6月27日に開かれた全国介護保険担当課長会議の資料が、wam-netに掲載されています。
障害者自立支援法への対応について、民主党として経緯と今後の方針を説明する文書が発表されたので、アップします。
・MS-Word形式(37KB)
・pdf形式(27KB)
以下に、本文をテキスト化したものを掲載します。
「障害者自立支援法案」に対する民主党の対応について
民主党が、障害者自立支援法案に関する与党との修正協議を継続することを断念したことに対し、全国から数多くの声が寄せられました。一部に若干の誤解も含まれておりますので、改めてこの間の経緯と今後の方針をご説明致します。
昨年10月に厚生労働省より「今後の障害保健福祉施策について(改革のグランドデザイン案)」が発表されて以来、党の障害者政策WTや厚生労働部門会議、議員団との懇談会などを通じて、障害者の皆様とは繰り返し意見交換・情報交換を行って参りました。この間のご協力に対しまして、改めて心より感謝を申し上げます。こうした皆様方との意見交換に加え、衆議院厚生労働委員会で行われた参考人質疑での障害者団体の意見を踏まえ、民主党は6月9日に「障害者自立支援法案」の骨格部分を含む9項目の修正要求を、与党に対して行いました。その内容は【別紙1】の通りでありますが、民主党としては何より同法案によって障害者の負担が過重となり、実質的なサービス抑制が生じないこと、少なくとも支援費制度を含む現行サービス水準の低下を招かないことを最重点として、与党との協議に臨むことと致しました。
これに対する与党回答は【別紙2】の通りであります。同法案の審議開始より既に2ヶ月を経過して法案の問題点も明らかになり、与党内からも「修正が必要」との意見がある法案にもかかわらず、実質的な「ゼロ回答」です。障害者等の実質的な負担軽減に係わる部分については、「修正には応じられない」「法案修正の必要はない」「法案修正にはなじまない」と明確な拒否を、与党は通告してきました。民主党としては、この与党回答を受けて、協議を継続する意味は乏しいと考え、6月22日をもって与党との協議を打ち切る決断を致しました。
一方で、民主党は与党との協議と並行して、厚生労働省とも協議を行っていました。同法案は抽象的な規定が多く、政省令(国会の議決を必要とせず、政府内で決めることのできる細目)が実質的に障害者の皆さんの生活を左右しかねないため、この政省令の内容について確認し、またできる限り負担が軽減できるように、行ってきたものです。民主党としては、法案修正を与党が拒否する以上、法案の修正は断念するとしても、この政省令の確認、方向性の改善については党を挙げて取り組んでいくことを決定しました。
ところが、民主党のこの決定を受けて、翌日、自民党・公明党(=与党)の衆院厚生労働委員会理事が揃って会見を行い、声明を発表しました。その内容は極めて異例なものであり、民主党が修正協議を断念したことについて、「まことに遺憾である」「修正協議打ち切りの決定を即刻撤回し、与党との協議を継続すべきである」としています。これは明らかに責任転嫁です。与党は、政府と一体となって万全の法案を国会に提出すべきであり、法案に問題があるなら、提出前に修正すべきは当然です。それにもかかわらず、与党が修正協議を求めるということは、自ら法案の欠陥を認めたも同然です。これを野党の責任というのは、滑稽でさえあります。百歩譲って、仮に修正協議を再開するとしても、まずは与党が欠陥法案を提出したことを関係者に陳謝し、その上で与党が考える修正案を示した上で、民主党に対して協議再開を求めることが筋だと考えます。ゼロ回答のままで「修正協議を再開せよ」というのでは、再開できるはずがありません。
加えて、厚生労働省は修正協議断念を受けて、民主党と厚生労働省の間の政省令に関する協議の打ち切りを通告してきました。国会の場において、法案の不透明な部分を確認することは当然であり、その前段階において「より障害者の立場に立った内容とすべきではないか」と国民の声を反映させることは、国民の代表としての国会議員の責務であります。厚労省は、この国会議員の責務さえも拒否し、障害者の皆さんの生活を実質的に左右する政省令を、独善的に決めていくと宣言したのです。
民主党は、障害者の方々のご協力を得て、昨秋より数え切れないほどの意見交換を行って参りました。この経緯を通じて、まず何より本法案に関する議論が余りにも不十分であることを痛感しています。その上で、本法案には、所得保障もなしに定率負担を導入すること、現行の障害者福祉サービスの水準低下に繋がりかねないことなど、極めて重大な問題があります。民主党の修正要求にゼロ回答を突きつけることによって、この問題を放置しようとする与党の姿勢には、強い憤りを感じています。
国会における「障害者自立支援法案」の審議は、まだ行われる見通しです。民主党としては、与党自らが認める欠陥法案ですので、十分な慎重審議を求めていくと共に、その中で政省令の具体化、内容の改善について全力で取り組んで参ります。
その上で、次期総選挙では政権を獲得し、国際的に見て低い障害者福祉水準の見直し、谷間のない総合的障害者福祉制度の確立に取り組んで参ります。引き続いてのご支援・ご協力を、是非ともお願い申し上げます。
さて、今朝の衆議院厚生労働委員会理事会での障害者自立支援法案の審議見通しについて、取り急ぎ報告します。
今日午後の建設労働者雇用改善法案の採決の後、7月1日(金)は、厚生労働委員会の定例日ですので、障害者自立支援法案の審議に戻るのか、あるいは、労働安全衛生法案の審議に移るのかが焦点でした。
自立支援法の審議に戻るなら、採決も間近ということになります。
結論を言えば、7月1日は定例日ですので委員会は開く方向ですが、具体的に自立支援法か労働安全衛生法を審議するかは、明日6月30日の午後にに理事懇談会を開いて決めるということになりました。
以上は、決まったことで、以下、私の見通しを書きます。
通常は、水曜日の理事会で金曜日の審議の予定を決めます。なぜ、それを与党は決めず、明日に先送りしたのでしょうか。普通に考えれば、金曜日には審議途中である自立支援法の審議に戻る可能性が高いのです。
理由としては、次の3つが考えられます(単なる私の推測ですが)。
まず、郵政民営化法案の委員会採決が間近に予想され、それにより国会が明日か明後日、混乱、空転する可能性があるので、金曜日の予定がまだ立てにくい。
次に、7月1日は都会議員選挙の投票日の2日前で、開かない委員会も多い中で、厚生労働委員会を開くのかという問題。
三つ目は、7月1日に自立支援法の審議に戻って、来週に自立支援法を採決する見通しが立ちにくい。
ただ、7月1日から自立支援法の審議に戻る可能性もあるので、その場合の見通しを書きます。
自立支援法はすでに19.5時間の審議を終えています。与党はおそらく30時間くらいの審議で採決を求めてくると予想されるので、委員会審議は1日平均5時間くらいなので、あと2,3日の審議で採決。つまり、採決の可能性がある日は、7月6日(水)か7月8日(金)となります。
ただし、不確定要素は、郵政民営化法案です。この法案の採決で来週、国会が混乱すれば、また混乱、数日空転して、採決が延びる可能性もあります。
このような状況ですが、障害者の方々の法案への危機感、不安は高まるばかりです。自立支援法案の審議入りからすでに1ヵ月半が経っているのに、法案の肝心な点がまだまだサッパリわかりません。
6月8日に民主党は、「修正協議を求める9つの事項」を与党に申し入れました。
1.法の目的、2.定率負担の凍結・所得保障、3.移動の保障、4.「自立支援医療」の凍結、5.重度障害者の長時間介護サービスの保障、6.居住支援サービスの水準確保、7.本人の意見聴取、8.対象拡大及び障害定義の見直し、9.権利擁護に係わる制度の確立 です。
しかし、去る21日に返ってきた与党の回答では、ほとんどがゼロ回答でした。
言うまでもなくこの法案は、多くの障害者の生活、人生、命を左右する法案です。にもかかわらず、採決間近になっても、まだこのような根本的な問題が明らかになっていないとは、いったいどういうことでしょうか?
