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厚生労働委員会議事録(介護保険法等改正案)

162-衆-厚生労働委員会-19号 平成17年04月27日
  介護保険法等の一部を改正する法律案(内閣提出第三〇号)
◇無年金障害者訴訟の控訴断念の要請
◇認知症予防
◇見直しによるホームヘルプサービスのカット
◇不適切な言葉の使用について
◇厚生労働省の姿勢について

○鴨下委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。山井和則君。

○山井委員 これから三十分間、質問をさせていただきます。どうかよろしくお願いをいたします。
 介護保険改正法案の審議も終局に近づいてまいりましたが、冒頭に一つ。

 四月二十二日、福岡地裁において、学生時代の発病により障害者となった原告に対する障害年金不支給処分を取り消し、原告勝訴の判決を言い渡しました。このことで、何としてももう控訴はやめてほしいということを最初にお願いしたいと思います。この判決は、地裁が本人やその御家族の置かれた窮状や切なる願いに対して真摯に耳を傾けたからにほかなりません。
 きょうのこの資料の最後のページに、「原告の親からのお願い」という平川栄一さん、そして不二子さんからのお便りをつけさせていただきましたので、その中で割愛して読ませていただきます。
  四月二十二日、福岡地裁が、学生時代の発病により障害者となった長男の無年金障害者に対する障害年金不支給決定の行政処分を取り消すよう判決を下しましたことを、感無量の気持ちで感謝いたしております。
  息子の発病当時、私どもはいまだ若く、何とか病気を治して人並みの勤めができることを願って、あらゆる努力をいたしました。しかし、その甲斐もむなしく息子の病気は進行し、重い障害者となってしまいました。その間の親の苦しみは筆舌に表せないものがあります。
  しかも、父親の私自身が昨年十一月二日、福岡地裁の結審から十一日目に大腸ガンによる腸閉そくで手術を受けました。第一リンパ節に転移していたため、五年生存率六十%と再発の可能性も低いとは言い切れない状況です。
  もし、高等裁判所に控訴され、さらに最高裁判所まで控訴が続くようなことになれば、果たして私が生きているうちに救済がなされるのか不安です。親亡き後の息子の将来が一番気掛かりです。この訴訟が親としてできる最後の勤めかもしれません。
というふうに、切々とつづっておられます。
 大臣、どうか、このような思いをしっかり受けとめていただいて、これがもし控訴されたら、本当にまたこれから長期間の御苦労を今まで以上に与えてしまうことになるわけです。控訴の断念を切にお願い申し上げます。
 大臣、答弁をお願いいたします。

○尾辻国務大臣 去る四月二十二日の福岡地裁の判決は、私どもも重く受けとめておるところでございます。
 これは、今お話しいただきましたように、二十前に病院を受診しておられるその日を障害基礎年金の受給要件である初診日と認定をして、そして、社会保険庁長官が行いましたところの障害基礎年金の不支給決定処分を取り消すというものでございます。
 今後の対応につきましてですが、判決の内容を十分に検討いたしまして、関係機関と協議をして対応してまいります。

