例を聞きました。一、介護休業取得後の配置転換、女性。相談内容、介護休業を取得して復職したが、片道四時間かかる事業所に配転されそうであるということなんですね。片道四時間というと、往復すると八時間ということで、やめろと言わんばかりであります。それと、もう一つは、介護休業取得による賞与の取り扱い、女性。相談内容、三カ月の介護休業を取得しているが、会社から賞与は支給しないと言われたということなんですね。やはりこういうふうな苦情がたくさん来ているわけです。
 それで、今、担当課の方に、この相談が来て、この後どうなったんですかと聞いたら、匿名の電話であって、その後連絡はもう来ていない、だからどうなったのかがわからないということなんですね。
 それで、私、ここで衛藤副大臣にお願いしたいと思いますのは、今回も、この法案の審議の中で何が問題なのかということを知るには、介護休業をとった人とか、介護休業をとらずにもうやめちゃった人の当事者の声を聞かないと、この制度がいいのかどうかというのが採点しようがないと思うんですね。ところが、そういう調査はあるんですかと聞くと、いや、調査はないというわけなんですよ。やはりこれは、こういう制度、せっかくつくられたんだから、きっちりとそういう声を聞かないと、政策評価しようがないと思うんですね。怠慢と言われても仕方ないと思います。
 そういう意味では、こういう介護休業をとった人、今後どうしていったら使い勝手がいいかとか、とるときにどういう苦労があったかとか、あるいはなぜとらなかったのかという調査を私はするべきだと思いますが、衛藤副大臣、いかがでしょうか。

○衛藤副大臣 今お話ございましたような不利益取り扱いに当たるようなことがあれば、本気でやはり是正措置を講じなければいけないと思っております。その後連絡がなかったということでございますけれども、何とか、ちゃんと、そのようなことが起こらないようにしなければいけないというふうに思っております。
 また、今お話ございましたように、介護休業取得者に対して調査をすべきではないのかというお話でございました。私どもも、そういう調査を、少しできるだけのところをやらせていただきたいというふうに思っております。
 ただ、仕事と介護を両立しやすくするための施策としては、私どもも、この介護休業制度の充実といった職場環境の整備というか、やはり事業主側の理解をちゃんと得る、皆さんにこのことをもっと知っていただく、それから、介護施設やサービスの充実等についてもっと心がけるというところをやらなければいけないというぐあいに、改めて感じているところでございます。
 先ほど大臣からもお話ございましたけれども、まだ周知徹底が足りないというぐあいに感じておりますので、そのことについて頑張ってまいりたいと思っております。

○山井委員 そこをもう一度ちょっと確認したいんですけれども、介護休業を取得した人に関して調査をやりたいという御答弁はありがたいんですけれども、それと、とらなくてやめた人、介護が原因で。それとも、なぜ使わなかったのか、なぜ使えなかったのか、これも非常に重要だと思うんですよね。そのことも調査をしていただきたいんですが、副大臣、いかがですか。これは通告でもしておりますので。

○衛藤副大臣 確かに今までそういう調査をしたことがございませんので、いきなりできるかどうかわかりませんけれども、そのようなニーズの把握について努めてまいります。
 今までは、そういう形でやめた方に対して後追いの調査ということを全然やっておりません、確かに。そのことについていきなりできるかどうかわかりませんけれども、できるだけそれを洗い出して、ニーズの把握に努めたいというふうに思っておるところでございます。

○山井委員 ニーズの把握と言わずに、ぜひともそのことも調査してもらって、せっかく制度があるわけですし、私の知り合いでも、残念ながら、介護休業をとらずにやめたという人が多いし、あるいは、とっても、とって悩んだ末にやめた、あと定年まで十年残してやめたら、その十日後に介護していたお母さんが亡くなってしまわれたというケースもやはりあるわけなんですよね。そうしたら、その方の残された十年間の生涯賃金はどうなるんだ、人生はどうなるんだというようなことも当然あるわけです。それで、きょうの議論でも出ておりますが、大抵こういう育児や介護の苦労というのは女性にかかっているわけですから、そこをぜひとも柔軟な制度にしていただきたいと思っております。
 それで、尾辻大臣に改めてこのことでお伺いしたいんですけれども、繰り返しますが、この介護休業制度の最大の問題点は、法文には、私が配った資料にも書いてありますように、どう書いてあるか。法文には、「労働者が、」「その要介護状態にある対象家族を介護するためにする休業」「介護するためにする休業」と書いてあるじゃないですか。
 にもかかわらず、先ほど衛藤副大臣の答弁を聞くと、いや、こう書いてあるけれども、実際は三カ月で方針を決めるんだ、急に脳梗塞で倒れたりしたら、病院の手配とか、退院してからどこのサービスを利用しよう、その方向性を決めるのが三カ月であると。厳密に言うと、介護のための休暇ではないんだという答弁なわけですよね。
 これはやはり、私は、本当に介護しながらも働き続けられるような、そういう介護休業というものに、今回の改正では無理ですけれども、今後、変えていくべきじゃないかと思うんです。大臣、そのあたり、根本的な問題ですけれども、いかがですか。

○尾辻国務大臣 改めて申し上げるまでもありませんが、私どもが介護保険をつくるときに思いましたことは、日本の介護というのは家族に頼り過ぎ、また、今お触れになりましたように、その中でも特に女性に負担がかかる、この負担を何とかしようということで、そして、社会全体で介護はやはり考えるべきだということで、介護保険をつくりました。その介護保険が存在しているということとこれをどうかみ合わすかという問題だと思います。
 したがって、この条文に「介護するため」とありますが、ここで介護するというのは、みずからが直接介護するという狭い意味じゃなくて、大きく介護の必要があるという、私はそういうふうに解釈をしておりまして、必ずしも先ほどの副大臣の答弁と矛盾するものではないと考えております。
 ですから、今私がお答えとして申し上げていることは、やはり、介護保険が存在しているということとこの問題をどう、いわば整合して考えてみるのかというこの議論だと思っております。いずれにしても、今後の議論だと思います。
 それから、やはり、率直に申し上げて、これは先ほど副大臣が申し上げましたけれども、事業主の負担というのも、これは現実の問題として避けて通れないことでありますから、そうしたことを、全体を見ながらの議論をしたい、こういうふうに考えます。