十分な慎重審議と大幅な修正なくして、法案を成立させることはできません。遅かれ早かれ審議は再開されると思います。
障害者の方々の切実な声を修正に生かすため、また、その声が受け入れられないなら法案成立の阻止も辞さないという思いで、粘り強く頑張ります。
162-衆-厚生労働委員会-30号 平成17年06月29日
建設労働者の雇用の改善等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第三七号)
◇建設労働者が置かれている現状の認識
◇改正により、建設労働者の雇用状況、労働環境は改善するのか
◇建設労働と人材派遣について
◇労災隠しについて
◇技能労働者の人材育成について
◇建設国保について
○鴨下委員長 次に、山井和則君。
○山井委員 これから三十分間質問をさせていただきます。
今、一時間、同僚の小林議員がすばらしい質問をしてくださいましたが、本当にこの法改正は、ただでさえ今までから雇用が不安定で、また非常に労働条件が悪い中で働かされていた建設労働者の雇用改善が、ますます責任が不明確になるのではないかという危惧を持っております。そういう視点から、尾辻大臣と衛藤副大臣に質問をさせていただきたいと思います。
公共事業の減少、そして住宅産業というものの低迷もある中で、本当に建設労働者の雇用を取り巻く環境はますます厳しくなっております。東京や愛知では一部景気が回復していると言われておりますが、私の地元である京都南部でも非常に厳しい状況が続いておりまして、そんな中で、仕事にありつけても、賃金の不払いや単価の切り下げ、そういう厳しい状況が続いております。
私もよく、朝、駅前で街頭演説とかしているんですけれども、十年ぐらい前ですか、そのころはたくさん、京都南部から大阪に行く建設労働者のトラックが、朝八時ごろは、どんどんどんどん引きも切らず走っていた。ところが最近では本当に見なくなってしまったわけですね。
私は児童虐待の問題なども今までから取り組んでおりますが、いろいろそういう相談にも乗らせてもらいますと、何が引き金になったのかというと、結局は、一家の大黒柱であったお父さんの仕事がなくなってしまった、それがきっかけで非常に家庭的にも不安定になった。それで、最近ふえている相談は、お子さんが大学に進学できないという相談、あるいは、もっと言えば、親が仕事がなくなったという家庭の苦しさを見るに見かねて、子供が勝手に高校をやめてしまう、そして、高校をやめて、もう家計を支えるために働きに行くわと言い出す、そういうふうな非常に厳しい状況が、特に建設労働者の方々の間では深刻化していると思います。
また、もう一つ、私は心に深く思っておりますのは、ホームレス自立支援法案というのを、私、与野党の方々と協議して、つくるお手伝いをさせてもらったんですけれども、それで釜ケ崎や山谷、いろいろなところに行っても、いろいろな方の話を聞いたら、やはりもともと建設現場で働いておられた、その方々が、病気をきっかけになかなか仕事にありつけなくなっている。先ほど小林議員もおっしゃっておられましたけれども、五十を過ぎたらなかなかやり直しというのは、本当に厳しい状況になってくるわけです。
そういうホームレスの方々のお話をお聞きしても、もともとは、万博の工事をやったとか大きな発電所の工事をやったとか、輝かしい日本産業あるいは日本の発展のために寄与されてきた方々が非常に多いわけです。そういう意味では、そういう日本の社会を支えてこられた方々が、これからも働き続けられ、また誇るべき日本建築の伝統を継承する、そういう若い建設労働者がこれからもしっかりと熟練の労働者として育成されていくようにせねばならないと思っております。
そういうふうなことを考えるにつけ、小林議員の質問と多少重なったり、また引き継いでとなりますが、今まで悪質ブローカーによって、あるいは口きき屋によって行われていたことが、今回の法案によって合法化されるのではないか、またそういう拍車がかかるのではないかという大きな懸念を持っております。
最初に尾辻大臣にお伺いをしたいと思います。
このような日本の建設労働者が置かれている現状について、大臣はどのように御認識でしょうか。
○尾辻国務大臣 地域格差などがありますことは、きょうも御指摘いただいたりいたしておりますけれども、総じて言いますと、全産業について、経済状況は改善傾向で推移しておると思います。
ただ、そうした中であっても、建設業について見ますと、これは、バブル崩壊以降の民間投資の減少と近年の公共投資の削減の動き等を背景といたしまして、今なお厳しい状況にあると認識をいたしておるところでございます。
数字は、先ほど小林先生がお述べになった数字そのものでございますけれども、特に建設投資が、平成二年に八十五兆円でピークを迎えました以降、平成十六年には五十三兆円となっておりますので、ピーク時と比較しますと四〇%減少をいたしております。それに対して、建設業の労働者の数は、平成九年の六百八十五万人と比較いたしますと、平成十六年は五百八十四万人でございますから、約一五%の減少にとどまっております。仕事はうんと減っておるけれども労働者の数はそんなに減っていない、このことが極めて象徴的に建設業界を物語っておるというふうに存じます。
したがいまして、労働者をめぐる雇用環境は依然として厳しいものがございますし、当然のこととして、建設労働者の賃金水準についても低下傾向にあります。こうした建設労働者をめぐる現状については、極めて厳しい状況にあるというふうに考えておるところでございます。
○山井委員 尾辻大臣から、厳しい状況に置かれているという御答弁がありました。
そこで、尾辻大臣にもう一つ続けてお伺いしたいんですが、問題は、小林議員の質問にもありましたように、今回の法改正によって、ますます責任体制が不明確になって、制度が複雑化するのではないかという危惧を私たちは持っております。また、派遣に対する突破口、解禁につながるのではないかという危機感を持っているんです。シンプルな質問ですが、今回の法改正によって、本当にそういう厳しい状況に置かれている建設労働者の雇用状況、労働環境はよくなるんですか。
○尾辻国務大臣 厳しい状況にありますから、できるだけ改善をする方策をとらなきゃいけないというふうに考えておりまして、先ほどトータルプランのお話もいたしました、予算措置もいたしました、それから、法改正もしなきゃいけないということで今度のお願いをいたしております。
ただいまの御質問にお答え申し上げますと、私どもは、こうした厳しい状況を、すべての皆さんとはもちろんいきませんけれども、少なくとも一部の皆さんに対して改善をする方策だ、そのための法律だというふうに考えております。
○山井委員 これは、五百八十万人の労働者の方がおられて、この法案の対象になるのは二万数千人足らずというふうにも予測されているわけですけれども、本当に雇用改善をしていくために、もっと大きな抜本的な取り組みが必要でありますし、逆に、私は、この法改正がますます労働者の置かれている環境を悪くしてしまうのではないかというふうに心配をしております。
そこで、衛藤副大臣にお伺いしたいんですが、建設事業主団体は建設事業主を主たる構成員とする社団法人等としておりますけれども、この構成員として人材派遣業者等が入ることはあり得ますか。また、この事業への参加は建設業許可の取得を明記しているわけですけれども、当然、人材派遣業者の参入を排除すべきであると考えますが、いかがでしょうか。
○衛藤副大臣 実施計画の認定を受けることができる建設業の事業主団体につきましては、厚生労働省令におきまして、構成員の一定の割合が建設事業であるものに限定するものというぐあいに考えています。
さらに、仮に実施計画の認定を受けた事業主団体の構成員に人材派遣業者がいたとしても、送り出し事業主または受け入れ事業主となれる構成員は、建設事業を適正に実施している事業主に限ることとしておりまして、人材派遣業者は建設業務労働者就業機会確保事業を利用することはできないものであります。
○山井委員 続いて衛藤副大臣にお伺いしますが、これは先ほどの小林議員の質問とも多少重なるんですけれども、建設業務労働者就業機会確保事業では、送り出される常用労働者は送り出し元の常用労働者としての地位が守られるということでよろしいですか。先ほどの答弁では、適切に指導とかそういう答弁であったように思うんですけれども、建設業法や労働安全衛生法に規定された元請責任、使用者責任を法律に明記すべきだと考えますが、いかがでしょうか。
例えば、現場の方の話を聞くと、いろいろなところから一つの仕事場に行く、そうしたらもともとの給料が違ったりして、本当にそれでうまくやっていけるのか。例えば、給料が多少違ったら、おまえ、たくさん給料もらっているんだからもっと働けよとか、そういうふうなことに、ただでさえ人間関係をきっちりやるのが難しいところに、ますますそういう難しさも入ってくるんではないかというような現場の方々の不安もあるわけなんですけれども、その点、衛藤副大臣、いかがでしょうか。
○衛藤副大臣 送り出し労働者は、送り出し事業主との雇用関係を維持しながら受け入れ事業主のもとで就業するということでございますので、送り出し事業主の常用労働者としての地位は、送り出し期間中も変更されるものではありません。
また、送り出し終了後においても、送り出し労働者を戻ってきた際に解雇することは、経営上やむを得ないと考えられる場合もあり得ますけれども、基本的には、送り出し前に雇用し、送り出し終了後に解雇するような場合には、制度の趣旨に反するものでありまして、悪質なブローカーの温床となることが懸念されているため、指針等におきまして送り出し終了を理由に解雇してはならない旨を定めるということを検討しております。これらの指針等に基づいて、適切に指導してまいりたいというぐあいに思っています。
なお、そのような運用をした者に対しましては、実施計画の認定を取り消すとか、あるいは建設業務労働者就業機会確保事業の許可を失効させるなど、適切に対処してまいりたいというふうに思っております。
さらに、建設業における元請責任につきましては、建設業の関係労使が参画する労働政策審議会の議論において、労働基準法上の災害補償責任については受け入れ事業主の元請事業主に責任を負わせるべきとの意見がありまして、特例を設けたところであります。
また、労働安全衛生法については、元請事業主の果たすべき責任に関する規定が設けられており、この中で送り出し労働者をも含めた安全衛生管理体制の確立が図られるものというぐあいに考えています。
○山井委員 今答弁をお聞きしましたが、そういう中でも、実質上は非常に雇用関係が不明確になって、ますます無責任になっていくということはこれは明らかなわけでありまして、そこで一つ、例えば労災隠しについてお伺いしたいと思います。
現状でさえ労災隠しが非常にふえているという指摘が現場からあるわけですね。事故が起こっても、ゼネコンとかに言ったら業者から外されてしまう。そういう中で、自分の健康保険でとにかく処理しておいてくれと。ちょっとしたけがだったらそれでもいいかもしれないですけれども……(発言する者あり)よくないんですよ、ちょっとしたけがでもよくないんです。よくないんですけれども、本当に、長期的に障害が残る場合とかだったらこれは大変なことになってしまって、この労災隠し、今でも大問題なのに、それがますますこういう複雑な制度にすると問題になっていくんではないかというふうに思うわけです。