○山井委員 これはほかの委員からも、参議院でも指摘があっていると思いますが、何としても控訴を断念していただきますように、改めて強くお願いを申し上げます。
 それでは続きまして、介護保険の質問をさせていただきます。
 まず最初に、認知症の予防のことについて質問させていただきたいと思います。
 三月に、平成十六年度老人保健健康等増進事業の認知症予防教室(増田方式)に関する調査研究結果というものが、このグリーンの冊子で出されました。
 それで、今回の審議では筋トレにスポットが当たっていましたが、筋トレ以上に重要であり、効果が明らかなのが認知症予防教室です。そして、これは、脳機能の低下段階において適切なサービスを提供するという脳のリハビリにより脳が活性化され、閉じこもりが減少し、家族以外との交流頻度がふえる効果が上がっています。具体的には、週に一回五カ月の教室参加で、リズム運動、パズル、風船バレー、じゃんけんなどの簡単な運動を楽しみながら、密接なかかわりで濃密なケアを行うものです。
 実は、私も、今から十年以上前からこの教室に行っておりまして、やはり将来、寝たきり防止とともに、こういう痴呆予防というものを、まだまだなかなか大きな課題でありますが、やっていかないとだめだという思いは十年以上前から持っておりました。そんな中で、今回、こういう調査結果も出たわけであります。
 その結果がどうかというと、ミニメンタルステートテストの指標でも、ここの資料、皆さんのところでも一ページ目に出ておりますが、パネルにもつくっておりますが、五二%が改善をしているわけですね、この上で。そして、四八%が変化なしという結果が出ております。そして悪化はゼロであります。
 注目していただきたいのは、筋トレの場合は一六%が悪化しているというデータもあったわけですけれども、これはそういう悪化はないわけですね。もちろん、認知症の予防というのは簡単な話でなくて、エビデンスについてももっともっと詰めていかねばならないと思いますが、先日の高知県で行われました地方公聴会でも、悪化の七割程度がやはり認知症の進行によるという、そういうふうな参考人の方から御指摘もあったわけでありまして、この認知症に対してどう対応していくのかということは非常に大きな、最大のテーマの一つであると言っても過言ではないと思います。
 そういう意味で、この報告書、厚生労働省さんとしても恐らくざっとお目通しかとは思いますが、このことについての見解と、そして、できれば予防通所介護という中でぜひともこういうことをやっていくことが可能なように要望したいと思います。大臣、いかがでしょうか。

○尾辻国務大臣 まず、認知症に対してどう対応するか、このことが大変重要な今後の課題であるということは、もう私ども全くそのとおりに考えております。
 そして、認知症に対する対応については、早期発見、早期対応が大変重要である、こういうふうにもまた認識をしておるところでございます。そこで、特に軽度な方々に対する働きかけにより進行を予防できるのではないか、こういうふうに考えまして、これまでもさまざまな取り組みがなされてきたところでございます。
 先生が今御指摘いただきました認知症予防教室につきましても、これはもう御案内のとおりでありまして、厚生労働省として、研究事業を通じて支援をさせていただいてきたところでありまして、こうした取り組みの中から、有効な方法を開発する必要があると考えておるところでございます。
 したがいまして、全体の取り組みの中では、まだ認知症の状態になっていない方も含めた幅広い集団に対して事業を実施する形がふさわしいと言われておりますから、地域支援事業において介護予防事業の一環として実施をすることといたしておるところでございます。

