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厚生労働委員会議事録(児童扶養手当法改正)

162-衆-厚生労働委員会-4号 平成17年3月9日
 児童扶養手当法による児童扶養手当の額等の改定の特例に関する法律案(内閣提出第一四号)
◇母子家庭の現状
◇児童のグループホームの整備促進について

○鴨下委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。山井和則君。
○山井委員 民主党の山井和則です。
 二十分という限られた時間ですが、特に、私は、児童扶養手当に関して質問をさせていただきたいと思います。

 今までからこの児童扶養手当や母子世帯のことを私は国会でも取り上げておりますが、学生時代、母子生活支援施設で私ずっとボランティア活動をしておりました。やはり母子家庭の方の就労というのは非常に厳しいものがありまして、要は、自分で生計を立てていかねばならない、しかし、子供が熱を出したりするということが当然あるわけですね。そんなときには、本当にそういう、休みがちだという理由だけで解雇されてしまったり、そういうこともあるわけであります。
 私の母親も小さいときに父親を亡くしました。また、私の妻も小さいときに父親を亡くしました。そんな関係で、つくづくそういうことを通じても感じるのは、やはり子供の進学の問題にもかかわってくるわけなんですよね。なかなか女手一つで子供の教育費を稼ぐということも難しくなってくるわけです。そういう意味で、私、最初に申し上げたいのは、これはお母さんだけの問題でなくて、この児童扶養手当の問題というのは、子供の一生を左右する非常に重要な問題であると思います。
 そんな中で、きょう、資料をお配りさせていただきました。この東京新聞の記事にもありますように、平均年収が、結局、一般世帯の平均年収が五百八十九万円であるにもかかわらず、母子家庭の平均年収は二百十二万円であるという非常に厳しい状態となっております。
 最初に尾辻厚生労働大臣にお伺いしたいんですけれども、こういう状況を見ると、今回の法案の物価スライド云々というよりも、この児童扶養手当そのものをもっとやはり引き上げる必要があるのではないか。最初から非常にストレートな質問をしますが、そういう現状認識を私は持っておるわけですが、尾辻大臣、いかがでしょうか。
○尾辻国務大臣 今先生もお話しになりましたが、私も母子家庭で育ちました。したがいまして、母子家庭の苦しさというのはよく承知をいたしておるつもりであります。そしてまた、きょうお示しになりました資料を見せていただいても、最近また母子家庭の厳しさというのが、むしろ厳しい方に移っているなという、このことも改めて見せていただいたところでございます。
 その中で、児童扶養手当をどうするのかというお話でございますけれども、この児童扶養手当、今日、そうした、お父さんと生計を同じくしていない子供たちの家庭の生活の安定と自立の促進を図るため、こういう目的になっておりますし、また、他の社会保障施策と相まってその役割を果たしてもらおう、こういう位置づけになっておりますので、そうした位置づけ、目的を考えながら、今後どうするかということを考えていかなきゃならぬと思っております。
○山井委員 なかなか明確な答弁ではございませんでしたが、今の答弁の中にも、母子世帯の自立を促すということがありました。
 そこで、衛藤副大臣にお伺いしたいと思います。
 まず、前回の母子寡婦福祉法の改正のときにも就労支援というのが大きなキーワードになっておりましたけれども、この母子家庭への就労支援策の現状と成果、それと、もう一つの質問もセットでさせていただきますと、それとともに、この資料にもありますように、結局、正規雇用が減って非正規雇用、つまりパートがふえているわけであります。要は、平成十年では五〇%が常用雇用であったんですが、平成十五年では三九%というふうになっているわけですね。
 そこで衛藤副大臣にあわせてお伺いしたいんですが、常用雇用をふやすためにどのような方策をとっているのか、このことについてもお伺いしたいと思います。
○衛藤副大臣 御案内のとおり、離婚の急増等、母子家庭を取り巻く状況の変化に対応するために、平成十四年十一月に母子及び寡婦福祉法を改正いたしまして、平成十五年度から、子育て・生活支援とそれから就業支援、養育費の確保、経済的支援等、自立に向けた支援を総合的に展開しているところでございます。
 特に、就業支援につきましては、母子家庭等就業・自立支援センター事業を平成十六年度において全国六十八カ所で実施をいたしました。平成十五年度に比較しますと、八千人の相談から二万八千人、そして就業実績も七百六十人から二千七百人というぐあいにふえているところでございます。
