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厚生労働委員会議事録(障害者の自立の支援及び社会参加の促進のための身体障害者福祉法等の一部を改正する法律案答弁

163-衆-厚生労働委員会-5号 平成17年10月21日
○大村秀章議員(自民)、桝屋敬悟議員(公明)、笠井 享議員(共産) の質問に対する答弁

(前略)
○大村委員 ぜひ、その努力をしっかりと進めていただきたいというふうに思います。また、引き続き我々もフォローをしていきたいというふうに思います。
 さて、お待たせをいたしました。民主党の案につきまして御質問させていただきたいと思います。
 今回、この障害者自立支援法に対しまして、民主党さんの方から対案という形で法案が、大変短い期間の中で大変御努力をされたということ、これは評価をしたいというふうに思います。こういう形で対案を出されて、そして、中身についてはこれから一つずつ申し上げたいと思いますけれども、こういう形で議論を進めていくということは、私は大変結構なことだろうと思いますし、そういう意味では、せっかくお出しいただいたものですから、少し中身を見させていただいて、きょうはぜひ山井委員と園田委員と、そんな肩に力を入れずに、ざっくばらんにいろいろ意見のやりとりができれば、そんなことで、ちょっと御質問をさせていただきたいというふうに思います。
 まず、マニフェストですね。この間の選挙の民主党のマニフェストとの関係について御質問をさせていただきたいというふうに思います。
 この点については、補助金の全廃、もうほとんど生活保護費以外の全廃のことを言っている。それはまた後ほど御質問あろうかと思いますが。私はまず、この民主党のマニフェストの二十五ページの、「介護保険の適正化、障がい者福祉の拡充に取り組みます。」というところの項目の中で、「二〇〇五年の法改正で先送りされた被保険者と受給者の範囲の拡大(介護保険のエイジフリー化)を二〇〇九年度から実施します。」こう書いてあります。御存じのとおりですね。
 それで、民主党さんというのはマニフェストを、前回の国会での介護保険の議論のときもそうなんでありますけれども、常にエージフリー化というのを主張されてこられた。私も、個人的には何となしにそのことを申し上げてきたものでありますけれども、そういう中で、一貫して介護保険の対象年齢の拡大、その中で障害者福祉もやるんだということを主張されてきたんですね。
 だけれども今回は、今までの既存の法律をそのままにしている、そして支援費の制度をそのままにしている。それで御負担はどうなるのか、まあ、それは取らないということなんでしょうけれども、そういう民主党さんが今まで言われてきたこのマニフェストのことと今回の法案というのは、その方向が私は違うというふうに言わざるを得ないと思うのでありますけれども、その整合性という点はいかがでございましょうか。

○山井議員 大村議員の質問にお答えいたします。
 まず、冒頭ですが、本当にこういう貴重な時間を使って対案に対して質問をしていただきましたことに、心より感謝を申し上げたいと思います。
 それで、今回私たち、対案を出させていただきましたが、冒頭に一言申し上げますが、非常に評判がよくて、多くの障害者の方々、団体の方々は、やはりこういう方がいいという声が圧倒的多数というふうに私は認識をしております。
 先ほど尾辻大臣からも、やはり丁寧に利用者、障害者の方々の声に耳を傾けて議論していきたいという話がありましたが、やはり通常国会と違ってこういう対案が出たわけですから、そういう選択肢が出たわけですから、じっくり、どっちがいいのかということを、まさにこれを決めるのは障害者の方々、現場の方々であると思いますので、そういう審議をしていきたいというふうに思っております。
 また、与党の議員さんにおかれましても、まだまだもちろん不十分な点はあるかもしれませんが、民主党の対案を出して、どちらがいいと思うということを、ぜひ地元の障害者の方々に聞いていただければと。
 それで、質問に答えさせていただきます。
 大村議員も、限られた時間なので、はしょっておっしゃったのかもしれませんが、私たちの対案の半分しかおっしゃっていないんですよね。当面支援費を続けて、来年四月から精神障害者も入れていくということを書いていますが、その後にちゃんと、二年間かけて包括的障害者福祉法制をつくっていくということは書いているわけでありまして、それで「検討」の中でも、年齢拡大を進めていくということもこの法案の附則の中に書いているわけでありまして、全く整合性はとれているわけであります。
 しかし、ここで非常に重要な部分は、政府・与党が言っている介護保険の普遍化、年齢拡大、エージフリーというものの定義と、私たち民主党が言っております定義が明らかに違うと思いますので、これは議論が混乱すると思いますので、私たち民主党が考えておりますエージフリー、ちょっと片仮名でわかりにくいので年齢拡大と言いますが、そのことの三原則をこの場ではっきりと申し上げて、大村議員の誤解を解きたいと思っております。
 まず一つ目は、あくまでも障害者福祉をよりよくしたい、障害者福祉により多くの財源を持っていきたい、そういう思いで介護保険を一部障害者福祉に活用できるところは活用したいというのが私たちの基本的な考え方でありまして、老人の方向けの介護保険に障害者福祉を統合する、無理やりくっつけるということでは全くありません。障害者福祉と老人の介護保険のニーズが全く違うのは明らかなわけですから、そこは、保険でできる部分は介護の部分でするけれどもそれ以外は税でやるということ。
 二番目は、当然、所得保障とセットでやるということ。
 三つ目は、これは一番重要なことです。あくまでも当事者の方々の御理解がないと制度改正なんかできないわけですから、やはりじっくり時間をかけて、二年間、私たち民主党は時間をかけて、どういう年齢拡大だったら当事者の方々が納得して安心してもらえるか、そのことをじっくり時間をかけてやりたいと思っております。
 そう考えてみると、まとめると、民主党は、介護保険をいいとこ取りして障害者福祉をよくするために年齢拡大をすべきと考えておりまして、障害者福祉のマイナスになるような年齢拡大、あるいは障害者の方々の理解や賛同を得られないような強引で性急な年齢拡大、そして所得保障を伴わない年齢拡大は行わないし、反対をいたします。
 最後に一言つけ加えますが、やはり今回のやり方は非常に強引でありまして、障害者の方々と政府が信頼関係を壊してしまったのではないかと私は思います。ですから、大村議員にお願いしたいと思います。もうこれで終わりますが、質問をされるときには、自民党はこのことについてどう考えているのかというのを言って、民主党に聞いていただきたい。私たちはマニフェストに入れて方向性は決めているんです。決めていないのは自民党なんです。そのことを最後に申し上げて、答弁を終わります。