そこで、まず、この労災隠しの現状について厚生労働省はどう認識されていますか。
○衛藤副大臣 労災隠しにつきましては、労働災害の発生事実を隠ぺいするために、故意に労働安全衛生法に基づく労働者死傷病報告を所轄労働基準監督署長に提出しない、あるいは虚偽の内容を記載したものを提出するというようなものでございます。
その場合には、労働安全衛生法違反の罪に該当するのでありますけれども、その送検件数については、平成十五年、百三十二件というぐあいに増加傾向になっております。そのうち建設業の関係が約百件を占めているところでございますので、委員御指摘のとおり、この心配について、我々も同様に心配している、そのような現状でございます。
○山井委員 いや、まさにそれは氷山の一角で、本当に多くの労災が隠されてしまっていると思うんですが、問題は、この法改正により使用者責任がより不明確になり、労災隠しに拍車がかかるのではないかという強い不安があります。今後どのように労災隠しをなくそうと考えておられるんですか。
○衛藤副大臣 送り出し労働者に関する使用者責任につきましては、雇用関係にあることに着目いたしまして送り出し事業主が負うものと、それから指揮命令関係に着目し受け入れ事業主が負うものとがありますけれども、いずれも法令の規定により明確に区分されているところであります。
また、建設業の関係労使が参画する労働政策審議会の議論におきまして、建設業では安全衛生など広く元請事業主が責任を負うこととなっていることを踏まえまして、送り出し労働者に係る災害補償責任については受け入れ事業主またはその元請事業主に責任を負わせるべきとの意見があり、改正法にはそのような特例を設けたところでありまして、責任関係は実態に即して明確にされています。
労災隠しにつきましては、これまでにもその防止を図ってきたところでありますけれども、送り出し労働者についても労災隠しが行われないよう、周知徹底、啓発を図るとともに、適切に指導してまいる所存であります。
○山井委員 これ以上このことについて議論はしませんが、やはりこれはもっと根本的な問題、結局、現場の方も労災が起こっても上に上げることができないという、この構造を私は変えていかねばならないと思っております。
そこで、これも小林議員の質問に続くんですが、やはり、この就業機会確保事業が労働者の派遣の解禁につながるのではないか、そのおそれがあるということが現場の一番の不安であります。きょうの朝も、中根議員から、愛知の地元の方からも非常にこの不安の声が上がっているという話を聞かされました。先ほどの小林議員の質問にありましたように、労働者派遣法に準ずる規定ぶりになっている点もあるわけであります。
そういう意味で、先ほど尾辻大臣と青木局長からそれに関する答弁がありましたが、尾辻大臣の方から、派遣解禁につながるものではないということをきっちりと答弁していただきたいと思います。現場としては、これが解禁になると壊滅的な打撃を受けるという非常に大きな不安感が出ておりますし、実際、メディアでは派遣への解禁の第一歩ということが報じられているわけですね。大臣いかがでしょうか。
○尾辻国務大臣 改めて申し上げます。
今回の法改正で導入いたしますところの事業でございますけれども、この事業は、建設事業主が一時的に余剰となった労働者を同一の事業主団体に属する他の建設事業主に送り出すことにより、その雇用を維持し、雇用の安定を図ろうとするものでございます。
したがいまして、このために、事業主団体において実施計画を作成し、厚生労働大臣の認定を受ける必要がありますし、また、一時的に余剰となる常用労働者の雇用の安定を図る範囲内でのみ実施可能といたすことといたしておりますし、また、送り出しを専門とする事業主、送り出しのみに従事する労働者は認められないということも定めておりますし、さらにまた、労働者の送り出し先は実施計画にあらかじめ記載された同一の事業主団体の構成事業主に限られること、こういったような実施要件が定められておるところでございます。
このように、労働力の需給調整を図ることを目的とし、専ら他の事業主に派遣するために派遣労働者を雇用することを認めておる労働者派遣事業とは、趣旨、規制の態様が異なるものでございます。
改めて申し上げますけれども、派遣ではございません。
○山井委員 実質的に口ききや悪質ブローカーの存在を合法化して拍車をかけるのではないかという懸念がぬぐい去れないわけであります。
そこで、改めて尾辻大臣にお伺いしたいと思いますが、そもそも建設労働者の派遣事業の導入はだめとなっておりまして、なぜ労働者派遣事業の適用除外業務となっているのか、その趣旨を改めて尾辻大臣からここで御説明いただきたいと思います。
○尾辻国務大臣 建設業務に係りますところの労働者派遣事業は、労働者派遣法によって禁止されておるところでございます。
これは、建設業が重層的な下請関係により作業が行われる実態にありまして、こうした状況のもとで建設業務において労働者派遣事業が行われる場合には、雇用関係の不明確化を招き、建設労働者の雇用の改善等に関する法律により行われている雇用関係の明確化や雇用管理の近代化等雇用改善の取り組みを損なうということがございますし、さらに、労働者に対する不当な支配や中間搾取等の弊害を生ずるおそれがあるということが理由でございます。
○山井委員 まさに、そこで今問題点として指摘されていることが今回の法改正により拍車がかかるんではないか、まさにそういう懸念を私たちは持っているわけであります。これについては後ほど同僚議員からもさらに指摘があると思いますので、次の質問に移らせていただきます。
一つ現場の方々がおっしゃっているのが、世界に誇る日本建築の伝統継承がうまくいかなくなっている、最近では若手の熟練技能労働者の教育が難しくなっている。ますますこの法改正というのはそういう建設労働者の不安定さを増して、現場で時間をかけてじっくり技術指導することも難しくなるんではないか。本当はしっかりと時間をかけて一人前の建設労働者になりたいという思いは強いけれども、こういう不安定な労働の中ではそういう人が育っていかない。これは日本の建設労働の現場にとって非常に深刻な、中長期的な大問題でもあると思っております。
そこで、この点の教育訓練や建設雇用改善助成金の諸制度の改善が必要と考えるが、いかがでしょうか。また、手続の簡素化が必要と考えますが、いかがでしょうか。
○衛藤副大臣 建設業におきましては、技能労働者の高齢化が著しくなっています。そういう中で、若年労働者に対する教育訓練の推進が難しくなっているという、共通の認識をしている次第でございます。
厚生労働省といたしましては、技能労働者の育成のために、長期間の公共職業訓練等を実施しており、さらに、事業主等がその雇用する労働者に対して実施する教育訓練について、建設雇用改善助成金を中心とした助成措置を講じているところでございます。
今後とも、建設業の労使の意見を聞きながら、この建設雇用改善助成金の見直しを進めてまいりたいと思います。
また、簡素化につきましても、適宜見直しを行っているところでございますが、今後とも、利用者の意見を伺いながら、可能な限り見直しを行ってまいりたいというように考えております。
○山井委員 この法案に対する不安の中に、要は建設事業主団体がどのようなものになるか、そういう不安もあります。まず、各都道府県建設業協会などの社団法人、次に事業協同組合及び協同組合連合会のうち一定の要件を満たすもの、三つ目に、適正な事業運営を確保するための厳格な要件を満たす任意団体が含まれることになっています。
衛藤副大臣にこれもお伺いしたいんですけれども、問題は、果たしてどこまで社会的信頼度が担保できるのか。先ほどの答弁にもありましたが、悪質なブローカーが入らないようにするということですけれども、小林議員の質問の続きにもなるんですけれども、そこをどうやって担保するのか、そのことについて衛藤副大臣にお伺いしたいと思います。
○衛藤副大臣 労働者の就業機会確保事業につきまして、いかに中間搾取等の防止を図るのか、その担保をしていくのかということでございますけれども、やはり、許可を受けるに際しましては、建設業の労使等から成ります審議会の審査を経ることとする、あるいは不適格者の排除をちゃんと行う、あるいは当該事業主団体のみで労働者を送り出すことはできる、いわば、又の関係をつくらないとか、あるいは常用雇用されている者に限定するとかいうぐあいにしてまいりたいと思います。
また、都道府県の労働局に担当者を配置いたしまして指導監督を行う、あるいは定期的に事業報告を聴取する、それから都道府県労働局におきまして労働者や関係事業主から申告や相談を受けるなどいたしまして、需給調整システムの運用の適正化を図る等をやっていきたいというぐあいに考えている次第でございます。
○山井委員 ここのところをやはりきっちりやっていかないと、まさに中間搾取がますます横行してしまうということになりますので、ここはきっちりやっていただきたいと思います。
そして、また衛藤副大臣にお伺いしたいと思います。そもそも、送り出しされる労働者の賃金や労働条件はどのように決定されるのか、そして送り出し先は労働者が選択することができるのか、このことについてお伺いしたいと思います。
○衛藤副大臣 送り出し労働者は、送り出し事業主との雇用関係を維持しながら受け入れ事業主のもとで就業するということでございますので、送り出し事業主との間で締結している労働契約等におきまして賃金や労働時間等の労働条件が定められています。したがって、送り出し期間中の就業に係る送り出し労働者の賃金は、送り出し事業主から支払われるわけであります。
また、送り出し事業主が自己の雇用する労働者を送り出し労働者とするためには、当該労働者の個別の同意を得なければならない、そしてその同意の内容につきましても、送り出し先を限定した同意も可能であるということから、送り出し先を労働者が選択することも可能である。
なお、厚生労働省令におきまして、同意は文書によるものとする旨規定しようというぐあいに考えているところでございます。
○山井委員 時間が残りわずかになってきましたので、尾辻大臣にあと二問ほど聞かせていただきたいと思うんですが、一問は、先ほどの労災隠しに関係することであります。
これは労働安全衛生法、今後審議されるものとも関係してくるかもしれないんですけれども、これは質問通告はしておりませんが、ぜひとも尾辻大臣の御決意を、やはりこういう労災隠しというのは建設労働の現場においては非常に深刻な問題でありますし、また、そこをきっちり取り締まっていくのが厚生労働省の責任であると思いますが、こういう労災隠しをなくすために最大限努力する、そういう大臣の御決意をお聞かせ願いたいと思います。