 また、母子家庭の職業能力開発を支援するために、教育訓練講座を受講した場合に受講料の一部を支援する自立支援教育訓練給付金事業を全国の三百十五の自治体で実施してまいりまして、千三百七十六人が受講を修了いたしております。
 また、高等技能訓練促進事業といたしまして、看護師さん等の国家資格を取得するために修業する場合、その事業を実施いたしておりますが、これも、全国二百五十九自治体で七百五十六人というぐあいに給付を受けておりまして、実績としては、十五年、十六年を比較いたしましても、やっと着実に上がろうとしているということは言えるのではなかろうかというふうに思っております。
 また、仰せのとおり、パート雇用に対しては、非常に多いわけでございますが、これは不思議なことに、いろいろな事業を実施いたしましても、大体、母子家庭の率とそれから就業支援をした率がほとんど同じでございまして、いろいろな資料が出ておりましても、そういう意味で、パート雇用を常用雇用にどういうぐあいにするかということは大きな課題でございます。
 そういう中で、私ども、今、就業の支援に対する特別措置法が平成十五年八月から施行されておるところでございまして、これは議員立法でつくられたところでございますので、その趣旨を受けて今懸命に頑張っているところでございます。それで、OJT実施後、三十万円を事業主に対して支給するという常用雇用転換奨励金事業や、特定求職者雇用開発助成金等を支給して、常用雇用に向けてインセンティブを与えようとして頑張っているところでございます。
 以上でございます。
○山井委員 次に、尾辻大臣にお伺いしたいんですが、今衛藤副大臣から、さまざまな就労支援策を講じているというお話がございました。
 そして、前回の母子寡婦福祉法の改正のときには、こういう就労支援とかを講じるから、そのかわり児童扶養手当を一部減額したい、そういう法律であったわけなんですね。ところが、では、その法律が通って、今衛藤副大臣がおっしゃったような就労支援策を講じてその効果が出ているかどうか、これが今最大のポイントであると思います。
 そこで、私がお配りしておりますこの「母子世帯の母の現状について」という資料を見ていただきたいと思います。これは昨日厚生労働省につくっていただきました。
 まず就業率。平成五年の八七%から、平成十年の八四・九%、そして平成十五年の八三%というふうに、就業率は下がっていっているわけですね。かつ、今衛藤副大臣の答弁にもありましたように、ポイントとなる常用雇用に関しては、平成十年の五〇・七%から平成十五年の三九・二%へというふうに、またこれも大幅にダウンしております。
 当然、それに伴って、平均収入額も二百二十九万円から二百十二万円にダウン。
 そして、母子世帯のお母さんの失業率は八・五%から八・九%にアップ。
 生活保護の受給率は一〇・二%ですが、現場の方に聞くと、この一〇%と同じかそれ以上の方が、生活保護を受けずにそれ以下の生活をされている現状もあるという話も聞いております。
 また、この五番目、ここも非常に重要なわけですけれども、母子寡婦福祉法の改正の中で養育費をしっかりと取れる制度にするということにしたわけですけれども、実際、法が施行されてからも、養育費の受給率というのは、これは逆に二〇・八%から一七・七%にダウンしているわけです。
 つまり、尾辻大臣も冒頭におっしゃいましたように、母子世帯を取り巻く現状というのは軒並み厳しくなっているということなんですね。
 ここで、私、尾辻大臣にお伺いしたいのが、前回の母子寡婦福祉法のときには、こういう母子世帯の状況や就労支援の策がどのようにうまくいっているかということを勘案しながら、受給期間が五年を超える場合の手当の一部支給停止を行うということになっているわけです。この趣旨は、要は、就労支援や就業率がアップしなかったらなかなか一部支給停止というのはやはりできない、当然、就労率が上がって、仕事につけるようになって、それも常勤につけるようになったら児童扶養手当は下げましょうという話だったと思うんですけれども、今の現状を少なくとも見ていると、逆に悪くなっているわけですね。
 そういう意味では、やはりこの現状では一部支給停止というのは私は行うべきではないと思うんですが、尾辻大臣、いかがでしょうか。
○尾辻国務大臣 今お話しのとおりに、十四年の制度改正時の附帯決議で、法施行後における子育て・生活支援策、就労支援策、養育費確保策、経済的支援策等の進展状況及び離婚の状況などを十分踏まえてその後のことを考えろ、こういうふうに述べられております。