○大村委員 質問に正確にお答えいただきたいと思います。
 時間がありませんので、次に行きます。
 ただ、一点申し上げますが、今、山井委員が言われたこと、マニフェストにはそこまで書いていないんですね。介護保険の財源を使ってこちらであれするんだということは書いていないんですね。ただエージフリー化ということが書いてあるということ、これから見て、私は民主党のメンバーではありませんし、国民の皆さんもそこまであれしない。ですから、マニフェストには介護保険のエージフリー化と書いてある、その点について、今回のものとはやはり違うんだなということは指摘をさせていただきたいというふうに思います。
 次に、精神障害者に対する福祉施策についてお伺いをいたしたいと思います。
 民主党の対案というのは、現行の法制度をそのまま残している、特に精神障害者の保健福祉をそのまま残している、こういうことでございます。今回、精神障害も含めた三障害を一元的に取り扱うということをしております。これは、障害者基本法の理念からも三障害を一緒に扱いましょうということでこれまで進めてきている、そういうものとはやはり違うということ。そして、多くの方々は三障害を一つにするということは評価をされている、民主党さんもたしか評価をされておられたというふうに思うんですが、今回はこれを先送りされているということ。この点についてのお考えもお伺いしたいと思います。
 もう一つ、時間もありませんのであわせてお伺いいたしますが、今回、民主党さんの法案の十二ページの第三条でございますけれども、精神障害者の支援費の支給については、「別に法律で定めるところにより、平成十八年四月一日からこれを実施する」というふうに書かれております。特別国会はもうあと少しで、十日ぐらいで終わるわけでありますけれども、この「別に法律で定めるところにより、」というのは、では来年の通常国会にお出しになるのか、お出しになって来年の四月に施行するのかということなんですね。
 では、それを前提にして、制度も中身もよくわからないのにどうやって予算を組むのか、予算を確保していくのか、そして市町村とか都道府県、実際にこういう業務に、事業に携わる方々についてどういうふうな説明をされるのか、準備期間もないわけでございます。そういう意味では、地方自治体そしてまた現場に混乱を招くということになると思います。要は、本当にこれが現実的なことかというのは、これを見ればだれもそう思えないと思いますけれども、その点もあわせてお聞きをいたしたいと思います。

○山井議員 大村議員、本当に私たちが一番訴えたいところを質問していただきまして、ありがとうございます。
 最初に申し上げますが、三障害一元化、そしてあらゆる障害を包括した法制をつくっていく、これは多くの人が賛成していることであります。しかし、大村議員、はっきり申し上げますが、多くの圧倒的多数の精神障害者の方々は、政府案のこの拙速な三障害一元化に関しては大変危惧を持って、多くの方が反対をしております。そのことを申し上げます。
 つまり、どういうことかといいますと、精神も一元化するという理念、このことに関してはだれも反対しないと思うんですね。問題は、まず一元化すると言いながら、その一方で精神障害者の方々にとって一番重要な一つである医療の部分の精神通院公費、三十二条の部分を打ち切ることになっているわけでありますね。これに対しては二十三万人の方が反対署名もしております。
 同時に、精神障害者も一元化すると言いながら、ホームヘルプに関しても小規模作業所に関しても通所利用者に関しても一割負担を入れて、精神障害者の方がサービスを受けにくくしている。
 そして、三つ目。これももう御存じだと思います、拙速に政府がやっている障害程度区分で、一次判定では、何と三人に一人の今既にサービスを利用している精神障害者の方が自立と判定されて、サービスが受けられない。二次判定を入れても五%の人がサービスを受けられない。
 だから、圧倒的多数の精神障害者関係の方々は、理念は賛成だけれどもこんな拙速にむちゃにくっつけられたらたまらない、だからもっとじっくりやってくれと。今、大村議員は民主党案は先送りだとおっしゃいましたが、逆に圧倒的多数の方々はもっと時間をかけてやってくれと。一元化の理念は方向性は正しいけれども、やはり今までばらばらだったものをやっていくためには、この認定の問題も、介護保険の認定で精神障害者の方がすぐにはかれるはずがないわけでありますね。そういう意味では、一元化という理念は政府案はすばらしいと思いますが、しっかり時間をかけてやるべきであると思っております。
 それと、次の質問に移りますが、来年四月から精神障害者の部分を支援費に入れるのを別の法律でつくるというのは時間もないし現場が混乱するのではないか、これも本当にすばらしい質問をしていただいたと思います。
 まず、私たちは、特別国会、もう終わろうとは考えておりません。やはり十一月もしっかり審議をして、やろうと思っておりますから、早急にこの法律はつくろうと思っております。自治体が混乱する、現場が混乱する、まさに皆さんに言いたい。二年半前に導入した支援費をこんな急に根本的に変える。大村議員、自治体が混乱するとおっしゃいますが、私たちは既にある支援費に精神を入れるわけですから、自治体にとっては今ある制度ですからそれほど大変なことではないんです、根本的に変える政府案の方がよっぽど今自治体は混乱しております。
 以上です。

○大村委員 質問したことにお答えいただきたいというふうに思うんですけれども。
 一つは、今申し上げましたが、要は、もし四月からやるんだったら今出していただけばいいじゃないですか、そこのところ。出さないのにそれは国会が何か延長してどうのこうの、そういうことを言われても、とにかく今ないものを前提にというのはちょっと無責任だ、私はこういうふうに言わざるを得ないと思います。これはまさに現場は混乱をするということにならざるを得ないということを申し上げたいというふうに思います。
 それから、時間がどんどんなくなっていきますので、次に参ります。
 それでは次に、これはちょっと法案の内容についてお聞きしたいと思いますけれども、知的障害者福祉法の二十五条二項の第一号、ここのところにグループホームの支援費についてのことが書かれております。これは法律でありますから予算補助になっているわけでありますが、これを今回改正されて、二十五条にまた引かれております。
 この点について、要は民主党さんの案では、すべていわゆる在宅サービスなど他のサービスは義務的負担にする、しかしグループホームを除くと書かれているんですね。ということは、これはそのまま裁量的経費に残る、予算補助に残るということに法律上はなるわけでございます。また、児童福祉法の第五十五条の二につきましても、この「児童デイサービスに係るものを除く。」というものをそのまま引っ張っておられるわけでございます。ということは、これも除くということで、義務経費にすべて移すということで言われておりますけれども、この部分は裁量経費にそのまま残るわけでございます。
 これについて、これからグループホームはやはり障害者の福祉施策の中で大変大事だ、これはふやしていくということでやっていこう、そういう意味で義務化をしていくというのが政府案ということであります。一方で民主党さんの方は、これはそのまま置いてきぼり、残っているということでありますけれども、この点について、これはいわゆる法案のミスということでよろしいのでございましょうか。ちょっとその点についてだけお考えをお聞かせいただきたい。