○山井委員 今の大臣の答弁は非常に苦しいな、無理があるなと私は思います。
 私の知り合いの女性の方でも、育児のときは何とか会社を両立して乗り切ったけれども、やはり親の介護になって、どうしても、仕事を続けたかったけれどもやめざるを得なかったという方も多いわけですね。そういう意味では、本当に人生にかかわる問題ですので、ぜひとも拡大の方向で検討していただきたいと思います。
 それで、衛藤副大臣にまたお伺いします。
 先ほど水島議員から育児休業についての質問がありましたが、厚生労働省についての介護休暇の取得状況、これを調べました。私の資料の一ページ目にあります。平成十四年度、男性六人、女性百四人なんですが、本省に限っては、男性一人、女性二人なんですね。
 尾辻大臣にこれをちょっとお伺いしたいんですが、責任者ですから、どう思われますか、これ。介護休業、本省のものです、特に本省。年間女性二人、男性一人。女性の方が一般的に厚生労働省は多いのは、国立病院とかそういうのも入っていますから多いんですけれども。それはちょっとおいておいて、本省のことです。介護休業をとっている人が、平成十四年度、女性二人、男性一人なんですよ。
 それで、私も聞いてみたんです、何人かの人に。そうしたら、仕事が忙しくて、介護休業なんかとったら周りの人に迷惑がかかるからそんなものとれない、こう言っているわけなんですね。
 これはやはり介護休業とか育児休業の大きな一つの壁かと思うんですけれども、このことに対する感想と、それこそ厚生労働省の職員の方々に、ぜひとも一言メッセージをちょっと言っていただきたいなと思います。

○尾辻国務大臣 仕事が忙しくてという話だというふうに言われました。恐らくそれが本音なんだろうなというふうに思います。
 また、この数字、私も改めて確認いたしましたから、省に戻っていろいろな話をよく聞いてみたい、こういうふうに思います。

○山井委員 何事もそうですけれども、ぜひともやはり厚生労働省が率先垂範していただきたい。前の時短のときも、坂口大臣、できるだけお父さんも子育てにタッチできるように早く帰らせるようにするとか、そういうこともおっしゃっておられましたので、ぜひともよろしくお願いしたいと思います。
 では、次に、ちょっとこの後十五分ぐらい、法案から外れるんですが、一つ雇用保険の関係で、私のしごと館という、関西学研都市にある、このことについて触れさせていただきたいと思います。
 資料に私のしごと館の内容が書いてありますが、これは、仕事の大切さを知ってもらうためにできた、大きな大きな施設であります。それで、このことについて、運営交付金が二十二億円、平成十五年度で来ているわけですね、この資料にありますように。運営交付金が二十二億円。ところが、入館料収入が四千八百万円なわけですね。ほとんどがこれは雇用保険からの運営交付金で賄われている。私も二度ほど行ったことはあります。
 それで、これを建設するために、用地費も含めて五百八十億円ぐらいかかっているわけですね。先ほど介護休業に関して、雇用主の方の理解も必要だということを衛藤副大臣もおっしゃっていましたけれども、これはまさに雇用主側の負担になっているわけなんです。
 私は何が言いたいかというと、五百八十億円をかけてつくって、それで毎年入館料の収入が少なくて、運営交付金で二十億円、今年度は十五億円入れるという中で、利用されている方の六、七割がやはり未成年の方で、修学旅行生とか近所の小学校、中学校からの体験学習の場になっているわけなんですね。
 それで、私は二つ要望がありまして、やはりせっかくこれだけお金をかけてつくったわけですから、子供中心ではなくて、大人ももっと利用できるようなものにしていかないとだめなのではないかということ。もう一つは、変な話、この私のしごと館の周りが失業率が高い地域なんですよね。そうすると、やはり地域のというか、大人の雇用創出につながるべきだと思っております。そういう意味では、今のところ、私のしごと館というのはどうしてもお子さんたちが中心になってしまっております。
 こういうことに関して、大臣の方向性、大人がもっと利用できるように、そしてまた、失業者が多いわけですから、大人の雇用創出にもっとつながるようにすべきではないかということについて、答弁をお願いします。今までから何度もこれは言っているんですけれども、なかなか変わらないもので、きょう国会で取り上げさせていただきました。

○尾辻国務大臣 私のしごと館につきましては、御指摘のように、修学旅行生など学生生徒の方々に多く利用していただいておるようでございます。ただ、現在でも、キャリアコンサルタントを配置いたしまして、利用者の職業能力の分析、適性の把握等を含む職業に関する相談の実施、あるいは、面接の受け方、ビジネスマナー等に関する就職に役立つセミナーの実施でありますとか、職業に関する多様な情報、資料の提供など、大人の就業支援としても有効な事業を行っていると考えております。
 言いたいことは、今後とも、学生以外の利用者の方へのサービスの向上を含め、全般に役に立つ活動を行っていくことが重要であると考えております。

○山井委員 少しずつそういうことをやっていただいているようですけれども、ぜひともそういう方向でお願いしたいと思います。これは五百八十億、年間十五億つぎ込んでいるというのは、これはやはり保険料なわけですから、本当に価値あるものに高めていかねばならないと思っております。
 それと、次に、痴呆予防の質問をさせていただきます。
 先ほど介護休業の話をしましたが、老人ホームなどの利用者の七割以上は大なり小なり痴呆症があると言われております。そういう意味では、今や、寝たきり以上に痴呆症の方が大きな不安であると言われています。特に、痴呆症の方は、平均六、七年と言われておりますけれども、何年介護が続くかもわからないということで、介護疲れで倒れる方も、多くが痴呆症のお年寄りを介護しておられるケースがあるんですね。
 私も十四年間、呆け老人をかかえる家族の会というものに入らせてもらって、痴呆症のお年寄り、そして御家族のための運動をさせてもらっておりますが、そんな中で、きょう資料も入れさせてもらいましたが、先日、国際アルツハイマー病協会の国際会議というのが京都でありました。そんな中で、私も参加をさせていただきましたけれども、その中で大きく取り上げているのが、これからは痴呆のケアと同時に痴呆予防だということで、多くのパネル展示などもありました。ここに資料があるとおりです。
 それで、何が言いたいかというと、先ほど大臣もおっしゃった介護保険の整備の中で、介護予防ということは厚生省、非常に力を入れておっしゃっておられるわけですね。ところが、その介護の中の、先ほども言いましたように、施設に入られる七割が痴呆症であるにもかかわらず、介護予防の中で痴呆予防のメニューが今のところ厚生省は一つもないわけです、はっきり言いまして。
 ところが、私も実は十五年ぐらい痴呆症の問題にずっと取り組んできました。世界を回ってずっとやってきました。そんな中で、もちろん特効薬とか薬はまだまだ開発中ですけれども、この新聞記事にも「初期の不安、和らげるケアを」とか痴呆予防教室と書いてありますが、やはり週に一回ぐらい痴呆予防教室に通って、歌やいろいろなアクティビティーをすることで、治りはしないけれども進行が遅くなるとか、症状が和らぐとか、そして、その前提として早期発見が必要だということなどがかなり言われてきているんですね。
 こういう、やはり介護予防の中で痴呆予防をこれから力を入れていくべきだ。痴呆予防教室やあるいはデイサービスで、介護予防事業の中で痴呆予防のデイとかもやっていくべきだ。そして、早期発見ももっとやっていくべきだ。必ずしもお医者さんの診断ではなくて、保健学的な簡易な診断によって早期に発見して、それで早期からそういう教室に通ったり、あるいは介護する人がそういう教室に通って介護の仕方を知ることによって、お母さんの症状が和らいだというケースもあるわけですね。
 その点について、大臣、いかがでしょうか。