○尾辻国務大臣 先ほどお答え申し上げましたように、労働安全衛生法違反に該当するものというのは、平成十五年、百三十二件でございまして、増加傾向にございます。こうしたことは私どもとしては排除をしなきゃならない最大の課題だと考えておりますので、お話しいただきましたように、労災隠しをなくすべく、最大限、全力を尽くしてまいります。
○山井委員 時間が来ましたので、最後に、また質問と要望になりますが、建設国保についてお伺いしたいと思います。
やはり、こういう非常に不安定な条件の中で、また厳しい労働条件の中で働いておられる建設労働者の方々にとって、せめて病気になったときぐらい安心して医療にかかることができる組合方式というのは、非常に重要な役割を果たしておるわけであります。このことに関して、要望になりますが、来年度の建設国保への国庫補助についても、ぜひとも従来水準を確保していただきたいというふうに思います。いかがでしょうか。
○尾辻国務大臣 国保組合に対する国庫補助についてでございますけれども、これは、医療保険制度改革に関する基本方針におきまして、市町村国保との財政力の均衡を図る観点から、国庫助成のあり方について見直しをするというふうにされたところでございますので、こうした方針も踏まえながら検討をしてまいりたいというふうに存じます。
ただ、この国庫補助につきましては、国保組合の国民健康保険制度におきます役割やこれまでの経緯を踏まえまして、安定した保険運営が行われるよう、検討の中では配慮してまいりたいと存じます。
○山井委員 ぜひともよろしくお願いします。
以上で質問を終わります。
介護保険に関する再質問主意書に対する政府からの答弁書が返ってきましたので掲載致します。
キーワード:要介護認定、情報の公表、医療行為、介護労働者の労働条件、
補足給付(ホテルコスト)、人員配置基準、身体拘束、介護報酬
平成十七年六月一日提出 質問第七四号
介護保険制度等に関する再質問主意書 提出者 山井和則
介護保険制度等に関する再質問主意書
先般、介護保険法改正案が衆議院で可決されたが、改正の中で積み残しとなった課題も少なからず存在する。そこで以下の通り質問する。
一 前回の答弁書(内閣衆質一六二第六二号、以下同じ)には、「現行の認定基準に基づく要介護度は、在宅サービスの利用者のニーズを正確に反映していると考えられる」とある。しかし、現実に要介護認定は生活から遊離しているためほとんどケアプランに活かされていない、活かすことができないのが実態と思われるがいかがか。
二 ドイツでは基本介護に要する時間に加え、実測の家事援助に要する時間を入れて査定されるため、介護時間は日本に比べ非常に長く計算されることから、ドイツの要介護等級一は日本の要介護度一または二に該当すると指摘する専門家がいる一方で、前回の答弁書にはドイツの介護保険対象者が「おおよそ日本の介護保険制度における認定基準に定める要介護三程度以上の者」とあるが、国は詳細に調査したのか。国の見解として間違いないのか。
三 国が今後行う介護サービス情報の公表、福祉サービスの第三者評価事業(介護サービス)、認知症高齢者グループホームの外部評価事業、行政による指導監査はその目的や手法が異なるが、それぞれの調査内容が一部共通していることから、事業者の負担を減らすためにも調査情報の共有化、それぞれの役割分担を含め検討すべきと考えるがいかがか。
四 国が今後行う介護サービス情報の公表では、事業者から費用を徴収するということであるが、介護保険制度を運営する国が費用を負担するのが理にかなっているのではないか。
五 四において次期介護報酬改定でその公表に関する費用を盛り込み、その介護報酬を指定調査機関が回収するというのは行政コストの無駄ではないのか、そもそも最初から指定調査機関に介護保険から拠出すればよいのではないか。
六 認知症介護研究・研修東京センターが実施する外部評価では二ユニットで六万円、第三者評価機関が実施する評価事業では二ユニットのグループホームで約三十七万円(シルバーサービス振興会)の費用がかかるが、国が認知症高齢者グループホームに対して外部評価を義務化するのであれば、その費用を介護報酬に盛り込むべきではないか。また国が介護サービスの評価事業を推進していくのであれば他の介護保険サービスについても介護報酬において盛り込んでいくべきではないか。
七 前回の答弁書において二七三五の社会福祉事業のうち「二一〇九の事業場について何らかの労働基準法等の違反が認められた」とあるが、これについてどのような対応をしたのか。また介護保険事業を運営していく上でどう考えるのか。
八 七において、これからこれらの職に就く者や現在働いている者にとって、安心して働くためにも、個々の違反の情報が公表されるべきと考えるがいかがか。
九 前回の答弁書で「介護保険施設に入所している低所得者に配慮した特別の制度として、特定入所者介護サービス費を支給する制度を導入する」とあるが、居住費及び食費を支払うことができない低所得者は、特定施設や認知症高齢者グループホームを利用できなくても構わないと国は考えているのか。またそのような状況では、より施設志向が高まると考えられるがいかがか。
十 今後地域密着型サービスの中で、二十九人以下の小規模特養や小規模の介護専用型特定施設、認知症高齢者グループホームが存在することになるが、いずれも個室型、同じユニット数、定員の場合、利用者の視点に立てば、似たような介護サービスが利用者に提供されるにもかかわらず、介護報酬が異なり利用料が違ってくることは、不可解な仕組みであると考えるがいかがか。また高齢者住宅を含めた介護施設体系のあり方そのものを再検討すべきと考えるがいかがか。
十一 連合調査等でも明らかなように看護職員の夜勤体制を組むことができず、介護職員がやむを得ず痰の吸引等の医療行為を行っている施設が多い。この実態を踏まえ、施設や在宅での医療面での不安を解消するためにも、一定の研修や試験などをクリアした介護福祉士を「医療介護士」などの資格をもって認めていくことを検討すべきではないか。
十二 要介護度四、五の利用者しかいない介護施設において、三対一の人員配置基準通りで身体拘束することなしに介護することは可能かという質問に対し、昨年の答弁書(内閣衆質一六一第二四号)において「御指摘のような入所者の状況及び人員配置の場合であっても、身体拘束を行わずに介護を行うことは十分可能であると考えている。」とあるが、その具体的な根拠は何かという前回の質問書に対し、何ら当を得た回答がなかった。まだ身体拘束ゼロを実現できていない施設に「十分可能である」ことを示すためにも、一、二か所の例示でもかまわないのでお示し頂きたい。
十三 前回の答弁書で、個室ユニットケア型特養一三二か所のうち、「介護職員及び看護職員一人当たりの入所者数が二・五人以上三・〇人未満であった施設は五か所」とあるが、ならば個室ユニットケアを行う施設の最低限必要な人員配置基準は二・五対一以上とすべきではないか。
十四 前回の答弁書で「個室ユニットケア型特養については、一般の特別養護老人ホームよりも高い介護報酬を設定している」とあるが、個室ユニットケア型の施設でなくても人員配置を厚くしている施設に対しては、高い介護報酬にすべきではないか。また、それにともない基準を下回る四・一対一の基準は介護保険制度が五年経過したことから廃止すべきではないか。
十五 今後介護サービス事業所に対し情報を公表させることは非常に良いことだと考えるが、一方で国としても介護職員の待遇改善のためにも介護報酬の積算根拠等について情報を開示し、透明化すべきではないか。
十六 例えば、生活援助型の訪問介護を中心とする事業所が、労働基準法を遵守し、研修やヘルパーの移動、事務処理などを行える介護報酬となっているのか。生活援助一時間二九一〇円のうち、研修を行う費用はいくらと想定しているのか。
十七 大星ビル管理事件の最高裁判決(平成十四年二月二十八日)では、仮眠時間が労働からの解放が保障された休憩時間であるとは認められず、事業所に時間外割増賃金・深夜割増賃金の支払いを命じたが、同様の勤務体制である介護施設・事業所においてこの判決に準拠した賃金が支払われているのか。又支払えるだけの介護報酬となっているのか。
十八 軽度者のケアプランについては今後、適切であるかどうか地域包括支援センターでチェックされる仕組みになったが、重度者のケアプランについても適切でないものが当然存在すると考えられることから、重度者についても軽度者と同様に何らかのチェックをする仕組みが必要と考えられるがいかがか。
右質問する。
平成十七年六月十日受領 答弁第七四号
内閣衆質一六二第七四号 平成十七年六月十日
内閣総理大臣 小泉純一郎
衆議院議長 河野洋平 殿
衆議院議員山井和則君提出介護保険制度等に関する再質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員山井和則君提出介護保険制度等に関する再質問に対する答弁書
一について
要介護認定及び要支援認定(以下「要介護認定等」という。)は、介護の必要の程度等を客観的な指標を用いて認定することを目的として、介護認定審査会における審査及び判定に基づき、被保険者が要介護状態等に該当するかどうか、また、要介護状態に該当する場合にはその該当する要介護状態区分について認定するものであり、先の答弁書(平成十七年五月二十七日内閣衆質一六二第六二号。以下「前回答弁書」という。)においては、こうした過程を経て認定された要介護状態区分等と在宅サービスの利用者一人当たりの利用状況には一定の相関関係が認められることから、現行の要介護認定等は、在宅サービスの利用者のニーズを正確に反映していると考えられる旨答弁したところである。
一方、ケアプランは、要介護者等であって、居宅において介護を受けるものが、在宅サービスの適切な利用ができるよう、当該者の依頼を受け、当該者の心身の状況に加え、家族の状況、住宅環境等の評価を通じて、当該者が自立した日常生活を営むことができるよう支援する上で解決すべき課題を把握するとともに、当該者や家族の希望、当該者が居住する地域のサービス提供体制等を総合的に勘案し、こうした課題に対応するための最も適切な在宅サービスの種類及び内容を定める居宅サービスの計画である。
このように、要介護認定等とケアプランの目的はそれぞれ異なっており、要介護認定等は本来の目的に沿って適切に実施されていると考えている。
二について
ドイツの介護保険制度については、受給者に関する事項を含め厚生労働省において調査を行っており、ドイツの介護保険制度の受給者については、要介護等級ごとの特徴的な状態像と日本の介護保険制度における要介護状態区分ごとの特徴的な状態像とを比較した上で、おおよそ日本の介護保険制度における要介護認定等に係る介護認定審査会による審査及び判定の基準等に関する省令(平成十一年厚生省令第五十八号)に定める要介護三程度以上の者であると考えている。
三について