○山井委員 こういうことは、何をもって認知症の予防というかという定義とか難しい面もありますが、今回の委員会審議では筋トレという肉体的なリハビリの方が脚光を浴びましたが、やはりこの脳のリハビリ、認知症の予防というのは非常に重要であると思います。
 少し紹介をさせていただきますと、認知症予防教室、そこでは優しさのシャワーという大原則がありまして、一人ずつへの言葉かけやタッチング、褒める、感謝の言葉を言う、落ちこぼれをさせない、一人ずつにスポットを当てる。やはりこういう中で、この資料にもありますように、趣味が多くなり閉じこもりがちが減少したとか、あるいは、閉じこもりがちが四十三人から十六人に減少というような効果も上がってきております。
 何よりも、繰り返しますが、悪化している人はいないんです。やはり、六人に一人は悪化するとか、そういうふうなもの、もちろん筋トレがいい人もおられるでしょうけれども、そういう意味では、筋トレも一つのメニュー、そしてこういう認知症予防教室も一つのメニューとして、ぜひとも近い将来、予防通所介護などで制度化をしていただきたいというふうに思っております。
 私もこういう教室に何回か参加させてもらったこともありますが、やはりお年寄りに楽しんでもらう、仲間ができる、笑ってもらう、そういう意味では本当に人間の本質に非常に合っていると思うんですね、楽しみながらできるということで。ぜひとも、こういう教室を広げていくように、厚生労働省としても御支援をいただきたいと思います。
 それでは次に、この介護保険の改正法案の新予防給付のことをちょっとまた触れていきたいと思いますが、四月六日の質問のときに言いましたように、この介護保険がなかったら私も国会議員にはなっていなかった。この介護問題を十数年私ずっと研究しておりまして、大学でも教えておりまして、そんな中で、介護をよくするために、もっと言えば介護保険をよりよいものにするために、国会議員にならせていただきました。
 そんな中で、やはり今回の審議を通じて、本当にまだまだ疑問に思う点が非常に多いわけです。この国会での議論が余りにも現場からかけ離れてしまっているというふうに思います。
 そこで、少し時間をいただいて、要支援、要介護一のお年寄りの姿を改めてちょっと御説明をさせていただきたいと思います。(写真を示す)
 八十五歳、ひとり暮らしの男性、要介護一。ホームヘルパーさんに週に二回、二時間半ずつ来てもらって、一時間半は一緒にリハビリを兼ねた買い物、一時間は調理、洗濯、掃除などをしてもらっているわけなんですね。
 それで、この方がどうおっしゃっているかというと、脳梗塞で昨年入院し、退院してひとり暮らしをすることになったときは、不安で不安でたまらず、死にたいと思ったこともあった、しかし、ホームヘルパーさんに支えられ、励まされ、元気になった、ホームヘルパーさんの訪問回数が減ったらどうなるんだろうということで非常に不安に思っておられます。
 また、ホームヘルパーを余計に使って税金のむだ遣いの老人もいるかもしれないが、しっかり助かっているお年寄りもいる、まず実態を知ってほしい、十カ月の入院で六十二キロだった体重が四十九キロに減り、私は骨皮筋右衛門になった、筋力もほぼゼロ、もうお葬式の準備までしていた私がここまで顔色がよくなったのもホームヘルパーさんのおかげというふうにおっしゃっておられます。まさに命綱なわけですね。
 この方も、八十歳、要介護一。週に二回、一時間半ずつホームヘルパーさんを受けてひとり暮らしをされている女性の方ですが、この方も、自分でも調理ができる範囲はやっている。でも、握力がなく物が持ち上げられない。野菜をゆがくのは自分でやっている。ホームヘルパーさんと一緒に調理をしている。同行したケアマネジャーさんは、軽度者の家事援助をなくすとかえってお年寄りが重度化するのではないかというふうにおっしゃっておられます。
 三人目、最後のお年寄りの写真を紹介しますと、この方も、八十五歳で要支援でひとり暮らしで、週一回だけホームヘルパーさんがお風呂の掃除と買い物に来てくださっています。週二、三回ホームヘルパーさんに来てほしいが、厚かましいし、頼り過ぎると甘えになるので週一回で我慢しているということをおっしゃっておられます。
 そして、こうおっしゃっているんですね。昨夜ホームヘルパーさんからの電話で、あした話があると言われて昨夜は眠れませんでした、睡眠薬を飲んでも眠れませんでした、もうホームヘルプに来られへんと言われるのかとびくびくした、私はこのホームヘルパーさんに死に水をとってもらうことにしているというふうにおっしゃっているわけであります。
 先日、尾辻大臣も現場に行っていただいたわけなんですけれども、やはり今、現場のお年寄りは、今回の改正で家事援助がカットされるのではないか、今までのホームヘルパーが利用できなくなるのではないかということで非常に不安に思っておられます。詳しくは後ほど、確認答弁で横路議員がやってくださると思いますが、こういう本当に今不安に思っている高齢者の軽度の方々に、大臣にぜひとも、大丈夫ですよという言葉をかけていただきたいと思います。いかがでしょうか。