 そこで、今お話しのとおりでございまして、もっと申し上げますと、就労支援で私どもがやっております母子家庭等就業・自立支援センター事業、これの実施率が七一・六%でございます。あるいは自立支援教育訓練給付が、実施率、これは四一・〇%にしかすぎません。あるいはまた高等技能訓練促進費も三三・七%と低い数字でございます。
 したがいまして、私どもがまずしなきゃならないことは、母子家庭の就業、自立に向けた支援の、今申し上げたようなことのさらなる充実、活用をやらなきゃいけない、そして実績を積み上げていくことに全力を挙げたいと考えております。
 そして、お話のことにつきましては平成二十年度からの話でございますから、今、まず我々は全力を挙げたい、そしてその実績を見て二十年度からのことは、附帯決議にあるように、考えていかなきゃならぬ、こう考えております。
○山井委員 まさにそこが大事なところで、この一部停止というのは平成二十年度からの話でありますから、繰り返しになりますが、やはり、今後推移を見ていって、母子家庭を取り巻く現状が厳しくなっていったらそういう一部支給停止は行わないということで、ぜひとも考えていただきたいと思います。
 残された時間、数分でありますので、児童養護施設のことをちょっとお伺いしたいと思います。
 といいますのは、昨年末に尾辻厚生労働大臣、さまざまな事情で家庭にいられない、あるいは虐待された子供たちの児童養護施設等、グループホームを訪問されたということを聞きまして、また、そこで食事も一緒にお子さんたちとされたというふうに聞きました。本当にそういう現場を回ってこういう子供たちのことをしっかりと踏まえていただけるのはありがたいことだと思っているんですが、まず、その児童養護施設等、そういう小規模のグループホームに行かれた御感想をお伺いしたいと思います。
○尾辻国務大臣 先生よりのお話もございましたので、私もそうした子供たちのところに行ってみました。
 そして、まず感じましたことは、恐らく虐待などで非常に傷ついておるのでありましょうけれども、そして大人への信頼感も失った子供たちなんでしょうけれども、私に対して実に明るく、そして物おじもせずに接してくれたことを大変うれしく思いました。また、職員の皆さんの熱い思い、子供たちにかける思いというのも感じたところでございます。
 そうした中で、グループホームにも行きました。やはりそれは、先生いつも言っておられるように、よりグループホームの方が家庭的な感じがするのはもう当然でございまして、自分の家といった感覚で生活しているということは強く感じたところでございます。
○山井委員 大規模な五十人、百人の児童養護施設よりも、そういう虐待などで心が傷ついたお子さんたちにとっては、やはり家庭的なグループホームの方がいいのではないか、そういうことを尾辻大臣も感じていただけたのはありがたいんですけれども。
 例えば、皆さんにも知っていただこうと思って、こういうグループホーム。(写真を示す)民家じゃないかと。まさにそうなんですね。こういう民家なわけです。それで、その中のこういう個室で暮らしているわけなんですけれども、大規模な児童養護施設になると、どうしても四人部屋とかのこういう部屋になってしまう。
 そこで、尾辻大臣もそういうふうに思っていただいた割には、非常に申しわけありませんが、厚生労働省の政策がそれと違う方向に進んでいるというふうに私は言わざるを得ないと思います。
 三枚目の資料にもありますが、平成十六年十二月二十四日の少子化社会対策会議決定の中では、目標が、真ん中に「施設の小規模化の推進」ということで、二百九十九カ所が八百四十五カ所になっているんですね。
 何を言いたいかというと、その前年の目標では、大規模ではない小規模のグループホームを百カ所にふやすという単独の目標があったんです。ところが、ことし、それが消えてしまって、後退していっているわけなんですよね。やはりここは、改めてグループホームを、先ほど尾辻大臣も行って家庭的でよかったと評価されるのであれば、施設内のグループホームというのはやはりユニットケアにすぎないわけですから、単独型のグループホームというものを数値目標を入れて整備すべきではないかということ。
 時間にも限りがありますので、もう一つ加えてお聞きしますと、ではこれをどうやったらふやしていけるかということに関しては、古くなった大規模施設を改築するときに、例えば五十人規模の児童養護施設でしたら三十は残す、今までの児童養護施設で新築する。でも、残り二十人分は五人規模のグループホームを四つする。そうしたらトータル五十で変わりませんよね。こういう改築の仕方も当然あっていいと思うんですよね。
