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2006年9月

やまのい和則国会ニュース第93号

遅くなりましたが、民主号外やまのい和則国会ニュースの原稿をアップします。
今回カラーのため、データが大きくなっています。

・1ページ(pdf:2023KB)
・2~3ページ(pdf:1852KB)
・4ページ(pdf:384KB)

Posted at 2006年09月12日 固有リンク | Comments (0) | TrackBack

2006年9月

2006年9月

スウェーデン視察報告(メルマガ854号より抜粋編集)

 1週間、駆け足でスウェーデンに行ってきました。
 年金改革と雇用問題の調査。
 さらに、9月17日はスウェーデンで4年に一度の総選挙(統一自治体選挙も同日選挙!)の投票日なので、その視察です。
 書きたいことは山ほどありますが、かれこれ24時間くらい 寝ていないので、今日は簡単に書きます。

 まず、今回のスウェーデンの総選挙の争点は、雇用と失業問題。

 失業率は4%です。しかし、職業訓練などを受けている人も入れると本当は10%近い失業率と言われています。 特に、若者の失業率はその2倍くらい。
 「完全雇用」「福祉=雇用」を最大の政治目標としているスウェーデンとしては、厳しい状況。

 与党である社民党も野党である保守党も「雇用を増やす!」を、今回の選挙の最大の公約にしています。
 多少の違いは、社民党は「正規雇用の拡大」「正規雇用は労働者の権利であり、非正規雇用(パートなど)は、選択肢である」と述べているのに対し、保守党は、非正規雇用の拡大も国際競争力上、やむを得ないと訴え、また、法人税の減税を訴えています。
 社民党は「雇用を増やす」と言いながらも、財源は不明確です。かたや保守党も「減税するが、雇用は増やす。教育予算も増やす」と、こちらも財源が不明確。

 もう1つの選挙の争点は、失業・雇用問題と共に、「正規雇用の仕事をいかに増やすか」です。スウェーデンでも 人材派遣や請負(プロジェクト雇用と呼ばれる)が増えて、非正規雇用の増加が 問題になっているのです。
 この点は、日本と似ていると感じました。

 最近の世論調査では、保守党は3%くらい社民党をリードし、9月17日には、8年ぶりに政権交代が起こるかもしれません。
 社民党のヨーラン首相から、保守党のフェルト首相(なんと41歳、私よりも3歳も年下)に変わるかもしれません。

 私がスウェーデンに留学していた12年前、1994年に保守党が政権を奪取。当時41歳の、カール・ビルトが首相に就任。私もカール首相に直接インタビューしましたが、「EUに加盟すれば、福祉国家は機能しない!」と。
 しかし、1998年には またヨーラン・パーション議員率いる 社民党が政権を奪回。そして、8年経って、今回、また、保守党が僅差ながら、政権を奪回しようとしています。

 街には、公営の選挙小屋が立ち並び、その前で各党の支持者や議員が、買い物客などにパンフやチラシを配り、政策を訴えています。
 スウェーデンは、比例代表選挙なので、原則として個人でなく、政党に投票するのです。日本のように候補者の名前を連呼したり、候補者が個人事務所を持つことはありません。
 選挙は、政策論争なのです。

 選挙戦は非常に盛り上がり、各選挙小屋の前では活発な政策論議。
 そして、高校生などもグループの宿題で、夕方に各事務所を訪問し、政策を聞いてまわっています。

 書き出せばキリがありません。詳しくは、以前拙著 に書きました。

  「スウェーデン発 高齢社会と地方分権 福祉の主役は市町村」
  (斉藤弥生・山井和則著、ミネルバ書房、1994年)

 私が一番うらやましかったのは、政権交代可能な選挙で、「緊張感!」が街にあふれていることです。
 私としては、社民党が勝とうが 保守党が勝とうが、外国の話で直接は関係ありません。 しかし、スウェーデン国民の一票で、政権が変わり、政策も変わる! これこそ民主主義! と、私は感じました。
 日本でも このように政権交代が現実のものとなり、国民の一票で政権が変わる緊張感と 緊迫感のある政治を実現したいです。
  時差ボケなので、そろそろ寝ます(今は4日深夜1時)。

 私がスウェーデン語を学んだのは 今から12年前、2年間、スウェーデンに留学していました。
  あれから12年も経ちましたが、なぜか、今でも政治論議だけは 私の下手な片言のスウェーデン語でも、多少は通じるのです。それが嬉しかったです。

Posted at 2006年09月05日 固有リンク | Comments (1) | TrackBack

2006年9月