○尾辻国務大臣 率直に申し上げます。
 けさからこの話、いろいろ私もそれなりに聞いております。いろいろな話をするんですが、結局、痴呆予防のための取り組みというのはさまざまな試みが行われております。ただ、今現在で、それらの効果やメカニズムが厳密な意味で科学的に証明されるに至っていない、こういうことなんだと思います。
 したがって、申し上げたように、いろいろ試みはあるけれどもきっちり科学的にこれだというものがないために、厚生労働省としても、ではどうするんだということで、先ほどお話しいただきましたように、高齢者を対象とした絵画だとか書道、園芸、音楽等の教室を開催する事業を、痴呆介護教室と位置づけて市町村にお願いをしたりしているわけでありますけれども、今のところでやれることはそういうことということになってしまうわけでございます。
 したがいまして、総合的な介護予防システムを確立するために、痴呆予防のメニューも取り入れることができればという期待を込めまして、科学的根拠に基づく痴呆予防メニューを見出したい、そして専門家の皆さんのいろいろな検証をしていただきたいというふうに考えます。

○山井委員 私、二年前にもこの質問をさせてもらったんですが、要望を二つしたいと思います。
 一つは、正直言いまして、この痴呆予防に関することは、もう十年ぐらい前からいろいろあるんですよね。ところが、なかなかこれは、確かに痴呆予防というのは難しいです、いろいろな意見もありますし難しいんですが、先ほども言いましたように、今介護保険の財政が膨らみ過ぎてどうするのかという中で、介護予防抜きには私はやはり語れないと思いますので、ぜひともこのことには力を入れていただきたいと思っています。正直、例えば痴呆性高齢者のグループホームでも、そこで適切なケアを受けて介護度が下がったというケースなんかは、やはりかなり出てきているわけなんですよね。そのことが一つ。
 それともう一つは、きょう資料につけましたが、食生活と痴呆に関する調査なども厚生労働省さんはされているそうなんですけれども、その中で、例えばお茶とかも痴呆予防効果があると言われているんですね。やはりこういうことも、私、これも二年前から厚生労働省さんにも農水省さんにも言っているんですけれども、なかなかこれも進まないんですよね。こういうふうなことも、ぜひとも前向きに調査研究していただければと思います。これはもう要望だけにしておきます。
 あと、余り時間がありませんので、ちょっと残された時間でほかのことを聞かせていただきたいと思うんです。
 私は、尾辻大臣が就任されて、最初から聞きたかった年金の質問が一つあるんですね。これは前国会からの引き継ぎなんですけれども、結局、通常国会で通った年金改革法というのは、一八・三%まで厚生年金保険料をアップさせるということなんです。それで、やはりこれは経営側からも組合側からも、これではもたない、せめて、せめてというか百歩譲っても一五%ぐらいで、やはり一八・三では無理だという声がみんな一致しているんですね。こんな一八まで行ったら、海外に工場が移転したり、派遣社員やパートの人ばかりに頼らないとだめだということなんです。
 こういう一八・三まで上げるという、私は本当に非現実的だと思うんですけれども、こういうことで本当に日本の企業が、雇用がもつと、新しい大臣である尾辻大臣は思っておられるのかどうか。これは企業側も働く人も、一番今国民の不安だと思うんですけれども、このことについて、尾辻大臣、どう思われますか。

○尾辻国務大臣 まさに、まず基本的に申し上げると、給付と負担の関係でございます。
 私どもは、今度の年金法の改正に当たって、給付の方で考えましたのは、やはりどうしても五〇%ということを考えました。これは率直に申し上げます。そしてまた、法律にも書いてあります。五〇%を何とかして給付したい。これは本当に標準の数字でありますから、高い方が五〇%になるのかどうかという話をすると、もう細かな話になりますからしませんが、とにかく標準として五〇%を給付のところで維持したいと思いました。そのためにも、どうしても一八・三%という数字が厚生年金でいうと出てきたところがあることは、給付と負担の関係ですから、どっちかをいじればどっちかに影響する数字でありますから、これは申し上げたところであります。
 しかし、今のお尋ねの、では、産業の空洞化とか言われる中で、果たしてそれに耐えられるのと言われると、法律をつくった私どもの立場で申し上げると、何とかそこを頑張ってくださいと言わざるを得ないところでございます。

○山井委員 正直言いまして、通常国会でもそういう答弁なんですよね。まあ頑張ってくださいでは無理だということが、今のこの年金の不安になっているわけですから、やはりそこは、私たち民主党も今までから抜本改革と言っておりますけれども、厚生労働省としても、政府としてもしっかりと抜本改革を出してもらわないと、一八・三%ということでは絵にかいたもちでありますし、先ほどおっしゃった五〇%の保障というのも、やはりこれも、現実的には出生率も下がり、無理になってきているわけですから、このことはまた、集中審議をぜひともやって、訴えていきたいと思います。
 それと、もう一点お伺いしたいことがあります。余り時間がないんですけれども、精神病院からの社会的入院の問題なんです。
 きょう質問するつもりじゃなかったんですけれども、きのうの答弁で、お聞きになったかと思いますが、西副大臣が、精神病院からの社会的入院七万人の解消を、今までから政府は十年間で社会的入院七万人を減らすということを言っていたわけですね。衛藤副大臣もうなずいておられます。あの心神喪失法案を二〇〇二年に審議したときに、十年以内にやりますということを何度も、当時の坂口大臣はお約束をされました。それで、私は、二〇〇二年に約束されたことですから、十年以内にということだから二〇一二年までに減らすのかと思ったら、きのうの答弁を聞いたらびっくり仰天で、何やら、新しい障害者サービス法の新しい制度が整った二〇〇六年から十年間だというわけなんですよね。こんなばかな話は私はないと思うんです。今後十年間で七万人の社会的入院を減らしますと二〇〇二年に答弁しておいて、そのスタートが実は二〇〇六年なんですということは、私は通らないと思いますよ、そんな話は。
 常識的に考えて、尾辻大臣、これはどう思われますか。例えば、私たちがこうやって答弁してもらって、十年以内に何とかしますと言って、後で聞いたら、十年以内にというのは四年後からの十年以内ですとか、そんなことしていたら国会は成り立たないと思われませんか。大臣、いかがですか、このことについて。急に質問してなにですけれども。これは、きのうあった質疑なんですよ。

○尾辻国務大臣 急なお尋ねでございますから、うまく答えられるかどうかということはございますが、私も、きのうの質疑を聞きながら、その辺のことは感じないわけじゃありませんでした。したがいまして、議事録や、二〇〇二年のころ何と言ったかという坂口大臣の発言や何かをよくまた調べてみて、改めてこれは整理したいというふうに考えます。