○山井議員 大村議員にお答えいたします。
 正直言いまして、私たち、この対案を三週間でつくりました。その中で、日夜いろいろな議論をする中で、一日でも二日でも一週間でも時間があれば、もっと完璧な法案にできるという思いで作業をしてきましたが、正直言いまして、国会審議は待ってくれませんので、時間的な制約があったことも事実であります。
 御指摘の知的障害者のグループホームの部分や児童デイの部分に関しても、私たちは法文の作成の際に議論し、大変悩んだ部分でありました。そして、その部分をきっちりとこれから力を入れていきたいという思いは、大村議員と当然思いを共有しております。
 しかし、確かに時間的な制約、技術的な制約の中で、今回の法律の中で積み残している部分があることは私は率直に認めねばならないと思いますが、その部分については、私たちの法案は二段階で、次の段階では包括的障害福祉法制というものを整備しておりますし、その中ではしっかりやっていきますし、また、大村議員あるいは与党の方々がお望みであれば、私たちはきっちりそういう修正協議も行ってまいります。与党のように修正協議に応じないというようなことは、もちろんございません。

○大村委員 要は、二段階といったって、皆さんが考えている包括法というのはまだ四年先なんですね。だからこれはそのままずっと残してしまうということなんでしょう。積み残しと言われましたけれども、平たく言って、目こぼしをした、法案のミスだということなんですね。その点は指摘をしておきたいというふうに思っております。
 もうどんどん時間が参りますので、次に進んでいきたいというふうに思います。
 さらに申し上げますと、負担能力についてでございます。
 利用者負担につきましては、民主党さんではその点についてはさわっておりません。したがって、扶養義務者の負担能力を残したままということなんですね。例えば、身体障害者福祉法の十七条の四、居宅生活支援費の額というのを見るところで、その二項の二号で「身体障害者又はその扶養義務者の負担能力に応じ、」ということを、それはほかの法律にもすべて、知的障害者福祉法、こういうものに全部そういう扶養義務者の負担能力というのが書かれておりますが、それはそのままになっておる。
 本人以外の負担能力を勘案するということは、障害者の自立の観点からやはり問題が多いということを民主党さん自身が主張されてこられたというふうに私は認識をいたしております。そういった意味で、我々は、さきの法案審議の際に、特に親兄弟のところの負担能力とは切り離しましょうということも決めさせていただいたということだと思います。そういう意味で、今までの、本人の負担能力で見るべきだということを主張されてきた、そのことと、今回この点について一切さわっておられないということについて、今までの民主党さんの主張とはこれもやはり矛盾をするというふうに私は思いますけれども、その点についていかがお考えか、お聞きをしたいと思います。

○山井議員 一言、先ほどの大村議員の理解に誤解があったのではないかと思いますので、つけ加えさせていただきますと、私たちは、与党の方々が知的障害者の部分、児童デイの部分を修正すべきというふうに合意してくださるならば、早急に合意する用意はございますので、四年間先送りということではございません。加えさせていただきます。

○園田(康)議員 ただいま大村議員からお話がございました積み残しという部分でございますけれども、利用者負担の負担能力の積み残しという点でいけば、実は政府案の中にも、もう御承知だと思いますけれども、精神保健福祉法の保護者制度のあり方、これは参議院の附帯決議の中でも入っておりましたけれども、これを検討するという形で、本来ならばこの精神保健福祉法の中にも、ただいま御指摘のとおり保護者制度のあり方というものがそのまま残っていて、政府案でもそのままいっているという形になっております。
 したがって、もう少し丁寧にお話をさせていただきますと、まず、大村議員が確認答弁でもお話になったかというふうに私も確認といいますか理解をしておりますけれども、親兄弟は今回の扶養者義務から外したという形でおっしゃっておられるわけでございますけれども、これはあくまでも選択制という形で、選択できることを政府が認めたという形になっております。
 すなわち、この場合の税制上と医療保険上の扶養を決定するのは障害当事者であるのかという疑問がまず残ってまいります。どちらが有利か、負担が減るかということに関して勘案するのは、やはりこれは最終的には、障害者本人が選ぶというよりも親兄弟がそのまま判断するという形になりはしないかという危惧を持っております。
 同時に、現行の支援費制度におきましては、これは、範囲は確かにおっしゃるとおりで、法文では扶養者義務という形でそのまま残っておりますが、ただしその範囲においては政省令で定めるという形になっておって、その中においては親兄弟はそこから外したという経緯があったわけであります。子供とそして配偶者、ここに限定をしていた支援費制度を、今回は残念ながらその親兄弟を除いた部分も加味して選択制をとっているということが、私はどうも後退をしているというふうに指摘せざるを得ないところでございます。

○大村委員 この点について、負担能力を考える上において、扶養義務者の位置づけというのは政府案ではどうなっているのかということを政府にお聞きしたいと思います。
 それから、先ほどのグループホームについて、予算補助に残る、ほかは義務化するんだけれどもこれだけは積み残してしまう、こういうことで本当に予算が組めてしっかり実行できるのか、この点についても、二つあわせて簡潔にお答え願いたいと思います。

○中村政府参考人 お答えを申し上げます。
 従来の支援費制度における費用負担については、本人のみならず一定の扶養義務者にも負担義務は課されておりましたが、今回の障害者自立支援法案では、扶養義務者の負担は廃止をいたしており、障害者本人、障害児の場合は保護者のみを法律上の負担義務者としたところでございます。
 グループホーム、児童デイサービスについてのお話がございましたが、十五年度、十六年度、大変、グループホーム三三%、児童デイサービス四二%の伸びを示しております。この財源が確保できないということが、支援費制度が行き詰まっており、今回障害者自立支援法を提出して義務負担とさせていただいたところでございますが、これが義務負担から外れているということは、今支援費制度が抱えている問題点をそのまま、そのままでありましたらその問題をグループホームや児童デイサービスについては抱えるということになるのではないかと思っております。