 ところが、今の厚生労働省の制度では、こういうやり方では運営費がきっちりグループホームに出ないということになっております。このことに関しても、ぜひともこういう改築の際には、その定員の数の分、グループホームに分けてもそのグループホームの運営費がしっかり出ていくというふうにして推進を図っていただきたいと思います。尾辻大臣、いかがでしょうか。
○尾辻国務大臣 大きく、小規模化するということについてはおっしゃるとおりでありまして、私どももぜひ進めたいというふうに考えております。
 ただ、今先生が言っておられるのは、小規模の施設、単独のものと、大きな施設の中の一部といったらどうなのかわかりませんが、その先にある小規模の施設という、このどっちがという話でございます。
 私どもは、大きく小規模化を進めたいために、今のところ、この二つを余り区別せずに、どっちであれ小規模化が進むことがいいということで進めておるということを御理解いただきたいと思うんです。そして、余りこんなときに金目の話をしてもと思いますけれども、率直な話をさせていただくと、どうしてもそこの差ができるというようなこともあるものですから、大きく進めるために、今私どもが申し上げているようなことをまずお願いしているというところでございます。
○山井委員 そこなんですが、くしくも尾辻大臣の口からも金目のということが出ました。わかりやすく言うと、グループホーム単独型がいいのはわかっているけれどもお金がかかるという趣旨ではないかと思うんですが、私もこのことを、正直言って過去三年間、毎年実は取り上げております。
 なぜこだわっているのかというと、尾辻大臣も行かれてわかるかと思いますが、やはり、大規模な施設と民家のグループホームというのは、虐待などで心傷ついた子供たちにとって居心地が全然違うんです。半年、一年じゃないんですよ、そこに十年、十五年暮らすんです。
 ある施設を出た女の子が、大規模な施設を出て自立した後結婚して、残念ながら離婚をされました。その女の子の話を聞いたことがあるんですけれども、なぜ結婚生活がうまくいかなかったかというと、自分は家庭というものがわからなかった、三歳のときからずっと大規模な施設にいた、家庭というものがわからなかったからいい家庭が築けなかったと言っているんですね。虐待やそういうことで傷ついて、さらに家庭というものを十分に知らずに育った、やはりこれは、私は社会の責任だと思うんですね。
 それと、大きな施設よりも子供にとってはグループホームの方がいいということは、グループホームの子供も断言していますし、また、職員の方も明らかにいいということを断言しているんですね。やはり、そういう傷ついた子供たちに社会が温かく手を差し伸べるという意味でも、多少それは高くつくかもしれないけれども、このことはきっちり数値目標をつくって、単独型のグループホームなり、改築の際にグループホームがふえるようにやっていっていただきたいと思います。
 例えば、ある大きな施設とグループホームがあるところでは、大きな施設の中からグループホームに子供が移った、そうしたら、その大きな施設の子供はグループホームを訪問することを禁止しているんですよ。何でか御存じですか。大きな施設の子供がグループホームを訪問したら、そっちの方が居心地がいいとわかってしまう。そうしたら、何で私はそっちへ行けないのということで、やはり納得いかない。だから、その施設では絶対にグループホームには大規模な施設の子供を行かせないようにしているわけなんですよね。
 最後になりますけれども、世界の先進国で、虐待された子供を十年も十五年も大規模な施設に入れて育てている国はないんです。日本しかないんです。そういう転換を厚生労働省も、目標値をつくって進めようとされていたわけですから、ぜひともその方向性を今後も堅持していただきたいと思います。
 もう時間が来ましたので、これで終わりにいたします。よろしくお願いします。

Posted at 2005年03月09日 12:00 | TrackBack
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私も母子家庭です。生活は、厳しいです。仕事採用も厳しいです。別れた旦那は養育費を放棄し何度と要給しましたが払えないと言われ好き勝手に遊んでます。仕事は派遣なので自分だけの収入では月14万のみで生活しています。児童扶養手当が無くなったらどうやって生活していけばよいか解りません。それから、現実偽装離婚で扶養手当を貰ってる人も多いと聞きます。理不尽な現実でるよね。

Posted by: 箕浦峰子 at 2006年05月11日 11:42
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