第百六十二回国会に提出した介護保険法等の一部を改正する法律案(以下「法案」という。)に規定する介護サービス情報の公表は、都道府県知事又はその指定する者(以下「都道府県知事等」という。)が介護サービス事業者が提供するサービスの内容及び運営状況に関する情報のうち、利用者の選択に資する情報の公表を行うものであり、公表する情報を都道府県知事等に報告するとともに、都道府県知事等は事実確認のために介護サービス事業者に対して調査を行うこととしている。福祉サービスの第三者評価事業は、事業者が事業運営における問題点を把握し、サービスの質の向上を図るための取組を行うことを支援するために行われているものであり、事業者がこれを活用するかどうかは任意のものである。認知症高齢者グループホームについては、認知症の高齢者が共同生活を営むという認知症高齢者グループホームの特性にかんがみ、介護サービス事業者が事業運営における問題点を把握し、サービスの質の向上に結び付けるため、外部の者による介護の質の評価(以下「外部評価」という。)を受けることを義務付けているところである。行政による指導監査は、法令の規定に基づく指定基準に適合しているかどうかを確認し、適合していない事項について行政処分等を行うものである。
このように、それぞれの目的や役割は異なっており、それぞれの目的や役割に応じ、適切に調査を行うこととしているが、介護サービス情報の公表と認知症高齢者グループホームの外部評価事業は、ともに介護サービス事業者が、サービスの内容について定期的に調査を受けるものであるので、介護サービス情報の公表のための調査の実施等に当たっては、介護サービス事業者の負担の軽減の観点から、両事業の調整を行うことを今後検討してまいりたい。
四及び五について
三についてで述べた介護サービス情報の公表の制度は、国が行うものではなく、都道府県知事等が、介護サービス事業者の調査を行い、当該事業者の介護サービス情報の公表を行うこととしており、都道府県知事等は、当該調査及び公表の事務に係る手数料を介護サービス事業者から徴収することができることとなっている。
都道府県知事等が介護サービス事業者から手数料を徴収する場合に、当該手数料の費用を介護保険制度で評価するかどうか及び評価する場合の対応については、今後、社会保障審議会の議論を踏まえ、検討してまいりたい。
六について
三についてで述べたとおり、認知症高齢者グループホームについては、定期的に外部評価を受けることを義務付けており、外部評価の費用に対する介護報酬における対応については、平成十八年四月に予定している介護報酬改定において、社会保障審議会の議論を踏まえ、検討してまいりたい。
また、福祉サービスの第三者評価事業を活用するかどうかは任意のものであり、その実施に係る費用に対する介護報酬における対応については、今後の介護サービス事業所での当該評価事業の実施状況等を踏まえ、検討していくべきものと考えている。
七について
御指摘の労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)等の違反が認められた事業場に対しては、是正を図るよう指導したところである。
また、介護保険事業を運営していく上で、労働基準法等関係法令は当然に遵守されるべきであり、都道府県や関係団体に対して、訪問介護に従事する訪問介護員等の法定労働条件の適正な確保について、通知の発出やパンフレットの配布により周知を行う等の取組を行っているところである。
八について
労働基準法等関係法令に対する重大又は悪質な違反については、刑事事件として取り扱うこととしているところであるが、これらの事件のうち同種の犯罪の防止を図るという公益性を確保する観点から必要なものについては、公表することとしている。
九について
特定施設や認知症高齢者グループホームは、これまでもこれらの施設において提供される介護サービスに限り保険給付を行い、居住費及び食費は入居者が負担することを前提としているが、低所得者については、高額介護サービス費による介護サービスの利用者負担の軽減等により一定の配慮を行っているところである。
また、今般の居住費及び食費に関する見直しは、在宅と施設との間の負担の公平を図る等の観点から行うものであり、より施設志向が高まるとは考えていない。
十について
御指摘の二十九人以下の小規模特養及び小規模の介護専用型特定施設は、法案に規定する地域密着型介護老人福祉施設及び地域密着型特定施設であると考えられるが、地域密着型介護老人福祉施設は、身体上又は精神上著しい障害があるために常時の介護を必要とし、かつ、居宅においてこれを受けることが困難な要介護度が高い者を主な対象とするとともに、社会福祉法人等に運営主体を限定している。また、入所者のうち低所得者については、特定入所者介護サービス費の支給対象となる。地域密着型特定施設は、要介護者等を対象とする有料老人ホーム等のうち一定の要件を満たすものであり、運営主体は多様である。認知症高齢者グループホームは、要介護者であって認知症であるもの(その者の認知症の原因となる疾患が急性の状態にある者を除く。)を対象とし、運営主体は多様である。介護報酬及び利用料については、こうしたそれぞれのサービスの性格を踏まえつつ、今後、議論が行われるものと考えているが、右に述べたように、それぞれのサービスの性格は異なるため、介護報酬及び利用料が違うことはあり得ると考えている。
また、介護保険施設等の在り方については、今回の介護保険制度の見直しにおいて、利用者の多様な選択を可能とする観点から、有料老人ホーム及び軽費老人ホームに加え、高齢者向け優良賃貸住宅等も特定施設とすることを検討することとしている。
十一について
業として行われる医療行為については、原則として、医師、看護職員等の医療関係資格を有する者が行うべきと考えており、これらの者と養成課程等が異なる介護福祉士に、一定の研修等を経たことをもって当該行為を行うことを認めることは適当ではないと考えている。
なお、介護老人福祉施設における入所者に対する看護体制の在り方については、今後、平成十八年四月に予定している介護報酬や指定基準の改定に向けた議論の中で、具体的な方策について検討してまいりたい。また、在宅における療養患者及び障害者の介護職員による喀痰吸引については、「ALS(筋萎縮性側索硬化症)患者の在宅療養の支援について」(平成十五年七月十七日付け医政発第〇七一七〇〇一号厚生労働省医政局長通知)及び「在宅におけるALS以外の療養患者・障害者に対するたんの吸引の取扱いについて」(平成十七年三月二十四日付け医政発第〇三二四〇〇六号厚生労働省医政局長通知)で示した一定の場合には、当面のやむを得ない措置として許容されるものと考えている。
十二について
三対一の人員配置で身体拘束を行うことなく介護を実施している施設については、現在は把握していないが、厚生労働省は、認知症介護研究・研修仙台センターに委託して、全国の介護保険施設における身体拘束の状況に関する調査を本年二月に行っており、現在同センターにおいて集計中である。この調査結果がまとまった後において、具体例をお示しできるかどうか検討してまいりたい。
十三について
小規模生活単位型特別養護老人ホーム(以下「個室ユニットケア型特養」という。)の人員配置基準については、適切なサービスを提供するために最低限必要な基準として定めているものである。一方、個室ユニットケア型特養の介護報酬については、居宅に近い居住環境と日常生活の中で、入所者の意思と自己決定を最大限尊重したケア(以下「個別ケア」という。)をより効果的に行うことが可能となるよう、一般の特別養護老人ホームよりも高い介護報酬を設定していることから、個室ユニットケア型特養の実際の人員配置は前回答弁書十一についてで述べたとおりとなっているものと考えている。したがって、個室ユニットケア型特養の最低限必要な基準としての人員配置基準を二・五対一以上とする必要はないものと考えている。
十四について
十三についてで述べたとおり、個室ユニットケア型特養については、居宅に近い居住環境と日常生活の中で、個別ケアをより効果的に行うことが可能となるよう、一般の特別養護老人ホームよりも高い介護報酬を設定しているものである。したがって、個室ユニットケア型特養以外の施設において人員配置を厚くしたとしても、必ずしも個別ケアをより効果的に行うことが可能となるとはいえないことから、単に人員配置が厚いことをもって介護報酬上評価することは適当ではないと考えている。
また、御指摘の四・一対一の基準については、指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準(平成十一年厚生省令第三十九号)附則第二条において、平成十七年三月三十一日までの間の経過措置として定められているものであり、当該経過措置については、既に失効しているところである。
十五について
介護報酬については、介護職員に支払われた給与に係る費用を含めた介護サービスに要する平均的な費用の額を勘案した上で定めることとされているが、その際には、社会保障審議会介護給付費分科会における介護サービス事業者の経営の実態等に係る調査等を踏まえた議論を経て設定しているところであり、同分科会における議論や同分科会に提出された資料については、公開しており、その決定過程は十分透明であるものと認識している。
十六について
訪問介護の介護報酬については、適正な介護サービスが提供できるよう、社会保障審議会介護給付費分科会での議論も踏まえ設定しているところであり、事業者が訪問介護員に対して行う研修に係る費用や訪問介護員の移動、事務処理等に支払われる給与等の費用を支払えるものと考えているが、お尋ねの研修に係る費用については包括的に評価しているところであり、個別にお示しすることはできない。
十七について
御指摘の判決の事例と同様の勤務体制であるかどうかについては、個別具体の事例に即して判断されるべきものであり、介護施設・事業所においてこの判決に準拠した賃金が支払われているかどうかについては、一概にお答えできないが、仮眠時間が労働時間であると認められた場合であって、当該労働時間に応じた賃金が支払われていないときには、賃金の支払について事業場に対する指導を行っているところである。
また、介護報酬については、適正な介護サービスが提供できるよう、社会保障審議会介護給付費分科会での議論も踏まえ設定しているところであり、労働基準法に定められた割増賃金を支払えるものと考えている。なお、賃金の額自体については、事業主とそれぞれの労働者との個々の契約で決められるべきものである。
十八について
今回の介護保険制度の見直しにおいては、要介護者の居宅介護支援を行うこととなっている居宅介護支援事業所ごとに、所属する介護支援専門員を都道府県に届け出る仕組みを導入し、これにより、都道府県と市町村とが連携して、保険者である市町村において、個々の介護支援専門員ごとに、担当する利用者数や居宅サービス計画の内容等が適切かどうかをチェックできるようにすることを検討している。
以上
これまでも主にメールマガジンで書いてきた障害者自立支援法案について動きがありましたので、報告します。
まず、22日(水)に、民主党の次の内閣は、障害者自立支援法案の修正についての与野党協議を打ち切る方針を決めました。
2005年06月22日
【次の内閣】障害者自立支援法案の修正協議打ち切りを決定民主党『次の内閣』は22日午後、国会内で閣議を開催し、「障害者自立支援法案」の修正協議について対応を決定した。横路孝弘ネクスト厚生労働大臣が、与党や厚生労働省との協議経過を報告。