○大村委員 時間がだんだんやってまいりました。締めくくりに入りたいと思います。
 また、民主党さんの基本的な考え方という一枚紙がございますけれども、これを本当は質問したかったんですが、ちょっと時間がありませんので指摘をさせていただきますと、この中に、モラルハザードで過剰な利用にならないようにするという言葉もございます。そういう意味で、モラルハザードになるということをもう想定されておられるのかということも、これは指摘をせざるを得ないのかなというふうにも思います。
 それからまた、民主党さんの法案、先ほど山井委員からも冒頭御発言がありましたが、検討規定ですね。結局、二年議論をして検討をして四年後に必要な措置を講ずる。要は四年間先送りをするということなのかなというふうに思わざるを得ないというふうに思います。
 そういう意味で、先ほど山井委員が、三週間で何とかやり上げたので、とにかく出さないかぬので時間の制約があってと正直に言われておりましたけれども、そういう内容なんだなということを指摘せざるを得ないのかなというふうに思います。
 そういう意味で、改革とか対案とか、こういうふうに言われまして、私は出されたことは評価をしたいと思いますが、出される以上は、もう少し中身を詰められないと、法案としてなかなか審議の対象にならないのかなという気がいたします。そして、四月から施行なのにもかかわらず、その法律は別途定める、これでは現場が実際に動かない、こういうことを申し上げておきたいというふうに思います。
 そういう意味では、この政府案、我々政府・与党でつくってきた案といわゆる比較対照するというのはなかなか難しい法案だと言わざるを得ないというふうに私は申し上げたいと思います。
 最後に、私は、この法律を一日も早く成立させまして、やはり政省令、運用等いろいろなところを詰めて現場でもしっかりワークする、そういう内容にしていかなければいけないというふうに思います。
 それで、制度ももちろんなんですが、一番大事なのはやはり予算の確保だというふうに思います。そういう意味で、今年度一月の予定が四月になるわけですが、今年度の予算の確保、そして来年度の予算の確保、そうした点について、新しい制度をワークさせる意味での、裏打ちをさせる意味での予算の確保について、これからが予算の議論でありますから、大臣の決意を最後にお伺いをして私の質問を終わらせていただきたいというふうに思います。

○尾辻国務大臣 障害保健福祉関係予算の推移を見ますと、平成十五年度が六千六百五十九億円、平成十六年度が六千九百四十二億円、平成十七年度が七千五百二十五億円と着実に伸びております。
 今後とも、サービスに必要な財源を確保しながら、制度をより安定的に運営することが極めて必要でございます。障害のある方に必要なサービスを安定的に供給する体制をつくること、これが一番肝心なことと考えておりまして、今後とも、制度運営に万全を期しますとともに、必要な予算の確保に努めてまいります。

○大村委員 ありがとうございました。


○桝屋委員 公明党の桝屋敬悟でございます。
 さきの国会に続きまして、いま一度、自立支援法関係の審議をさせていただきたいと思います。
 さきの国会では尾辻大臣と一時間ぐらい議論をさせていただいたことを今思い出しておりますけれども、本日は、三十分の持ち時間でありますから、十五分ほど民主党の提案者に、そして残り十五分政府と議論したい、このように思っております。
 まず、山井先生初め園田先生、本当に御苦労さまです。限られた時間の中で対案をおつくりになった、まずは敬意を表したいと思います。
 私は、郵政の特別委員会でも対案に対して議論させていただきまして、何で前回出してくれなかったんですか、こう申し上げたわけでありまして、本当に前回出していただきたかったな、こう思っているわけであります。
 と申しますのは、対案の内容を見させていただきましたけれども、ますます民主党の障害者福祉に対する基本的なスタンスが私は見えなくなってまいりまして、とりわけ山井委員におかれては、いつだったでしょうか、どこかのシンポジウムで随分先生と一緒にパネリストとして出席をいたしまして、当時、私はまだ、自立支援法や障害の福祉と介護保険のリンクということについては大変慎重な姿勢を持っていた一人だったんですが、山井先生の弁舌を聞いて、説得をされて意識を変えた一人でありまして、そういう意味では、一体どうなっておるんだということを正直に聞きたいと思うんです。
 決して揚げ足をとるつもりでもありません。ここは国民の皆さんが見ていますから、対案をお出しになった基本的なスタンスを、小さい問題、先ほど大村委員との議論の中でいろいろ議論もありましたけれども、小さい、時間がなかったので十分でないというところは全部差っ引いて私は議論したいわけであります。
 思い出しますと、前回の国会で介護保険の改正の議論をいたしました。きょうは中村局長は後ろに座っておられますが、当時は介護保険のときに、山井さんや民主党と中村局長のやりとりを聞いていて、随分ひどいことを言うものだなと思って聞いていたんですね。特に介護予防、あの分野の話を徹底的にやられていましたね。恐らく反対だろうと私は理解しておりました。何で賛成になったのか、僕はいまだによくわからぬです、あのときの議論は。だけれども、賛成をされた、大人の対応をされたなということで、私を説得した山井さんの、なるほど、ここはやはりよくわかった対応だな、こう思ったんです。
 それで、支援費制度の議論になりまして、支援費制度も結構また激しいことをがんがんがんがんやって、自立支援法案に多分賛成されると僕は理解していました。きょうは時間がないから言いませんが、だって現行の支援費ではどうにもならぬということはお互いによくわかっているわけでありますから、だからここは賛成されるんだろうと思っておりましたら、反対をされた。何でそれに反対するのかというのは、僕はいまだに腑に落ちていないんですが。
 今回対案をお出しになると聞いて、なるほど、対案をお出しになるぐらいのお気持ちだったのか、こう思ったわけですが、出てきた対案を見て、裁量経費を負担金にしているのは結構ですけれども、その他は現行の制度をそのままやる、もちろん今から何年かかけて検討するというんですが、それはないだろうという正直な気持ちです。
 だって、現在の制度を残して、問題があるというのは十分皆さんも御理解されていると思いますから、そこを解決するための諸制度を、いろいろな仕組みを組み込んだ上でやっていくというんだったらわかるんだけれども、現行制度を続ける、負担金だけする。これでは、だって、山井さん、チャンスは今なんです、これだけおくれてきた障害の施策でありますから。介護保険はもう二巡目になっているわけですね、この前見直しまでして進んでいるわけでありますから。今始めないと手おくれになる。チャンスは前髪でという言葉がありますが、お気持ちはわかるけれども、この対案を見る限りチャンスを失ってしまう。私は、この激しい社会保障の制度の今の動きについていけないんじゃないかと。
 これはぜひ、多分そういう思いなんだろうというふうに僕は理解しているんですが、私の理解は違いますか。スタンスがよく見えないんです。御説明を簡単に、十五分ですから。