○山井委員 私、ここに議事録、平成十四年十一月二十九日、水島議員の質問があるんですよ。それに対して坂口大臣は、「十年というふうに申し上げたわけでございますが、できる限り、その十年よりも早くできれば、」「積極的に進めたいと思っている次第でございます。」というふうに、「できる限り十年を縮めていくことができればというふうに、率直にそう思っている次第でございます。」と、本当は十年でも長いぐらいだ、もっと早くやると約束しているわけですよ。
 このことはぜひとも、きのうの答弁なんというのはとんでもない話ですから、やはりこのとき答弁したように、二〇〇二年に答弁したんだから二〇一二年までだというふうに方針を転換してほしいと思います。その検討をお願いします。

○尾辻国務大臣 そのとおりであれば、率直におわびして訂正しなきゃいかぬ、こういうふうに思います。そして、改めて、私どもがきっちり、今後できることをお示ししたい、こういうふうに考えます。

○山井委員 次もまた、これはきのうのニュースでありますけれども、介護保険の被保険者の引き下げに関して、全国の市長会が反対決議をしたということを聞かれていると思います。それで、先日、経済財政諮問会議でも、民間の委員が反対を言ったと。私、これは報道でしか知らないんですが、尾辻大臣は出席されていたと思うんですが、私、一つ不思議に思っていることがありまして、消極的な方々の言い分の一つを聞いていると、被保険者を拡大するよりも、まず介護予防とかに力を入れて適正化すべきだという議論が出ているんです。ところが、前回の委員会でも質問しましたけれども、その被保険者を引き下げる部分の財源の多くは支援費の方に行くわけなんですよね、障害者の支援費や精神障害者の方に。
 だから、そういう意味では、この引き下げというものをしなかったら、支援費や、今言った精神障害者の社会的入院を解消するという、地域の受け皿の問題とも関係してくるんですけれども、そういうものがもたないという危機感がやはりあるわけなんですね。
 だから、ここで尾辻大臣にお聞きしたいのは、ちょっと筋違いかもしれませんが、こういう経済財政諮問会議で引き下げに関して消極的なことをおっしゃっている方々というのは、障害者福祉をどういうふうにしようというふうに思っておられるんでしょうか。そういう議論はないんですか、大臣。

○尾辻国務大臣 今、こうした御議論はいろいろなところでしていただいています。
 今お話しになったことの繰り返しみたいになりますけれども、私がまず思いますことは、今の介護保険というのは確かに、加齢、高齢になった方々の介護ということが念頭にあって、それでつくった介護保険です。今議論していただく方の中には、どうしてもやはりその考え方の中で介護保険をとらえる方、それから、私どもはまだ決めたわけじゃありませんけれども、今、四十から六十四のところの方々の、介護保険には加入していただいている、しかし非常に限定的に介護を考えている、この辺のところをもっと広げるという考え方もある。年齢によって介護を変えるんじゃなくて、介護を必要としている方、これは年齢にも関係ない、それからまた、どういうことで介護が必要となってきたかということももう問題にせずに、介護はもう全部介護として考えるか。そうすると、極端に言うとゼロ歳児からの介護という話になるわけです。
 この辺はもう、介護保険そのものに対する考え方が大きく違うものですから、いろいろな御議論が錯綜しております。そのことは感じております。
 だから、私どもも、もう少し整理して、資料もお出しし、議論していただければと思いますから、近く、そういう、もっと広く介護を解釈したときの数値がどうなるかというようなものも皆さんにお示しをした上で議論をしていただきたい、こういうふうに考えております。

○山井委員 ある意味で、尾辻大臣がおっしゃったように、多少錯綜している部分もありますが、この議論を一つ整理しないとだめなのは、介護保険の見直しといいながら、一つの大きなポイントは、障害者の支援費や先ほどの社会的入院の解消にもつながるんですが、精神障害者のサービスが非常に足りていない、財源も足りていない、これをどうするんだという話がやはり根っこにあるわけなんですね。
 ところが、私は直接聞いてはいませんけれども、そういう経済財政諮問会議の方々が、いや、介護予防を頑張ったらいいじゃないかというのは、若い人から保険料を取って、それでお年寄りを支えるという発想しか理解されていないんじゃないかと思うんですね。ここは、ある意味で国民全体も、どっちかというとその辺、誤解している部分もあるかもしれないので、そこはやはりこれからきっちり説明していく必要があると思うんです。
 きょうも育児休業、介護休業の審議でありますけれども、まさに大臣がおっしゃったように、介護保険制度ができて、まあまあ家族も仕事と両立できている面があるかもしれません。では、障害児や障害者をお世話されている家族はどうなのかというと、結局、前も質問をしましたけれども、介護保険に比べて本当にサービスが足りないわけなんですね。
 例えば、支援費の障害者サービスに関しても、市町村間で、人口当たりの利用者数で七・八倍も格差があるわけです、七・八倍あるわけですよ。身体障害者のホームヘルプでも五・五倍。例えば、精神障害者のホームヘルプだったら十一・六倍、障害児のホームヘルパーだったら四十四倍も格差があるわけですよ。こういうグループホームも、三割以上の自治体がまだ知的障害者のグループホームを持っていない。これを、老人福祉に比べて二十年ぐらいおくれていると言われている障害者福祉をやはり引き上げていかないと、私は、このままの状態を二十一世紀に放置したら、年齢差別、障害者差別と言われかねないと思うんですよね。
 でも、これをある程度、全国であまねく介護保険と同じように障害者の方々も必要なサービスを受けられるようにしようと思ったら、先日もこの委員会で議論させてもらったように、今の粗い試算では、今後十年間で一兆円ぐらい膨らむんではないか。地方自治体だけでも無理、国だけでも無理という状況に来ているわけなんですよね。やはりそこを、お年寄りをどう支えるかという発想での介護保険の見直しだけじゃなくて、お年寄りのサービスとともに障害者も一緒に支えていくというふうに議論を変えていかないとだめだと思います。
 というのは、全世界の中で、私は世界の福祉を回って研究してきた者ですが、世界の中で、四十歳という年齢で制度を切っている国なんて日本だけですよ。合理的な理由なんか何にもないんですから。すべて年齢関係なく、税でやっているか保険でやっているか、どっちかなんですよ。そもそもやはり過渡的なことだと思うんですね。
 そういう意味では、繰り返しになりますが、お年寄りと同様に障害者の方々がきっちり必要なサービスを受けられるようにしていく、そのことが介護保険の見直しの、繰り返しになりますけれども、介護保険の見直しというとお年寄りの問題と思われがちですけれども、介護保険の見直しが実は二十一世紀の障害者福祉を大きく決めるんだという状況にあるということですので、そのことをまた尾辻大臣もぜひとも、衛藤副大臣とともに取り組んでいただきたいと思います。
 最後に一言ずつ、短くで結構ですので、今のことに対して決意を、大臣、副大臣、お願いしたいと思います。