民主党は、党としては原案反対であるが、定率負担導入の凍結など9項目について、与党側に法案の修正協議を申し入れるとともに、厚生労働省と政省令事項について協議を重ねてきた。22日に与党側から示された回答には、法案修正には応じられないが、協議は続けたいなどとあり、修正協議の継続の可否をめぐり、各ネクスト大臣からは、
「内容的には極めて不十分だが、たくさんの政省令事項の一つひとつが障害者の命・生活に関わることであり、協議は続けるべき」
「期限を設定した以上は、引き伸ばす戦術に応じるべきではない」
などと活発な発言が相次いだ。閣議としては、ゼロ回答を受けて与党との修正協議は断念すること、ただし、無責任に放置はせず、政省令事項という不透明な部分を厚生労働省へきちんと確認するなど、国会審議その他の場を通じて、不安が解消されるような状況づくりに努力を続けるべきことを確認した。以上
これに対して、23日(木)に自民党と公明党は記者会見を開いて、「障害者自立支援法案に関する声明」を発表しました。(自民党のウェブサイトでは該当する記事が見つけられませんでした。また、自民、公明両党のウェブサイトを見てみましたが、声明の全文を見つけることができませんでした。[山井事務所ウェブサイト担当]) その声明文の最後の5行を紹介します。
(前略)
支援法案は、今後の障害者に対する支援体制を整備する重要な法案である。かかる事態を踏まえ、与党は、断固として支援法案の成立を期すとともに、引き続き関係者の声に真剣に耳を傾け、それに応え、よりよい制度の構築に最善の努力を尽くし、政権政党としての責任を果たす決意である。民主党においても、修正協議打ち切りの決定を即刻撤回し、与党との協議を継続すべきである。
この、言いがかりとしか思えない与党からの非難に対して、民主党の仙谷政調会長が談話を発表しました。
2005年06月24日 【談話】「障害者自立支援法案」について 民主党政策調査会長 仙谷 由人○異例の「与党修正協議継続要求」は、欠陥法案の証
自由民主党と公明党は、6月23日記者会見を行い、民主党の「障害者自立支援法案」修正協議断念について、口を極めて「不誠実な協議申し入れ」と非難する声明を発表した。
これは与野党の立場のすり替え、責任転嫁の外、何物でもない。与党自らが、同法案を障害当事者等の生活不安を増大させるものであり、「大修正」が必要と認識するなら、まずは自ら修正すべきは修正し、是正すべきを是正して、再提案をすべきである。法案のお粗末さに頬被りをして、それによって障害当事者等が被る被害を、我が党の責に帰そうとするなら、本末転倒である。○「ゼロ回答」の上の継続要求は、単なる与党の「ポーズ」
同法案の衆議院審議入りは4月26日であり、既に2ヶ月近くが経過している。また民主党の修正協議要求から与党回答までも2週間かかっている。その上で、与党は、民主党の求めた9項目の修正要求の骨格部分を含む大部分について「修正には応じられない」「法案修正の必要はない」「法案修正にはなじまない」と回答した。これで協議継続を求めるなら、それは与党が「ポーズとしての協議」の続行を唱えているにすぎない。○「ポーズ」で国民を欺くことは許されない
与党は年金合同会議においても「昨年の改正は画期的」と繰り返している。これは、同会議を継続する意味に大きな疑義を生じさせている。真の改革の意欲を持たないにもかかわらず、政局的な理由でみせかけの「ポーズ」としての「協議」を唱える与党の態度は、国民を愚弄するものである。本法案についても、与党の「協議継続」の真意が、都議選の争点ぼかしにあることは明らかである。障害当事者等を踏みにじるような、この与党の姿勢を、民主党は断じて許すことは出来ない。○「欠陥法案」提出について、関係者に陳謝すべき
仮に与党が真に障害当事者等の生活を懸念し、法案の修正が必要と考えるのであれば、まずは欠陥法案を提出したことについて関係者に対して陳謝し、その上で民主党に対して、誠意ある修正提案を行うべきである。以 上
この法案が不十分であり、修正協議が必要と与党が考えるならば、まずは民主党に言うのではなく、与党自らが政権政党の責任において、この自立支援法案を修正し、「この法案なら問題ありません」と胸を張れる法案に作り直した上で、民主党に対して、「審議しよう」と呼びかけるのが筋です。
自分たちが勝手にできの悪い法案をつくっておいて、その法案の修正に民主党が協力しないのはけしからん、という前に、まず、修正の必要がないと自分たちが確信する法案に作り変え、障害者団体や民主党に提示するのが与党の責任です。
ある与党の議員から、
「このままの支援法案じゃ、とてもじゃないけど問題が多くて通せない
ので、修正協議に応じてほしい。与党がつくった法案に与党だけで
修正を加えることはカッコ悪くてできないから、民主党の力を借りたい」
と言われました。
私は、
「それはおかしい。そんな欠陥法案を出すのでなく、まず、自分たちが
責任を持てる法案を出して下さいよ」
と言いました。
自分たちができの悪い法案をつくった責任を棚に上げ、それが改善できない理由を民主党に押し付けるのはとんでもない言いがかりです。
162-衆-厚生労働委員会-27号 平成17年06月10日
独立行政法人年金・健康保険福祉施設整理機構法案(内閣提出第六二号)(参議院送付)
◇施設整理の目的について
◇何が公共の福祉か
◇施設を売却さえできれば「後は野となれ山となれ」なのか
◇整理にあたっては、事前に地元自治体と協議・相談をするべき
◇整理対象の施設の労働者に責任はない
○鴨下委員長 次に、山井和則君。
○山井委員 民主党の山井和則です。これから一時間にわたりまして、尾辻大臣、西副大臣に質問をさせていただきたいと思っております。
私は、きょう、資料二枚を配らせていただきました。この資料を見ていただきたいと思います。
今の米澤先生の質問を聞いていても、これはまさに社会保険庁や年金の不始末を地域住民にしわ寄せをする、あるいはそこで働いている職員の方々に本当にしわ寄せをするという非常に問題がある法案だというふうに思っております。
この資料にありますが、宿泊施設等二百六十一施設は一般競争入札、それ以外は、地域医療に貢献している施設などに関してはこれからいろんな配慮をしていくということであります。私は、この質問の中で、この宿泊施設等が安易に一般競争入札でされていいのかということについて質問をさせていただきたいと思っております。
まず、尾辻大臣、最初にお伺いしたいと思っておりますけれども、この資料にありますように、また今までの答弁にもありますように、年金資金等への損失の最小化を図るということが目的となっておりますが、実は、私はこれだけではないだろうというふうに思っております。加えるならばあと二つ、社会保険庁や年金に対する信頼回復、そしてもう一つは公共の福祉の向上、これがセットでないとだめだと思うんです。当たり前のことだと思いますが、最初に確認をさせていただきたいと思います。年金資金等への損失の最小化を図ると同時に、社会保険庁や年金制度への信頼回復を図り、公共の福祉の向上を図る、これがこの法案の目的であるということを確認したいと思いますが、尾辻大臣、いかがでしょうか。
○尾辻国務大臣 きょうの御審議の冒頭以来ずっとお答えいたしておりますように、今私たちにとって一番大事なことと言ってもいいことは、国民の皆さんから年金への信頼を回復することだと思っております。そのためにも、社会保険庁がまず信頼を回復しなきゃいけない。大前提でございます。
そうしたことの一環としてこの法律もお願いをしておるわけでございますから、今仰せのことは当然のことでございます。そしてまた、絶えず私たちは福祉の向上に努めなきゃならない、これも当然のことでございますので、今先生が御確認になったことは、そのとおりでございます。
○山井委員 まさに、今大臣が答弁してくださったとおりだと思っております。年金資金等への損失の最小化を図る、しかし、その前提には、いかに失われた社会保険庁や年金制度への国民の信頼回復を図るかということは大前提の問題である。書いていないけれども、当然のことなわけですね。それとともに、公共の福祉の向上というのも、ここにはあえて書いていないけれども、当たり前のことである。当たり前過ぎて書いていないということであると思います。
そこで、今までの議員の質問の続きにもなるんですけれども、地域で重要な機能を果たしているわけですね、この宿泊施設などの二百六十一施設に関しましても。その機能の維持については今までから質問が集中しているところでありますが、改めて、やはり地域に密着し、地域から必要とされて、あるいは利用者から必要とされて行われているという、この施設の機能の維持については、尾辻大臣、どうお考えでしょうか。
○尾辻国務大臣 宿泊施設についてでございますけれども、これまで多くの方々に御利用をいただいてまいりました。そしてまた、被保険者等の福祉の向上、今も福祉の向上というお話がございましたが、まさにその福祉の向上に一定の役割を果たしてきたと考えております。
ただ、これは先ほど来申し上げておりますことの繰り返しになるわけでございますが、近年の年金制度等を取り巻く厳しい財政状況、施設を取り巻く社会環境及び国民のニーズの変化等を踏まえまして、今後は保険料を年金福祉施設等に投入しないということをまず決めましたし、年金資金等への損失を最小化するという、今お話しいただきましたその考え方に立って年金福祉施設等の廃止、譲渡を行うこと、こういうことにいたしました。
そういう全体をどうするかという中で、とりわけ宿泊施設については平成十二年五月に閣議決定されたことがございまして、それは「民間と競合する公的施設の改革について」というものでございますけれども、民業圧迫という御批判も大変強かったものですから、このときに、「早期に廃止、民営化その他の合理化を行う。」ということにされておりますので、今回のことはまたその方針に沿ってということでもございますということを御説明申し上げるところでございます。
○山井委員 民業圧迫ということでありますけれども、それは、ほかに似たような施設があればいいんですが、ないケースもあるわけですね、民業圧迫以前の問題に。
それで、余り一般論をお話ししてもわかりにくい面もあるかと思いますので、少し失礼になるかもしれませんが、私の地元にあるウェルサンピア京都というところの話を少し一例としてさせていただきたいと思います。
話はどこでも似たような話であるとは思いますが、ここは十七年前にできまして、今は黒字も出ております。全国で三番目に黒字が出ている、お客さんが本当に満員の施設であります。私も、京田辺市の新年賀詞交歓会などで、この京田辺市にあります唯一の大きな施設でありますので、毎年行かせていただいております。(写真を示す)こういう庭園なども非常にきれいで、全国から非常に好評を得ておりますし、また、地域の方々に対してはテニスコートとかゲートボール場とかそういうものも開放して、これは三百六十五日、近所に同志社大学がありますこともあって、取り合いなわけですね、このテニスコートも。そして、地域の高齢者の方々にとってゲートボール場も取り合いになっているぐらい足りないというような状況であります。こういう状況の中で、この資料の二枚目にもありますが、休暇センター全国十七カ所の中でも、黒丸をしておりますけれども、ウェルサンピア京都、京都厚生年金休暇センターというのは三番目に黒字が大きいということになっております。