○山井議員 桝屋議員の御質問にお答えをいたします。
 桝屋議員とは、障害者福祉をどうすればよくなるのか、介護保険はよくなるのかという議論を本当にずっと今までやってまいりまして、そういう桝屋議員から一番本当に重要な部分の御質問をいただいたことを、非常に限られた時間の中でこういうふうに民主党にも質問をしていただいて、感謝しております。
 それで、先ほどの大村議員の質問とも多少重なることがあると思いますが、お許しいただきたいと思っております。
 まず第一点は、私たちは永遠にこの対案で支援費を続けると言っていないことは、当然、あの対案を見たら御理解いただけると思います。二年間続けていって、そして包括的障害者福祉法制をつくっていくということであります。
 それで、まさに今問われているのは、介護保険の年齢拡大あるいはエージフリーと言うけれども、一体それは何なのかという議論の認識が、改めて申し上げますが、今の政府と民主党とでは違います。ですから、先ほど言ったような私たちの、介護保険のいいところの一部を障害者福祉に活用して障害者福祉をよくしていくという考えが、今回の対案のとおりなのであります。
 それで、先ほど桝屋議員が、今がチャンスだ、先送り、それはないだろうとおっしゃいましたが、そこの現状認識は私たち全く違っておりまして、多くの障害者の方々から聞くのは、支援費制度が入って、今まで施設にいたのが在宅で暮らせるようになった、あるいはグループホームで暮らせるようになった、よかったなと、はっきり言って大部分の方は喜んでおられるんですよ。これからグループホームをもっとふやしていこうというときに、一割負担導入か、応益負担導入か、それはないだろうというふうに私たちは認識をしているわけで、やはり支援費制度ができて二年半で急に変える方が当事者不在じゃないかなと私は思っております。

○桝屋委員 そこは見解を異にする立場ですね。
 今、山井さんは、支援費が始まって喜んでおられるということをおっしゃったけれども、多少現場の声に引っ張られ過ぎていると思いますよ。確かに喜んでおられるところはあるけれども、実際に今の支援費ではどうにもならぬというさまざまな問題があるというのは、痛いほどあなたはおわかりになっているんじゃないですか。
 議論もしてきたし、何よりも私は、将来介護保険を利用する、あなたの言葉で言うと、介護保険を利用するという立場、僕も同じ立場ですよ、そう考えたときには、やはり、支給決定の手続であるとか認定の事務であるとか、あるいは、介護保険と違って障害者の世界というのは、さっきの議論にありましたように施設だけでもたくさんの施設がある、この体系の見直しをしなきゃならぬ。サービスの内容の見直しをしなきゃならぬ。何よりも、自立生活給付の中で、介護給付については体系をつくっていかなきゃならぬ。もう介護保険は動いているわけでありますから、私は、むしろチャンスを失うという立場だということを申し上げておきたい。いささか現場の声に引っ張られ過ぎているんじゃないか。
 それと、時間がありませんから、次のテーマに行きます。
 どうしても反論があれば、私は、本当に心配して申し上げているわけでありまして、もっと言いますと、では、これから二年やろうというのは、恐らく政府案の中でいいところは随分あるんだろうなと私は思っているんですが、それはそういう理解なんですか。できるだけ短く。

○山井議員 わかりました。
 本当に、桝屋議員のおっしゃることに私も賛同する点はありますが、根本的な問題は、応益負担、一割負担を導入すると、やはり障害者の方々の自立生活、社会参加に大きくブレーキがかかっちゃうんです。だから、一元化の方向とか年齢拡大の方向性は、おっしゃったように、同じ思いのところはかなりあります。しかし、主人公は障害者の方々なんですから、障害者の方々が今のこの急な改革ではサービスを受けられなくなるという不安がこれだけ多いんですから、やはり慎重にやるべきだと考えております。

○桝屋委員 そうすると、将来障害者施策が介護保険を利用するとして、一割負担の世界、介護保険は一割負担の世界ですよね、ここを変える、そこはだめだという発想ですね。そこはどうなんですか。

○山井議員 まさにそこがポイントでありますが、一例を申し上げたいと思います。ドイツでは介護保険を全年齢でやっております。障害者を含んでおります。しかし、障害者福祉の部分は、自己負担ゼロでやっております。だから、介護保険とくっつくから一割負担がそのまま入ってくるという考えは私たち民主党は持っておりませんし……(桝屋委員「持っていないのね」と呼ぶ)持っておりません。所得保障ときっちりセットで考えてまいります。

○桝屋委員 表と裏の議論、多分立場の違いだろうと思いますが、私どももこの自立支援法、障害者の皆さんが本当にお悩みになって迎えられているということは十分わかっていまして、だからこそ、何らかの手を打たなきゃならぬという思いで今日までやってきたわけでありますが、どうも制度に取り組む姿勢の違いではないかなと私は思っております。
 もう一つ聞きますと、今回、裁量的経費を負担金にするとされていますね。負担金にするというこの難しさ、簡単なことではないわけでありまして、それはお気持ちはわかるけれども、負担金にする以上、我々は単に財政当局を恐れているとかそういうことじゃないんですよ、本当に国民の皆さんに理解をしていただく……
 後ろで首を振るのはやめてくれないかな。だれだ、それ。真摯な議論をしているときに、何だ、その態度は。国会議員同士の議論をやっているんだ。どんな思いで僕らがやっていると思っているんだ。それ、下げてくださいよ。後ろに要りませんよ、サポートなんか。山井さん、要りませんて。あなたと私の議論じゃないか。(山井議員「はい。続けてください、続けてください」と呼ぶ)いや、不愉快なんですよ、後ろで。下げてくださいよ。(山井議員「いえいえ、ちょっと私もいろいろと資料を」と呼ぶ)何を言っているんだ。
 負担金にするということは我々だって大変に苦労があると思っています。障害者の皆さんもそうだし、やはりタックスペイヤー、税を負担されておられる皆さん方も、あるいは市民の皆さん方にも、とりわけ支援費を始めて大変に苦しんでいるわけでありますから。みんな見て悩まれているわけでありますから。
 したがって、私は、サービスの給付の手続であるとか、あるいは認定の事務とか、あるいは障害程度区分とか、まさに介護保険で始めたようなその手法というものを始めないと、それは自己負担の問題も含めてですよ、負担金にするということは容易なことではないというふうに思っているのであります。そのことを民主党の皆さんも理解されているんじゃないかな、私はこう思っているんですが、その点はどうでしょうか。