○尾辻国務大臣 いろいろ御指摘がございましたが、一点で申し上げます。
 今お話しのようなことがありますから、私どもは障害者福祉に対して、今度、グランドデザインをお示ししたつもりであります。あの考え方できっちりやっていきたい、こういうふうに思います。

○衛藤副大臣 まだ全体的な合意が得られていないという中で、フライング発言になるかもしれませんけれども、介護保険制度は仰せのとおりだと思います。
 ただ、四十歳で切ったというのは、世界で初めて導入する中で、四十歳ぐらいからであれば高齢者にかかわる介護について御理解いただけるだろうという観点から、そうした覚えがございます。それはやはり、年齢を、徐々に理解の輪を国民的に広げていきながらこの制度を拡大していくということは、どうしても必要であろうかというふうに思っております。そういう中で、ぜひ年齢の問題も、それをちゃんとやり上げていくことは必要であると思っています。
 そしてまた、介護保険は、今は加齢に伴うものとしておりますけれども、やはりその趣旨としては、介護全般をフォローできるべきであるというぐあいに思っております。とりわけ、そのときの社会保障全体の中でいかに在宅や地域や、あるいは施設も入りますけれども、いずれにいたしましても、自立をどう高めるかというところをその主たる目的としなければいけないのではないのかというぐあいに思っています。
 そういう意味で、私どもは、まさにこれからの社会保障というものを自立と共生という思想で頑張るべきだというように思っておりますので、ぜひ皆さんの御理解をいただいて、議員がおっしゃるような方向でまとまっていくことができればというぐあいに思っている次第でございます。どうぞよろしくお願いします。

○山井委員 この間の厚生労働省さんの御努力もありまして、本当にお年寄りの福祉に関してはかなり進んできたと思いますが、障害者の福祉にも、お年寄りのことには熱心だけれども障害者のことには冷たい国だというふうなことにならないように、ぜひとも頑張っていきたいと思います。
 以上で終わります。

Posted at 2004年11月12日 固有リンク | TrackBack

2004年11月

2004年11月

厚生労働委員会議事録(児童福祉法改正案)

161-衆-厚生労働委員会-6号 平成16年11月10日
質問に熱が入る山井
◇社会保険庁長官と厚生労働大臣のTV出演による国民への説明
児童福祉法改正案に対する質疑
◇児童養護施設退所時の児童の住まい
◇在宅での支援サービスの充実
◇児童精神科医の充実
◇虐待ゼロへの大臣の決意

○山井委員 三十分という限られた時間ですが、児童福祉法改正を中心に質問をさせていただきたいと思います。
 その前に、わざわざ村瀬社会保険庁長官にも来ていただいて非常に恐縮なんですが、ひとつ、社会保険庁の問題、年金の問題について、尾辻大臣と村瀬長官にお聞きしたいと思います。

 きょうの新聞を見ますと、国民年金保険料の納付率のアップが非常に少ない。このままでは村瀬長官がリーダーシップをとっておられる納付率のアップにつながらないんじゃないか、目標が達成できないんじゃないかという危機感も出てきているわけです。そんな中で、村瀬長官も記者会見で、国民年金あるいは社会保険庁の信頼回復に努めねばこの納付率は向上しないだろうということをおっしゃっておられます。そのとおりだと思います。
 そこで、ちょっと変わった質問をするかもしれませんが、尾辻大臣、村瀬長官、聞くところによると、テレビには出られないということを聞いております、出演されないと。私もそれは、おやっと思いまして、例えば村瀬長官は、この国会の審議の中でも、これからこうやって社会保険庁を改革していくんだということを、リーダーシップをもって答弁もしておられるわけですから、録画であってもいいですけれども、テレビ番組にも出て、そういうことを堂々と述べられてはどうかと思っております。
 もうちょっと具体的に言いますと、例えばですけれども、別に特定の番組ということはないんですが、例えば土曜日の朝、「みのもんたのサタデーずばッと」という番組がありまして、社会保険庁の問題をいつもやっていられるので、私もよく見ているんですが、この番組は、尾辻大臣は、九月に就任されて以来六週間出演依頼をしているけれども、一回も出てくださらない。それで、村瀬長官については、五月に就任が決まってから三十四週間、ずっと出てくださいということを言っているけれども、出演されないというふうになっております。
 これは、私は別に特定の番組の応援をする気はさらさらないんですが、素朴な疑問として、これだけ年金や社会保険庁に対して疑問や不信があって信頼回復が必要なときに、尾辻大臣も村瀬長官も、録画でもいいと向こうは言っているわけですから日程調整可能だと思うんですが、堂々と述べられた方が、本当に年金の信頼回復のためにいいのではないかと私は思います。
 このことについて、尾辻大臣、村瀬長官、答弁をいただきたいと思います。

○尾辻国務大臣 私どもが担当いたします社会保障といいますのは、国民生活に一番密着したものでございます。したがいまして、私どもがこう考える、あるいはこうしたいというようなことをできるだけ丁寧に御説明する、このことは大変重要なことでございます。そして、機会をとらえてそうしなきゃならないとも思っております。ですから、そういうふうな趣旨の、社会保障についての内容を御説明申し上げる機会があるような番組については、これは私としてはできるだけ出演させていただきたいと、まず基本的に思っております。
 ただ、もう率直に申し上げますが、大臣になりまして、こんなに忙しいものだとは本当に思いませんでした。ですから、今のところ、これも正直申し上げているんですが、時間がないんです。
 それと、もう一つ御理解いただきたいのは、衆議院の先生方には、参議院の全国比例区の事情というのがきっと余りおわかりいただけないだろうと思うのであえて申し上げるんですが、全国、全国区とも言った時代がありますが、皆さんとの御縁があります。そうすると、四十七都道府県なんです。そして、週末の数が五十二回なんです、一年で。ですから、週末五十二回の数で四十七都道府県というと、一つずつ回ってちょうど一年に全国一周できる、そういう数になりまして、とにかくもうびたっと週末の日程が先に詰まっているというような事情もありますことも、決して言いわけするわけじゃありません、御理解いただければと思ってあえて申し上げたところであります。

○山井委員 その理由はあんまりじゃないかというふうに思います。やはり大臣になられたら日本の社会保障をしょって立つわけですから。そういう事情で週末が詰まっているというのは、私は理由にならないと思いますし、短時間の録画も可能なわけですから、ぜひともお願いしたいと思います。
 村瀬長官も答弁をお願いします。