それで次の質問なんですが、こういうことを踏まえまして、非常にうまくいっているこういう黒字の施設は、貴重な年金資金をむだ遣いしないという趣旨であれば、すぐに整理せず、むしろ経営効率を上げて黒字をふやして投資を回収して年金資金に戻すというようにするのが筋ではないかと思います。赤字になってうまくいっていないところと、こういうふうにうまくいっているところを一律に一般競争入札にかけて売却してしまうというのは乱暴ではないかと思います。
私、ここに働いておられる職員の方の話も聞いたんですが、この法律のことを聞いたときに、職員の方は、毎日これだけたくさんお客さんが来ているのになぜなんだというのが素朴な疑問だったと言っているわけなんですね。その点について、大臣、いかがでしょうか。
○尾辻国務大臣 これは、昨年、特に年金の見直しということの議論が始まりましたときに、社会保険庁をめぐるいろいろな不祥事も出てまいりました。そうした中での大変厳しい御批判がございまして、その中の一番の御批判がこの福祉施設でございました。これは、先ほど来私は身ぎれいにするという表現を使っておりますけれども、身ぎれいにしなきゃいかぬという、これは国民の皆さん方のお声であったと私は理解をいたしております。
そのときに、どうするかという御議論がありました。そして、今先生がお話しのような御議論もあったことは事実でございますが、やはり例外をつくるというのはまずい、そのときの多くの、私が理解している多くの皆さん方のお声というのは、例外はつくるな、経営状況にかかわらず例外なく廃止、譲渡をすべしというお声が強かったというふうに理解をいたしまして、きょうの御質問の冒頭ございました、あの合意事項になるわけでございますが、そうした経緯があったと、私は今も振り返るわけでございます。
そうした御議論の中で、今回のこの流れでございますので、私どもとしては、申し上げておりますように、やはり例外なく廃止、譲渡をさせていただくという考え方でございます。
そして、今のお話をあえてもう一回申し上げますけれども、民間との競合ということもいろいろ御批判いただいておりますから、その地域に限って、地域を狭く限定しますと確かに民間と競合しないとかいろいろあるんでしょうが、大きく言いますと、公に類するところがこうした施設を持つということは、どうしても民間との競合になって民業圧迫につながるという大きな御批判も絶えずあるところでございますから、今回のこういうやり方というのを御理解いただきたいと存じます。
○山井委員 ここの場合はもう一つ実は民間の宿泊施設があったんですね。ところが、三年前にそこは撤退をしまして、ここが人口六万人の京田辺市の唯一の施設というふうになっているわけなんです。それと、関西学研都市の中の南田辺・狛田地区に位置しておりまして、国家的プロジェクトである関西学研都市にとっての重要な宿泊施設だという位置づけで京都府や京都市が誘致をした、そういう位置づけもあるわけなんですね。そして、この中では地域の農産物が売られたり、本当に地域に密着して、なくてはならない施設になっているわけであります。それで、やはりこのことについて、何とか存続してほしいという声も出ております。
そこで、尾辻大臣に確認をしたいんですが、厚生労働部会長としてこの当時このことのまとめにもかかわってこられたとは思うんですが、正直言いまして、昨年の、社会保険庁、年金むだ遣いが多いからこういうものをばっさりと整理しろと言っていた昨年の状況と今法案審議をしている状況というのは、微妙に風向きが変わっているのではないかと私は思うんです。
それが証拠に、朝のトップバッターの自民党の、与党の議員さんですら、一律に一般競争入札というのはいかがなものかと。やはりこういう法案が出てきて、改めて、どれだけ地域にとってその施設がプラスの効果があったのかというのを、与野党を超えて政治家も肌で感じてきた。ある意味では、昨年の、この法律の議論をするときにはマイナス面ばかりが取り上げられていた、しかし、今ではプラスの面もかなりあるということになっているというふうに思うんですね。大臣、その今の情勢の微妙な変化ということをお感じでしょうか。
○尾辻国務大臣 まず、こうした施設を運営してきた立場から申し上げますと、確かに、できるとき、それぞれのニーズがあってこういう施設ができてきた、そして、今のお話を伺いまして、改めて、その施設が大きな役割を果たしてきた、今日もまだ果たしている面を持っておる、そのお話を伺いますと大変ありがたいというふうにも思います。今日まで大きな役割を果たしてきたということで、改めて、そうしたお話を伺いますと、ああ、それなりの役割を果たしてきたんだなということを感じまして、大変ありがたいと思うわけでございます。
そこで、今、去年の例外なく廃止、譲渡をしろと言ったときと今日の雰囲気は少し変わっているんじゃないかというお尋ねでございますが、雰囲気が変わっているかどうかは別といたしまして、私のところにいろいろな方から存続をさせてほしいという陳情があることだけは事実でございますから、そして私も陳情をお受けしておるということは申し上げたいと存じます。大きく雰囲気が変わっているかどうかというのは、私が今直ちにそこまで変わっているというふうに申し上げられる状況でもないと私は感じておりますけれども、ただ、多くの陳情が今参っておりますということだけは申し上げたいと存じます。
それから、今後のことでありますけれども、今後、こうしたものに対する考え方、こういうものをよく整理して答えを出さなきゃいかぬというふうに思っておりまして、私どもは、何回も申し上げておりますように、今後こうあるべしということまで含めて、今回の御提案、お願いを申し上げておるということもつけ加えて申し上げたいと存じます。
○山井委員 まさに少しずつ、もし法案の中で行き過ぎた部分があったら修正をしていく、そのためにこういう国会審議があるんだと思っております。
そこでお伺いしたいんですが、こういう今説明しましたような施設を一例としても、地域の中に密着して、地域の中でなくてはならない形になっている施設もたくさんあるわけですね。そういうことに関して、後は野となれ山となれという言葉がありますが、これは売却したら、後は宅地になろうが山を崩そうがマンションを建てようが、何になっても後はもう知らないというのが厚生労働省の姿勢ですか。大臣、いかがですか。
○尾辻国務大臣 後は野となれ山となれでいいのかとお尋ねいただきますと、決して私どももそういうふうに思っておるわけじゃありませんとお答えせざるを得ないんですが、この後またいろいろな御質問が続くであろうと思いますから、余り先走ってお答えするようなお答えを今ここで申し上げるのもいかがかと思いますから、我々としては、野となれ山となれという、そんな思いではありません。今お話しいただいていますように、今日まで役割を果たしてきたわけですから、ぜひそうした機能が引き継がれるような形で売却できれば、譲渡できれば一番うれしいということは当然思っておるところでございます。
○山井委員 まさに今大臣がおっしゃったとおりだと思うんですね。例外をつくるのは問題じゃないかという議論はもちろんある、とはいえ、後は野となれ山となれというわけでもないと。やはり、今大臣がおっしゃったように、今まで非常に地域に必要で黒字も出ているような施設だったら、できればその業種が続けられればうれしいなということをおっしゃいましたけれども、問題はそこなんですよ。
私も、もう社会保険庁や国がこういう施設をやる必要はないし、もちろんお金を入れるのは問題だと思います。民間でできることは民間でやったらいいんです。ところが問題は、民間の手に渡った瞬間、何をやろうが、基本的には自由になりかねないわけなんですね。そこにこの法案の非常に悩ましいところがあると思うんです。
地元の役所の方に聞いても、あるいはセンターの方々に聞いても、確かに民間に移ることはやむを得ないかもしれない、でも、業種が何になるかわからないと。当然、業種が一〇〇%変わったらリストラも非常に大胆なものになってしまうと思うんですね。そこのちょっとした配慮なりをどうつけるかということなんです。まさに一枚目の資料にもありますように、年金病院やそういうものに関しては、用途制限なり何らかの、急に物を変えてはだめだという縛りというか配慮があるわけですね。私が問題にしていますのは、この宿泊施設等の二百六十一施設に関しては一般競争入札、これは全く無条件の一般競争入札であれば、まさに今大臣がおっしゃったように、後は野となれ山となれではないけれども、そうなるリスクは回避されないということなんですね。
そこでお伺いしたいと思いますが、例えば、施設の整理に当たっては、地域での機能や連携を考え、まず当該自治体への譲渡を前提とした話し合いというのをやってみるべきではないか。
本当にローカルな話で申しわけないんですけれども、一例として言わせてもらいますと、この施設がなくなったら、京田辺市では新年の賀詞交歓会をする場所が基本的になくなっちゃうわけなんですよ、余りにもローカル過ぎるかもしれませんが。三年前まではもう一つあったんですよ。でも、そこよりもここの方が評判がよくて、民間の方がなくなっちゃったわけですよ。それがあればよかったですよ、もうそれは撤退させちゃったわけですよ。それを今になってなくすといったら、もう一回つくれといっても、それはあんまりじゃないかというふうに地域の方が思うのは当然だと思うんですね、切実な声として。
そのあたり、まず地方自治体への譲渡を前提とした話し合いを行うべきではないかということについて、大臣、いかがでしょうか。
○尾辻国務大臣 申し上げておりますように、これはそれぞれをできるだけ高くで売って、最後年金資金に戻したい、こういうふうに思っておりますので。ただ、戻す金額が使った金額より必ず小さくなる、これは、申しわけないんですが、そうならざるを得ません。しかし、できるだけたくさん年金の資金、積立金の中にお返ししたいと思うものですから、そういう意味で、損失という言葉を使っておりますが、損失の最小化を図るという表現にさせていただいております。そうなりますと、できるだけ高く売りたいということが出てまいりますので、高く売るための手法としては一般競争入札になるということで、一般競争入札ということを今私どもとしては申し上げておるところでございます。
そうした中で、先ほど来先生がお述べになっておられることも私どももよくわかるわけでありまして、どなたかに対するお答えの中で私どもにもジレンマがあることは正直に申し上げたところでありますが、そうした中で、今までお役に立ってきたものであれば、できるだけお役に立つ形で残ることが望ましいというふうに思っておりまして、また、それぞれの譲渡に当たっては、特に、今お話しのように当該地方自治体との話し合いといいますか、そうしたことは大変大切なことだと思っておりますから、それぞれに当たって地方自治体との連携というのはとらせていただきたい、こういうふうに思っております。