○園田(康)議員 基本的な御認識を私もやはり皆さんと共有をさせていただきたいというふうに思っております。すなわち、今おっしゃっていただいた支援費制度そのものの評価というもので、いわゆる問題があったと。
 私たちは、当事者団体あるいは当事者の方あるいは家族、そういった方々の御意見をよくよく聞きながら、今日までこの施策といいますか取り組みをさせていただいたんです。その中で、やはり今までの措置制度、支援費制度が導入される前までのその措置制度であった時代の、いわゆる地域に縛られていた、あるいは施設に縛られていた、そういう形からどんどんどんどん外に出ることができる、社会参加もできるようになってくる、そしてその中で障害者基本法ができてきて、その中からみずからの権利意識が芽生えて、そして参加をするようになってきた。これが第一歩であったというふうに私は思っておりますし、それは、ここにいらっしゃる皆さんも一緒に制度を拡充していこうという方向になってきたのではないかと思っています。
 ただし、その段階において恐らく与党の皆さん方が一番御苦労されたのは、あるいは政府の皆さんも御苦労されたのは、その中での裁量的経費という部分に関して予算確保がなかなかままならなかった。そして、それがいわば足かせになってしまって、残念ながら、この支援費制度がスタートして二年たったときに、毎年毎年予算不足という形で、やはり私たちは、その点に問題があったのではないかということ、まずここの基本を押さえていただきたかったなというふうに思っているんです。
 そうしますと、確かにおっしゃるとおりで、私も、あるいは民主党としても、今回の政府案の中において、その支給決定の方法であるとか、あるいは障害程度認定の区分のあり方であるとか、そういった手法を考えるという部分に関しては評価をさせていただいておりますし、三障害一体としてやるというのは、これも当然のごとくやっていかなければいけないというふうに思っています。したがって、改革ということではなくて、これはいわば今までの、新しく支援費制度が導入されたときの制度の議論を思い出していただいて、それをしっかりと拡充していくという考えに基づいていただきたいわけであります。
 したがって、だからこそ、今回の障害程度認定区分であるとか支給決定のあり方の中において、確かにいわば介護保険の手法を取り入れるというのはいいのかもしれませんけれども、ただし、介護保険そのものを入れてくるというのは、これは少し私は違うと思っています。新しい制度をこの障害施策の中で取り入れて、取り入れてといいますかつくっていくわけですから、そうですよね、つくっていくということであるならば、それはしっかりとしたデータのもとの中で、あるいは障害当事者の皆さんが生活をしておられる実態に即してきちっとつくっておくべきである。
 そして、また後ほど、私も午後の議論の中で政府案のこの障害程度認定区分の中身をしっかりと明らかにさせていただきたいと思っておりますけれども、そういう形で拙速にやることがさまざまな混乱を生んでしまうということの危惧があるんだということで、私たちはまず、制度をきちっと拡充をしていく、改革ではなくて拡充をしていった上で、そして二年後の議論に基づいてしっかりとした総合福祉法を、きちっとした制度そしてシステムの中でつくっていこうというふうに申し上げているわけであります。

○桝屋委員 介護保険が始まって、介護保険も走りながら考える、完全にでき上がったものではなくて、本当に現場で走りながらやってきている。それが、正直な話、私も苦しい思いで言っておりますが、我が国の福祉の現場だろうと思うんですね。
 そういう意味では、皆さん方は現場の声とおっしゃっているけれども、ぜひ理解していただきたいのは、我々も皆さん以上に、皆さんと同じように現場へ行って障害者の皆さんと懇談をしている、話をしてきて、あるいは市町村の現場へ行ってきて、相当な準備もできていて、これはもう今やらなきゃならぬ、もちろん問題がないということは言っていないですよ、多くの問題を抱えながらでも次の段階に行かなきゃいかぬ、改革のときが来ていると私は思っております。これは立場の違いだろうと思います。
 もう一点だけ。皆さん方のスタンスが僕はもう一つ見えなくなったのは、さっき大村議員も言われたけれども、マニフェストの中で、国と地方の関係で、生活保護以外は全部地方へ一括交付金として渡すんだと。その先でありまして、一括交付金と渡して、社会保障の分野は地方に任せようというふうに僕は理解しておりました。二十兆円のうち十八兆と書いてあったから、多分生保は一・九兆円ぐらいだから、この四千億ぐらいの支援費の部分はあのマニフェストをつくるときにはこの案のとおりになっていなかったんじゃないか。ここはむしろ、地方に渡すよりも、国の責任、生活保護と同じ世界に入れていくという発想ですよね。だから、そこは大きく変わったんじゃないかというふうに思いますが、どうですか。

○山井議員 非常に重要な点を御指摘いただき、ありがとうございます。
 私たちのマニフェストでは、二十兆円のうち多くを一括交付金にするということは確かに書いてございますが、逆に、生活保護とか一部に関しては残していくということになっておりまして、それで、ここからが重要なんですが、御存じのように、今まさに厚生労働省もおっしゃっているように、障害者サービスの地域間格差というのはめちゃくちゃ大きいものがあります。これを早急にやはり底上げしていって、ある程度格差なくできていった時点において地方に任せないと、今から地方に任せたらだめだと思います。
 それと、もう一点だけつけ加えさせていただきますが、やはり認識の違いです。現場を回ったとおっしゃいましたが、先日も一万一千人の方が、今のこの自立支援法では自立できない、当事者抜きに当事者のことを決めないでということをおっしゃっていましたね。私もこの五カ月間で六十数カ所回りました。でも、圧倒的多数は、やはり今回の自立支援法では、申しわけないけれども、自己負担と応益負担で社会参加、自立生活にブレーキがかかるという声が多いんです。だから、私たちはやはり、この法案、今が非常にピンチだというふうに思っております。
 以上です。

○桝屋委員 ピンチだからこそ、私どもは改革をという立場だと。政治は少し先を見て、痛みがあるかもしれないけれども、その痛みをどう克服するかという知恵を出しながら私は取り組んでいくと。残念ながら、皆さん方の対案は、この対案は山井さんの本音とは違うんじゃないかと僕は思っておりますが、我々と見解を異にするなというふうに言わざるを得ない、こういう思いがいたします。
 残された時間、ちょっと政府案に対して議論したいと思います。
 今の民主党の議論と続く話でありますが、今回負担金になるということで、今までは裁量的経費であったがゆえに現場の裁量というものがかなり自由にできた、これが負担金になりますから、大臣、この前も申し上げたかもしれませんが、昔、無認可の施設を例えば身体障害者福祉法や知的障害者福祉法の法の施設にすると、途端に運営がぐちゃぐちゃになって、四角四面になって、非常に現場はまさに利用者のニーズにこたえられないという経験を私はしたことがありまして、その実態を見てきたことがありますが、今回の改正がそうなってはならぬなと。とりわけ制度の移行期において、柔軟な対応というものを私は求めておきたいというふうに思います。
 そういう意味で、これは事務方に伺いますが、一つは、まず自立支援で重度の障害者の方々がどんな支給になるかということであります。障害程度区分ごとにこれからは単価も設定される、そして国庫負担金の基準が設定されるというふうに思っておりますが、重度障害者の実態から見ますと、それぞれ市町村において支援費においてはさまざまな工夫をしているわけでありまして、ここは、負担金になるからといって四角四面におやりになるのかどうか。流用とまでは僕は言いませんけれども、柔軟な対応が現場で求められるんじゃないかと思っておりますが、そこはそういう対応、運用が可能かどうかお尋ねしたいと思います。