○村瀬政府参考人 今の御質問にお答えさせていただきたいと思います。
 まず初めに、マスコミの皆さん方に対する対応でございますけれども、記者クラブを通じまして、記者会見であるとか、それから、定期的に記者懇談会を開催させていただいておりまして、そういう点では、社会保険庁の改革につきまして積極的に開示をし、ニュース等でも流させていただいております。したがいまして、まず私自身の気持ちとしまして、メディアに対してはいろいろな形で情報発信はさせていただいている、このように考えております。
 一方、御存じのように、社会保険庁は実施庁でございまして、国民の皆さんと接する事務局、事務所、ここが具体的にどう変わったかというのが多分一番大事な部分だろうというふうに思っております。したがいまして、私自身は微力ながら、現在、仕事の重点を全国各地の事務所、事務局を回ることに力を注いでございます。きょう、この国会が終了した後も大阪、兵庫へ行く予定にしておりまして、極力現場の職員としっかり話をした上で、国民の皆さん方に、社会保険庁はこういう形で変わったという形を示したい、こういう形で動いてございます。
 この十一月、社会保険庁変わります宣言ということで、庁内的にしておりまして、具体的にはどういう形で変わっているかということをお話し申し上げますと、この十一月の六日から十二日まで年金週間ということで、現在、相談業務の充実をさせていただいております。その中で、初めて六日、七日の土曜、日曜日に相談業務の開庁をさせていただきまして、全国の皆さん方から非常に喜ばれたという結果も出てございます。また、この十二日までは七時までの時間延長ということで相談業務を延ばさせていただいていまして、国民の皆さんから見て見える形で変えるのがやはり非常に重要なのではなかろうかというふうに考えております。
 それから、先ほど収納率の問題が出ましたけれども、昨日、国民年金の上半期の収納率を公表させていただきました。従来ですと年に一度の収納率の公表でございますけれども、前倒しでどんどん情報開示いたしまして、その部分をやはり国民の皆さんにもわかっていただく。また、実際、実施をしております事務局、事務所の職員も目標に向かってしっかり行動を起こす、これが極めて重要なんだろうというふうに私自身は考えております。そういう点で、改革を具体的な形で国民の皆さんがわかっていただける、そういうところにまず重点を置いて仕事をさせていただけたらということをぜひお願い申し上げたいと思います。
 それから、今具体的な問題で、テレビへの出演というのがありましたけれども、スケジュールが合えば、私自身は出られるものであれば出たいと思っております。その点だけはお話を申し上げたいと思います。
 以上でございます。

○山井委員 スケジュールが合えば出るということですが、はっきり言って、もう三十四週間も断っておられるわけですね。三十四週間もずっとスケジュールが合わなかったということは考えられないんですけれども。
 個別のことを言ってなんですけれども、そうしたら、この番組にも村瀬長官も、録画ででもいいですから、出るということでいいんですね。
 もちろん、現場を回ることは私も大事だと思いますから、ぜひやってもらったらいいと思います。しかし、信頼回復のためには、テレビから呼ばれたら出ていって、今おっしゃったようなことを堂々と、不信があったあるいは隠ぺい体質が疑われていた今までの社会保険庁を私がこう変えていくんだということを、現場を回りつつ、テレビというメディアでも訴えられたらいいと思うんですよ。
 村瀬長官、もう一回答弁をお願いします。

○村瀬政府参考人 先ほども申し上げましたように、メディアに対してはいろいろな意味で発信をさせていただいているつもりでございます。したがいまして、今たまたま個別の番組の問題で出る出ないというお話がありましたけれども、本件については、趣旨等も踏まえて、その出演の可否については、スケジュールと、それから、何を御報道されたいかという中身を見ながら、個別判断をさせていただくということでお願いできたらというふうに思っております。

○山井委員 でも、記者会見とかそういう場じゃなくて、テレビから出演依頼があったら基本的には前向きに検討するというのが、まさに社会保険庁の改革の旗頭である長官の務めじゃないんですか。今の答弁を聞いていると、趣旨を聞いて、その番組の性格を見て、社会保険庁を批判している番組だったら出ないとか、何かそういう意味ですか。
 国民の信頼を得るためには、いろいろ厳しい意見も聞くかもしれないけれども、そこに出ていって堂々と、自分は変えていきますということを訴えるべきなんじゃないでしょうか。テレビに対しては、記者会見というような、社会保険庁さんの土俵の問題じゃなくて、呼ばれたらテレビにも出演して訴えていくということを言うべきじゃないですか。長官、いかがですか。それとも、テレビには出ないんですか、やはり、呼ばれても、これからずっと。いつまで出ないんですか。

○村瀬政府参考人 先ほども申し上げておりますように、実は記者さんからも物すごい強烈な質問をばんばん受けておりまして、それについては適正にお答えをしているつもりでございます。したがいまして、メディアに対してお答えをしていないということはまずあり得ないという認識に立っていただけたらと思います。(山井委員「出演依頼のことを質問しているんです」と呼ぶ)したがいまして、個別の番組については、何をもって御報道されたいかというのははっきりさせる必要があろうかと思いますので、それによりまして個別に判断させていただくということでお答え申し上げたいと思います。

○山井委員 時間にも限りがありますので、きょうはここでやめておきますが、私は今の答弁を聞いて何を感じたかというと、社会保険庁が信頼回復のために国民に対して説明責任を果たす気が村瀬長官はないんだな、そういうことを私は感じました。
 やはり信頼を回復するためには、長官の最大の役目は、国民に対して、改革をやっていくんだ、こういう具体的なことをするんだということを出ていってPRすることだと私は思います。そういう意味では、本当に、村瀬長官のその説明責任の意識というものを私は疑いたいと思います。また、そういう番組を見た国民がどう思うか。何回言っても長官は出てこない。現場を回るのはいいけれども、現場を回るとともに、録画でも出たらいいじゃないですか。私は非常に、そういうことでは本当に長官の姿勢に疑問を感じています。ぜひともテレビに出て、堂々と自分の思いを語っていただきたいと私は思います。
 では、本題の児童福祉法の質問に移らせていただきます。
 一昨日、児童相談所に私も訪問させていただきまして、また昨日も児童養護施設やグループホーム、何カ所か訪問をさせていただきました。その中で、尾辻大臣に要望とともに質問を申し上げたいんですけれども。
 例えば、私、昨夜もグループホームに行って、そこのお子さんたちと一緒に食事をさせてもらいましたが、そのお子さん方が、大きな施設からグループホームに移ってきて、とても居心地がいい、こちらの方がいいということを口々におっしゃっておられました。
 例えば一例ですが、あるお子さんは、大きな施設からグループホームに移ってきて、非常に声が大きくて落ちつかないというケースがあるんですね。なぜかというと、御存じのように、児童養護施設は、人員配置基準が六対一で、一人の職員が六人の虐待を受けたりしている子供たちのお世話をしているけれども、三交代だったら一対十八、やはりこの数では、どうしても、施設のお子さん方は大きな声を出して自己アピールをしないと職員さんも構ってくれないという、ある意味で愛情が十分に受けられないというようなことにもなると思うんですね。これは要望だけですので。
 ですから、今までから委員会で問題になっていることですけれども、こういう人員配置基準をふやしたり、あるいはグループホームを推進したり、そして、中学生、高校生の方がきのうもおっしゃったのは、中学生、高校生になったらやはり個室に入りたいということをおっしゃっていました。四人部屋とかだったら一人で好きな音楽も聞けないということをおっしゃっておられました。ぜひともそういうことも推進をしていただきたいと思います。
 この要望をして、そこで質問なんですが。
 児童養護施設を出てから一番困っていることは何かということを、きのう、御本人さんに聞かせていただきました。そうしたら、やはり住まいがないと。児童養護施設を十八歳で出たら、大学に行くにも、寮がないとだめで、勤めるとしても、寮があったり住み込みのところしかだめで、選択肢が非常に限られると。もっと言えば、もし何かの事情で仕事をやめてしまったら、寮がなくなるわけですから、住むところもなくなってしまう。そうしたら、仕事を何らかの事情でやめたら、友達の家に転がり込んだりして、転々とする中で、やはりまた身を崩してしまうというケースもあるそうなんですね。
 そういう意味では、児童福祉施設を出た十八歳のお子さんたちの住宅の確保とかあるいは家賃の補助とか。貸すのだと、これは後で返すのがまたなかなか大変なんですよ。十八歳で、親からも援助を得られない、ひとりぼっちで、持参金がほとんどゼロの子供に、お金を貸すから、はい百万、将来返してくださいよといっても、そう簡単に返せないわけなんですよね。そういう意味では、こういう家賃補助とか住宅の確保ということをまず要望したいと思います。大臣、いかがでしょうか。
    〔委員長退席、北川委員長代理着席〕