○山井委員 地方自治体との連携はとらせていただきたいということですが、ということは、ある日突然、一般競争入札、はい、かけましたよということではなくて、一般競争入札にかける前に、当然地元自治体とは事前に協議をする、相談をするということでよろしいですね。
○尾辻国務大臣 そうさせていただきます。
○山井委員 それで、例えば、ここはテニスコートもございますし、関西学研都市の中での重要な宿泊施設としての役割も果たしておりますし、また地元の農産物を売ったりもしております。私が何を言いたいかというと、もう町づくりの中の重要な拠点施設として地域に溶け込んでいるわけなんですね、十七年間。それを、はっきり言って国の都合なわけですよ、国の都合で今までつくっていたものを急にどこかに売却してしまうということで。繰り返しになりますが、テニスコートでもそういうものでも民間がやってくれたら、民間がやってくれたらいいんですよ。問題は、それを買った方が何に変えるのかわからないということなんですね。
だから、そのことに関してはやはり何らかの配慮というか、無条件ではないですよと。先ほど言いましたように、この法案の目的の一つが社会保険庁や年金制度への信頼回復にあるわけですね、公共の福祉の向上にあるわけですね。そこで、これだけ必要とされている施設がなくなっちゃって、全然違うものになっちゃったと。それが公共の福祉の向上につながるのか、あるいは、社会保険庁よくやったという信頼回復につながるのかというと、私は逆じゃないかと。何もそこまで言っていない、それはやり過ぎじゃないかということにもなるのではないかと思います。
そういう意味で、先ほど、地元自治体との相談や協議も一般競争入札の前にするということですが、そのことを通じて、今までと同じような業種が望ましいということを大臣もおっしゃっておられましたけれども、それをどうやって配慮というか誘導していくのか。そのあたり、大臣、これは非常に重要なことだと思うんです。
繰り返しになりますけれども、私は民間に移ることが何も悪いとは言っていないんです。ただ、全く関係ないものになってしまったら、この責任というのはやはりあると思いますよ、その市の機能、町づくりが破壊されるわけですから。そんなことを国あるいは私たち国会議員の力でやっていいものか。政治の責任というのは公共の福祉の向上なわけですから、少なくともこういう方向性での売却というか、そういう方向性、大臣、いかがでしょうか。
○尾辻国務大臣 先ほど来申し上げておりますように、また先生もお述べいただいておりますように、基本的に、年金に対する信頼回復、社会保険庁に対する信頼回復、これをなさなければなりません。そのためにもと、私どもは判断をして今回のことをお願いしておるわけでございますが、そうした中で、例外をつくることがどうであろうかとかいろいろな御議論がございまして、そういうことがまた国民の皆さんにどういうふうに映るかといったようなことを判断しなきゃならない。そうした中で、ということを改めて申し上げるわけでございます。
ですから、こうしたものが地元にそこまで溶け込んでおるのであれば、あるいは地方自治体にお買い上げいただければこんないいことはないと思ったりもしますが、今とても地方自治体にそれだけの余裕があるところというのはまずないわけでございましょうから、それも無理かなと思いつつ、ただ、一番いいのは、そういう形にでもなればという思いもありますということを申し上げておるところであります。
したがって、まずは競争入札で売らせていただくということにさせていただいておりますけれども、競争入札の中でも機能を維持していただけるようなところで買っていただければ一番ありがたい、地方公共団体にかわるようなところで買っていただければ一番ありがたいというふうに思っておりますということを重ねて申し上げます。
○山井委員 まさに今の大臣の答弁でも、後は野となれ山となれではないんだと。今までから本当にそういう必要性の高いところに関してはできるだけその業種が続くことが、民間に移った後も望ましいんだということでありますが、そこが非常に重要なことであると思います。
そこで、要は、地方自治体に購入の意思があっても、今おっしゃったように一般競争入札で地方自治体の方がたくさんのお金を入れて買い取るということはほぼあり得ないというふうに思います。その意味で、財政上等の理由で一括での購入が自治体や自治体に関連するところが困難なときには、特例債を認めたり分割払いにするなどの便宜を地方自治体に関しては最大限図るべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○尾辻国務大臣 施設の売却代金の分割払いにつきましては、施設の引き渡し後の債権管理業務でありますとか、担保物件の評価、管理等に必要となる経費等を踏まえて慎重に検討する必要があるというふうに考えております。今まで民間に対して分割払いという例はございません。しかしながら、地元の地方公共団体も入札に参加しやすい、私どもも先ほど来申し上げておるような思いがありますから、そうした環境を整えることも重要な視点の一つだと考えておりまして、どのような方策が可能なのか、今の分割払いというお話がございましたので、これについては検討してまいりたいと存じます。
○山井委員 ぜひともそのあたりのところを検討していただきたいと思います。
要は、繰り返しになりますが、この法案の趣旨は、もう年金のお金は投入しないということ、そして、国や社会保険庁がやらなくていいことは民間に任すということ、この部分に関しては、ある意味で与野党通じて思いは同じだと思うんですね。それで、まさに大臣が答弁してくださったように、うまくいっているところはその業種が残ればいいな、ここまではみんなの思いだと思うんですよ。ところが、残念ながら、この法案だけを見ていると、後はどうなってもいいのかということになりかねないわけです。
それで、続きまして、雇用の方面からちょっとこの問題を考えてみたいんです。
私、ウェルサンピア京都にお勤めの方やほかの施設にお勤めの方からも多少話を聞いたんですが、例えばこういう声があるんですね。五十代の方は、定年まであと十年、これが売却されて大体同じような業種になれば残れる可能性は高いけれども、全く違ったものになったり、それこそ宅地になってしまったらリストラになる可能性が高い、そうなったら、五十歳を過ぎたらなかなか新しい仕事は見つからなくて路頭に迷ってしまうというふうなことをおっしゃっています。また、お子さんが二人小学生でおられる四十歳代の方は、ここでずっと働いてきた、この法律を聞いてびっくりしている、子供も二人いる、奥さんからもこれから一体どうなるのと言われていると。
皮肉なのは、このウェルサンピア京都のようにうまくいって黒字が出ているところほど早く売れやすいんですよ。これは何か余りにも皮肉というか、あんまりじゃないかなというふうに思うんです。
そこで、要は社会保険庁としたら一銭でも高く売りたい、これはわかります。ところが、尾辻大臣は厚生労働大臣ですよね、労働大臣です、日本の雇用確保の最高責任者です。そして、さらに言いますが、今回、年金保険料のむだ遣いとかいろいろなことが問題になりましたけれども、この宿泊施設に働いておられた職員さんには何ら罪がないと私は思うんです。まず最初にこれをお聞きしたいんですが、今回こういう法案が出て売却することになりましたが、働いておられた職員さんに何か問題はありましたでしょうか。
○尾辻国務大臣 私は、働いておられた皆さん方は一生懸命頑張っていただいたものというふうに思っておりますから、決してその皆さんに罪があるとかという話ではございません。
○山井委員 私はそこは非常に重要な点だと思うんです。どっちかといえば、ミスがあったのは社会保険庁であり、私たちも含めた国会議員であり、その政策判断の甘さというものが今日の状況を招いたわけですよ。しかし、絶対やってならないのは、そのある意味で私たちのミスというか判断の甘さのツケを食うのが、まさに小さなお子さんたちを抱えておられる職員の方々が路頭に迷うという結果になったら、これはやはり私は筋としておかしいのではないかと思うんですね。大臣、うなずいてくださっておりますけれども、まさにその思いは一緒だと思います。
そこで、このような従業員の方々の雇用の確保ということについて何らかの配慮が必要だと思うんですが、大臣、いかがでしょうか。
○西副大臣 今、種々委員からお話を伺いました。こういう宿泊施設、大勢の皆さんがいろいろな形態で働かれている、私も何回か泊まりに行かせていただきましたのでよく承知しているつもりでございます。
今回の施設の売却に対して、一義的にはこれは雇い主である委託先法人が責任を持っていただくということで、相談窓口をつくっていただいたり、それから再就職先を開拓していただいたりということはお願いしなければいけないということが前提ではございますけれども、我々としましても、委託先公益法人の従業員の雇用問題につきましては配慮をしていくという前提ですので、これからも協力しながらこの職員の雇用問題には配慮をしていきたいと思っております。
具体的に、国と独立行政法人が協力しまして、施設を購入した人に対して雇用を引き続きお願いする、それから、関連団体における求人情報の提供をお願いする、それから、地方自治体、地域の経済団体等への再就職支援のお願いをする等、我々としてできるだけの支援はしていきたいというふうに思っております。
○山井委員 できるだけの雇用確保への支援をしていきたいという答弁をいただきまして、それはぜひお願いしたいと思います。与党協議会の覚書にも雇用問題に対して配慮を十分行うということを書いてあるわけですね。雇用問題や老人ホーム等の入居者への配慮を十分に行うということが書いてあるわけですから。
そこで、もうちょっと踏み込みますと、従業員の不安が広がりますと施設運営にも支障が出ますので、施設が譲渡される場合、原則として従業員を継続雇用する、そういうふうなことを施設の譲渡契約に盛り込むことを明確にすべきではないか、そこまできっちりやるべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○西副大臣 ただいまのお尋ねは、従業員の継続雇用を譲渡の条件に盛り込むということはどうかというお話でございました。
先ほどから大臣からも何回も御答弁申し上げていますように、今回の譲渡というのは年金資金へいかにたくさんの資金を繰り込むかということが求められておりまして、こういう条件と雇用の確保を最大限図るということは、これはなかなか双方がうまくマッチするわけでは必ずしもありません。雇用の条件をつければつけるほど、今度は年金の方に回るお金、つまり売却のお金が十分行かないという非常に難しい問題を本来はらんでいることでございます。
この職員の雇用につきましては、先ほども申し上げましたように、第一義的には雇い主さんの責任でもって頑張っていただくということでございますけれども