○中村政府参考人 お答え申し上げます。
 負担金になった後の配分方法の問題だと思います。委員からお話ございましたように、新制度では、支援の必要度に合わせまして総合的に障害程度区分を導入いたしますので、基本的には障害程度区分ごとに国庫負担の基準を設定する、こういうことが基本になろうかと思いますが、今議論にもありましたように、全国的には大変大きな地域格差がございます。新制度に移行する場合に、当然、今そのサービスを受けておられる方々の現状に大きな変化が生ずるということはまさに一番大変なことでございますので、今委員からお話がございましたように、制度移行時の対応をどうするかについては、新たに定める国庫負担基準の水準、これは新しい基準を今定めようと思っておりますが、そういったことも踏まえながら、激変緩和については当然検討させていただきたいと思っております。

○桝屋委員 ありがとうございます。十分な検討をお願いしておきたいと思います。
 それからもう一点、今回の自立支援法の世界で行われる給付について、利用施設について、今までは、私も長い間現場におりましたけれども、月額単価で支弁されていた措置費の時代が長く続いてまいりましたけれども、今度は日割りになる、基本的に日割りだろうと。それはある意味ではいいことでありまして、日割りにすれば、恐らく定員以上の処遇も、お世話することも可能だろう、そこはそれで私はいいことだなと思っているんです。
 しかし、今、自立支援法の案を見て地方が心配していますのは、定員がオーバーしたときよりも、むしろ私の地元では定員が確保できない、障害者の皆さんでありますから、体の状態を悪くして入院をされたり、さまざまな状況がある、定員に満たないことがある、そうすると十分な運営費が確保されないということがあるのではないかという心配もしているのでありますが、この点は移行期においてどうでありましょうか。

○中村政府参考人 二つ申し上げたいと思います。
 基本的には、日払い方式に改めるのを基本に置いておりますが、今委員からもお話ございましたように、障害者施設、それぞれの施設の利用者の方の特性に応じまして、キャンセルの問題ですとか入院や外泊の問題など、さまざま定員と実員の乖離が生ずるようなことがございますので、そういったことについて一定の配慮を行うことは、これは当然だろうということが第一点でございます。
 第二点は、それぞれの制度の施設がございますが、いわば措置制度に使っている期間が長い施設ほど月額払いが定着しておりますので、そういった施設については現にかなり定員を下回っておられながら運営されているところもありますので、一挙に日払い方式を適用されると本当に経営が破綻してしまうというおそれもあろうかと思います。激変措置を講じ、そういったことがないように軟着陸をよく考えていきたい。
 その二点でございます。

○桝屋委員 それからもう一つ、現場でよく聞く声、山井さんに負けないぐらい私も現場を回ってきているつもりなんですが、現場に行きますとこういう誤解があります。
 自立支援法の第七条にこういう規定があります。これは、介護保険それから健康保険法等の他法の制度をまず優先して使いましょうねという規定、それとあわせて、国または地方公共団体の負担、特に地方公共団体の負担において自立支援給付に相当するものが行われたときはその限度において給付を行わないという条文であります。
 これは今までの制度の中にもあった規定でありますから私は安心をしておりましたけれども、現場に行ったらどういう話になっているかといいますと、この規定によって、例えば一つの、デイサービスにしても何にしてもサービスを実施する、それを地方自治体が上乗せをして実施するという場合、往々にしてあるわけであります、横出しじゃないですね、上乗せの部分、同じサービス、国のサービスと相当なサービスで上乗せをするという場合に、その上乗せの部分については、今度は自立支援法の世界では、この条文に基づいて何らかの調整がされるんじゃないか、地方自治体が単独で出している部分については、その分国庫負担金は削られるんじゃないかというような、誤解といいましょうか、そんな声があるのであります。私はそういうことがあってはならぬと思っておりますが、この点も確認をさせていただきたいと思います。

○中村政府参考人 お答え申し上げます。
 第七条の性格については委員からお話があったとおりでございまして、自立支援給付のいわゆる上乗せ、横出しとして地方自治体の単独事業として行うものについて、自立支援給付の給付の対象とは別のサービス部分に対して給付されるものでありますので、この規定の対象とはなりません。つまり、調整するというようなことは考えておりません。

○桝屋委員 もっともっと伺いたいところがあるのでありますが、最初に民主党の皆さんと激しい議論になりまして、大変声を荒げて反省しておりますが、ただ、せっかく議員が、民主党の皆さん方が対案をお出しになった、懸命に私も議論したい、こう思った次第でありまして、御容赦をいただきたいと思います。
 きょう、本会議であるいは趣旨説明で元気いっぱいに提案をされたあの何とかさん、第二の山井さんのような方が来られて、厚生労働委員会も元気で明るくなるなと喜んでおりますが、本当は彼ともう一回議論をしてみたいな、こう思いながらも、最後に大臣に、今のような支援費の移行期におけるさまざまな取り扱い、さっき山井さんは御答弁の中で、まだまだ地域によって差がある、こうおっしゃった、僕もその認識は同じであります。したがって、そこは賛成なんでありますが、差があるということは相当進んでいる地域がある、相当進んでいる地域がやはり今回の自立支援法の新しい体系に入るときにはさまざまな苦労があるだろう、移行期における十分なる配慮を最後に大臣に求めたい、回答を求めたいというふうに思います。

○尾辻国務大臣 まさに地域差がある、これを何とかしなきゃいけないという思いが今回の障害者自立支援法案をお願いしておる大きな理由でもあります。
 そこで、今度の自立支援法案にいろいろと御理解を十分いただいていないところがあるわけでありますが、その一つとして、今お尋ねいただきましたから申し上げますと、私どもは全体のレベルを上げようと思っているわけでありまして、予算の額を、総枠を同じようにして今の話をしますと、上と下があるわけですから、総枠が一定しているということになると、上が下がって下が上がって、こういうことになるわけでありますけれども、総枠をふやしながらこの制度を全体にかさ上げをしようというふうに思っておりますので、決して平均値に、上が下がって下が上がって落ちつくというようなことを考えているわけでもないし、今後の予算もそういうことで考えているわけではないということを申し上げて、上の方の水準は維持しながら下を上げてまいりますということを改めて申し上げておきたいと存じます。