○尾辻国務大臣 御指摘のとおりに、児童養護施設等を退所した児童が社会的に自立するために住まいを確保するということは、これは極めて重要なことでございます。
 このために、退所後、保護者等の支援が見込めない場合には、就職の際に必要となる住居費等として約十四万円を給付するとともに、住居確保のために必要な資金の低利の貸し付けも行っているところでございます。さらに、平成十五年十月末から、雇用促進住宅の入居要件を緩和するなどいたしておりまして、施設退所後の児童の住居確保の支援に努めているところでございます。
 今申し上げたようなことを行っておるところでございますが、退所後の児童の社会的自立を積極的に推進してまいりたい、こう考えます。

○山井委員 ぜひわかっていただきたいのは、普通の若者にお金を貸すのと、もう本当に親からの支援も受けられない、ひとりぼっちの十八歳の子供にお金を貸すのとでは、その借金を負う負担が全然違うということなんですね。ですから、私は、家賃に関しては、もう返さなくていいお金で出してあげるということ。それと、今おっしゃった住宅もまだまだ満杯なわけですから、そういうのをぜひとも積極的にしていただきたいと思っております。
 村瀬長官、もう終わりましたので、お帰りいただいて結構です、お忙しいと思いますから。ありがとうございました。
 それでは、次に、衛藤副大臣に御質問したいと思います。
 お配りした資料、少し大きな話に移りたいんですが、例えばノルウェーの児童福祉はどうなっているか。私も昔スウェーデンに二年間行っておりましたので、こういう北欧の福祉のことは関心があるんですけれども、そのノルウェーの一例を見てみますと、例えば上の表にありますように、要は、ケア支援対応というのが、自宅以外なんですけれども、これが五千二百六十一人で、生活支援対応、つまりこれは在宅サービスなんですね。このグラフにもありますように、近年は施設というのが非常に減ってグループホームなどになってきて、逆に、伸びているのは在宅支援ということなんです。レスパイトのケア、週末のウイークエンドホームという、週末だけ里親さんがお世話するケースとか、あるいはホームヘルプとか育児支援とか。
 衛藤副大臣も御存じのように、老人福祉でしたら、在宅サービスをまずやって、無理ならば施設ですよね。ところが、今の児童福祉の場合はこの在宅メニューがないから、親と切り離すか、あるいは、危険だけれども親と一緒にいてもらうか、二つに一つみたいな感じがあると思うんです。そういう意味では、今後の方向性としては、こういう在宅での支援サービスをもっともっと拡充していくべきだと思いますが、いかがでしょうか。

○衛藤副大臣 虐待をめぐる児童の問題も、高齢者の問題も障害者の問題も、私ども、福祉全般がそういう方向を今とろうとしているというぐあいに思います。そういう意味で、児童福祉につきましても、この虐待の問題につきましても、本来であれば、隔絶するというやり方よりも、その地域なら地域の中で、そして家庭の中でできるということが最もすばらしいことだというように思っております。そういう意味で、虐待についての在宅支援サービスについて、まだいろいろなものが整っていないということは認識しながら、これを進めていかなければいけないというふうに思っております。

○山井委員 これは方向性の問題ですけれども、ぜひともそういうサービスを拡充していっていただきたいと思います。
 次に、また尾辻大臣にお伺いしたいんです。
 先日の金曜日の質問の中で、コンビニを一つの窓口として、コンビニの店員さんが虐待を受けているおそれのあるお子さんたちを、あざとか雰囲気とかで発見した場合に、児童相談所とか警察に通報しやすいように、ポスターを張るなり、あるいはチェーンストア協会を通じて協力要請をしてほしいということを言ったんですけれども。
 それの延長線上なんですけれども、今地域に児童・民生委員さんとかあります。子供の相談の窓口になっているところですけれども、そういうところにお子さんが行くというケースはほぼあり得ないと思うんですよね。そういう意味では、やはりコンビニも児童虐待のときの駆け込み寺なんだ、コンビニに行ったら何とか助けてもらえるんだと。もちろん、その店員さんが助けるということじゃないですけれども、そこでSOSを発したらその店員さんが児童相談所や警察に通報してくださるんだというようなことを世の中にPRして、チェーンストア協会からも協力を得たら、もちろんそれで何件の子供がコンビニに駆け込むかというのは別として、やはり社会的に子供にとっても安心感があるし、また親にしても、余り殴ったり、あざがあって、一緒にコンビニに行ったら、これは大変なことになるなというふうな抑制効果も出てくるわけですから、そういうような形でチェーンストア協会に要望をしていただきたいと思いますが、この件についていかがでしょうか。

○尾辻国務大臣 先日御提案がございましたコンビニエンスストアに対しましては、昨日、協力依頼を行ったところでございます。まず早速行いました。これで、お話のように、児童が立ち寄りやすいと思われるコンビニエンスストアなどで今後適切な対応が図られると大変ありがたいと思いますし、期待もしております。とりあえずお願いをしてみましたので、今後のこと、よくまた事態の推移を見ながら考えてみたいと思います。

○山井委員 次に、また衛藤副大臣にお伺いしたいと思います。
 虐待を受けた子供を診療するために児童精神科医というのが必要だと思うんですけれども、その養成が全然追いついていなかったり、諸外国にあるのにその講座が日本の医学部になかったり、また、それの診療に対する報酬が非常に低かったりという問題があります。
 専門家の方々から聞くと、そういう児童精神科医という専門家をしっかり養成していくことが必要だというふうに言われております。理想的には、児童相談所にそういうお医者さんを常駐させていくとか、難しいかもしれませんが、やはりそういう方向性も検討していかないとだめだと思います。この養成の件に関して、副大臣、いかがでしょうか。