○桝屋委員 終わりますが、最後にどうしても山井さんともう一言。
 チャンスだと僕はさっき申し上げた。大臣も今言われたけれども、予算の確保、僕ら与党も全力を挙げます。ただ、ここ二、三年のうちに、恐らく、障害者の福祉施策の予算をどうするか、端的に言いますと消費税議論も始まると思うんです。私は、それを見越すと今から制度を開始しなきゃだめだ、こう思っているんですが、山井さんの御意見を伺って終わりたいと思います。

○山井議員 本当に質問ありがとうございます。
 思いは共有をいたしますが、やはり応益負担、一割負担というのは世界にも例を見ない制度でありまして、障害者の社会サービス利用にブレーキをかけるわけなんですね。だから、これは正直言って私はやはり禁じ手だと思っております。
 以上です。

○桝屋委員 大臣が御答弁になったように、限りない応能負担に近いところにまで今来ているわけでありまして、次の大きなる議論をしなきゃならぬときが来ているのじゃないか、チャンスを失ってはならぬということを申し上げて、質問を終わります。ありがとうございました。


○笠井委員 日本共産党の笠井亮です。  今回の障害者自立支援法案は、申し上げるまでもなく、前国会で次々と問題点が明らかになった中で、総選挙で廃案になって、今度は院の構成も変わって、そして出し直されたものであります。  しかも、きょうの質疑でも、初めて法案審議に参加するという議員が午前中含めてございました。私も、かつて参議院におりましたけれども、この法案自身をやったのは今回もちろん初めて衆議院でやるわけでありますが、そういう意味では、継続審議ではなく、改めて趣旨説明もあって、そして民主党の提案も出されました。ですから、基本問題からしっかり時間をとって、参考人質疑そして公聴会という形で徹底審議すべき重要法案だと思います。  今国会での参議院での審議を経ても、障害者や関係者の皆さんから怒りの声が上がって、廃案にして仕切り直せ、この声がますます高まっていることを重く受けとめるべきだと私は思うんです。  そこで、最初に今国会に新たに提案された民主党提案の法律案について二点、端的に伺いたいと思います。  まず、民主党案では、精神も入れて三障害に対して支援費制度を適用することになる。これは、義務的経費として国の財政責任を明確にして応益負担をしないということでありますけれども、なぜ応益負担がだめだというふうにお考えなのか伺いたいと思います。

○山井議員 笠井議員にお答え申し上げます。
 そもそも応益負担といいますと、定率負担とも言いますが、障害が重いほど多くの自己負担を払うという制度であります。しかし、これはまさに福祉の理念に反しておりまして、世界じゅうを見ても、障害者福祉において障害が重いほど多くの自己負担を取るという応益負担の考え方を導入している国はありません。今回のこの法案が初めてであります。
 だれも望んで障害を持って生まれたわけではありません。なおさら、だれも望んでより重い障害に生まれたわけではありません。そういう方々からより多くの自己負担を取ろうとするこの応益負担という考え方は、福祉の理念に反すると思いますし、やはり改革という以上は、理念が最も重要でありますから、そういう理念の間違った政府案ではなく、私たちは、所得に応じた自己負担ということで、支援費の応能負担というものを当面続けようというふうに考えております。

○笠井委員 ありがとうございました。私も、今山井議員が答弁された点は非常に重要な点だと思います。
 もう一つ伺いたいんですけれども、民主党案では、難病なども対象とした包括的障害者福祉法の検討というのがございますけれども、策定段階での障害者の皆さんの意見の反映という点についてはどのように担保をされているか、お考えを伺いたいと思いますが、いかがでしょうか。

○山井議員 笠井議員の質問にお答えさせていただきます。
 今御質問いただきました障害者の声をいかに改革に入れていくかということは、最も重要なことであると思います。一番重要なのは、まさにこの制度の主人公は障害者の方々であるということです。
 そういう意味で、私たちは、まず何よりも時間をかける、今後二年以内に包括的障害者福祉法制を策定するというふうに書いておりますけれども、二年間じっくり障害者の方々の声を聞かせていただきたい、検討会をつくってやっていきたいと思っております。今御質問されましたように、難病や、また難病の中にもいろいろなケースもありますし、障害によってもさまざまな違いがあります。これを丁寧にやっていかねばならないと思います。
 一つだけ最後につけ加えさせていただきますが、今回の政府案の最大の問題点は、当事者不在、まさに利用される側の障害者の方々が障害者の声をもっとしっかり聞いてくれと言っているにもかかわらず、無理やり強引にこういう応益負担の制度を導入しようとしている。こういうやり方もやはり改革には決してなじまないというふうに民主党としては考えております。

○笠井委員 ありがとうございました。私も同感です。よくわかりました。
 そこで、政府案について伺いたいと思うんですが、私、政府案の最大の問題点は、今お話もありましたが、障害者福祉を現在の収入に応じた応能負担から、サービス利用は障害者が利益を受けるということだとして応益負担に変えたことだと思うんです。
 大臣は繰り返し答弁の中で、きめ細かな配慮、激変緩和をつけるなど限りなく応能負担に近づけている、こうおっしゃったり、負担の軽減に努めていると言われたり、予算もふやしていると言われております。しかし、私、何とおっしゃろうと、こういうやり方というのは、従来の収入に応じた負担方式によって低く抑えられて、ホームヘルプや通所施設について言えば九五%が無料で利用できたものが、すべて一律に一割の定率負担とされて、手厚い福祉が必要な重い障害の方ほど重い自己負担で、サービスを利用しにくくする。大臣は、すべての人に受けられるようにと言われたけれども、まさにそれに逆行して、福祉を壊すスキームにほかならないと私は思うんです。
 そこで、中村社会・援護局長に伺いたいと思います。
 局長は、参議院の審議の中で、「今度の法律というのは、やっぱりサービスは買うものだと、みんな買う主体になると、」「それが新しい福祉の考え方」、こういうふうに答弁されましたけれども、私、これはおよそ福祉の考えからいったら信じがたい答弁だと思うんです。健常者でも、本来社会保障の負担というのは応能であるのが原則であるべきでありまして、ましてや障害者の方々に応益なんというのを持ち込んでくるというのはもってのほかだと思います。まさに障害者の皆さんはハンディキャップがあるからこそ、その差を埋めるということで、それを支援するというのが、それこそが障害者福祉ではないかというふうに思うんです。
 私、その担当責任者である局長の発言、重大だと思いますので、障害者のサービスは買うものだ、そういう発言については撤回していただきたいと思うんですけれども、いかがですか。

(後略)

Posted at 2005年12月02日 15:00 | TrackBack
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