○衛藤副大臣 今回、児童相談所を充実しながら、看護師さんや保健師さんにもということで、その福祉の方の仕事の任用規定を、いわゆる質量ともに上げようとした、バランスをとっていこうとしたところにまだまだ児童精神科医と言われるような方が本当に少ないということが言えると思います。
 私も、例えば知的障害者の療育等で、大分で県会議員のころ懸命にやっていましたけれども、その専門の指導のお医者さんが実質的には来てくれません、いらっしゃいませんでした。心当たりの方は何人かおられたんですが、やはりなかなか、そこまでの責任を持っていざやるとなると、極めて難しいというようなことで。実は、そういう専門の先生は全般的にそうだというふうに思います。
 現実に、虐待のみならず、知的障害の方も、精神障害の方も、あるいは最近の、発達障害の方も、自閉症の方も、登校拒否の方も、相談するところを、実質的には専門の先生方を探しながら、皆そこのところでうろうろしているというのが実態であると思います。
 私の方も、子供もちょっと学校に行かない時期がありまして、本人は登校拒否と言っていませんけれども、周りの人は登校拒否と言っておりますが、本人は、僕は違う、行けなかっただけだ、ぐあいが悪くて学校に行けなかっただけであって、登校拒否ではないなんということを言っておりましたけれども、そのときにも、やはり専門の先生を探すのに大変苦労したところでございます。小児科の先生あるいは精神科の先生、いろいろな方のところをずっと行ったりしましたけれども。
 全般において、まさに今先生御指摘のとおり、児童精神科医と言われる方々、この乳幼児にかけての、相談に乗って、指導ができる専門の方々を本気で養成していく必要があるんではないのかというぐあいに思っています。
 厚生労働省といたしましても、それを何とか図ろうじゃないかということで今スタートしたところでございまして、平成十六年度内に検討会、今年度中に検討会を持って、そしてまたそのことを具体的に検討してまいりたいと思っています。来年には、それらの検討を受けながら専門の養成プログラムをつくっていきたい、養成のためのプログラムをつくっていきたいというぐあいに思っている次第でございます。

○山井委員 児童虐待死と言われる形で毎年四十人、五十人の方々が、残念ながら、お子さんたちが亡くなっていっている、それはどんどんふえているような状況なわけですね。また、児童虐待の件数は二万五千件以上にどんどんふえていっている。
 そんな中で、大臣に要望とお伺いをしたいんです。
 これは、児童虐待防止法も改正されたし、また今回、児童福祉法も改正されるわけですけれども、審議を通じても、まだまだ日暮れて道遠しだと。これで虐待が撲滅できると自信を持って言える人というのはほとんどいないと思うんですね。そういう意味では、これは相当の決意を持ってやらないと、私は予算にも限りがある中で難しいと思うのです。
 ここで大臣の決意を、そして厚生労働省の決意を示していただく意味でも、児童虐待死ゼロ作戦なのか、児童虐待ゼロ作戦なのか、ネーミングはわかりませんけれども、やはりそういうものをしっかりつくって――今まで寝たきり老人ゼロ作戦、待機児童ゼロ作戦はありましたけれども、もうほかでもない、命にかかわる問題なわけですから、やはり厚生労働省、そして尾辻大臣が先頭を切って、児童虐待ゼロ作戦というのを力強くやっていく。そして、先ほど言ったような、コンビニ、いろいろなことを含めて、啓発も国民的にやっていくんだということが、私は政治家の責務としてやはり必要だと思うのですね。こういう法改正はしたけれども、虐待は減らせなかったでは済まない問題だと思います。
 その点について、そういうゼロ作戦の推進ということ、大臣、いかがでしょうか。

○尾辻国務大臣 とにかく、思いついて、いいと思うことは何でも、そして一歩一歩進めていくということが必要なことなんだろうというふうに思います。
 その中で、今御指摘いただきましたように、虐待による死亡事例の撲滅作戦といったような、国民にとってわかりやすい指標なども検討いたしまして、国全体で児童虐待防止対策の推進に強力に取り組んでまいりたいと考えます。

○山井委員 私、先日も児童相談所に行ったのですが、児童相談所の方々はやはり苦悩されているんですね。虐待で死亡事故が起こったら、児童相談所が悪者になる。しかし、実際に親のところに行っても、親に対して強制力を持って指導することがなかなか難しい。言うことを聞かなかったからといって罰則もない。そういう刀がないのに戦えと言われてもなかなか苦しい、逆にもう過労で児童福祉司が倒れていっているような状態だということをおっしゃっています。
 そこで尾辻大臣にお伺いしたいのですが、児童相談所を訪問されたことがあるかということと、されたことがあるんではないかと思いますが、今の児童相談所に対してどうしたらいいと思っていられるか、大臣からお聞きしたいと思います。

○尾辻国務大臣 先ほども申し上げましたけれども、この前の委員会でのお話もございましたから、一昨日、私も児童相談所へ行ってまいりました。そして、本当に皆さん方の御苦労というのを目の当たりにしてきました。大変だなと思いました。
 その中で、具体的に、今私が、何ができる、どうしようということを直ちに具体的に申し上げるよりも、とにかく、今後全力で取り組んでいきたいということをお約束を申し上げておきたいと思います。

○山井委員 時間が来ましたので締めくくらせていただきますが、最後に大臣に改めてお願いがございますが、先ほどおっしゃったように、厚生大臣の仕事が非常に激務である、それとまた、御自分の政治家としての事情で、全国を回るのが、なかなか日程が、週末が大変であるということをおっしゃいましたけれども、日本の社会保障、日本の子供、お年寄り、御病気の方々あるいは働く方々の健康と命をつかさどる最高の責任者なんですから、私は、せめて厚生大臣をされている間は、そういう御自分の選挙の事情のことはおっしゃらずに、厚生労働省の仕事最優先で働いていただきたいと思います。

○尾辻国務大臣 先ほど申し上げたことを選挙の事情だというふうに御理解いただきましたら、それはまずいなと思いましたので、あえて立たせていただきました。
 先ほど申し上げたのは、決してそういうつもりでもありません。とにかく、まさに社会保障に関係のある皆さんが多いものですから、説明に来いとか話に来いとかというお話で、まさに今の仕事の重要な部分としてやらせていただいているという意味でありまして、全国、御縁は多いものですからと申し上げましたが、決して選挙の事情でという意味で申し上げたものではございませんので、ぜひそのように御理解いただきたいと思います。
 そして、おっしゃるように、大臣であります間、もう全身全霊、力を振り絞って、大臣としての仕事に邁進していきたい、そう思っております。

○山井委員 以上で終わります。

Posted at 2004年11月10日 固有リンク | TrackBack

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