○尾辻国務大臣 先日も申し上げましたけれども、先生のお勧めもございまして、私も現場を見せていただきました。そのときに感じましたのは、今先生お述べになりましたように、利用しておられる方とヘルパーさんとの間の大変な信頼関係といいましょうか、人間的なきずなができているなということは感じました。これは、今先生お話しのとおりだと私も感じたということを申し上げるところでございます。
 そして、これも何回か申し上げたように思いますけれども、その現場を見せていただいた帰り際に、みんないましたから、きょう見せていただいたようなこうしたサービスが、今度の改正で、見直しで、まさかカットされるようなことにはならないなと言いましたら、これはもうそんなことには決してなりませんときっちり答えております。
 私が申し上げたいのは、今までそうして適切にお受けになってきた必要なサービスというのが、今度の見直しでカットされるものでは決してありませんということを明確に申し上げておきたいと存じます。

○山井委員 力強い御答弁、ありがとうございました。
 余りくどく言ってはなんなんですが、先日、二カ所行かれた、そこのサービスは減らないということですが、くどく言って本当に恐縮なんですが、まさかそこは例外的なところを行かれたというわけではないですよね。代表的なところへ行かれたということですよね。ちょっとだけそこを確認しておきたいと思います。

○尾辻国務大臣 正直に言いまして、私も連れていかれたところを見せていただきましたので、そこがどんなところかということを正確に承知しておるわけじゃございませんが、私をそういう例外的なところに連れていって見せたとは思いませんので、ごく標準的なところを見せてくれたんだと思いますし、私も、感じからしても、ごく普通の利用をしておられる方のところにお伺いをしたというふうに思っております。

○山井委員 そういう標準的なケースではそれほどカットはされないというふうに理解をしたいと思います。
 法案審議も大詰めに近づいてきましたが、私はやはり何点か非常に気になることがあるんですね。
 一つは、今も、なぜわざわざこんな写真を前回に続いて委員会で出させていただいたのかというと、私も十五年間ぐらい老人ホームで実習したり、デイサービスセンターで実習したり、ホームヘルパーさんと一緒に在宅のお年寄りの家を回ったりして、老人福祉のために議員にもなったわけなんですけれども、そこで感じているのは、軽度の、要支援、要介護一の高齢者であれ、非常にか弱いということなんですね。そういうホームヘルパーさんが減ることによって、先日も水島議員から話がありましたが、ホームヘルパーさんが減るかもしれない、そういうことを聞いただけで、もうそのショックで症状が悪化してしまう人もいるかもしれない、そういう状況であります。
 私も、議員になった一つの引き金というのは、あるお年寄りがこういうのをもっとよくしてほしいということを私に言われたのが一つのきっかけでありまして、私もそのおばあさんとの出会いが大きかったので、当選して二日後にそのお年寄りのところに電話をしましたら、残念ながら電話はつながりませんで、私が当選する少し前にそのお年寄りは亡くなってしまわれていたんですよね。
 なぜ亡くなられたのかなと思ってホームヘルパーさんに聞いてみたら、少し前に、ホームヘルパーさんが制度の改正によってかわることになったと。そうしたら、結局、何年間か一緒だったホームヘルパーさんがかわるだけでも、もう結構です、介護してくれていた夫も先に天国に行ったから、ホームヘルパーさんがかわるのを機に、私ももうこれ以上生きている気力がありませんと言って食事を拒否して、それから一週間後に亡くなってしまわれたということなんですね。それぐらいひとり暮らしのお年寄りというのは不安で不安で、やはりホームヘルパーさんが命綱になっているという面があるわけなんです。ぜひとも、そういうところ、慎重に対応していただきたいと思います。
 私は、今回の法改正でおかしいと思うのは、法律の中に高齢者の尊厳と書き込みながら、大臣も先日からおっしゃっておられましたが、家事援助をたくさん受けると廃用性症候群になるとか、何か逆にお年寄りの尊厳に反するような考え方が入っているんではないかというふうに思うわけです。やはり、こういう、筋トレをやらないと廃用性症候群になりかねないよと言わんばかりの趣旨というのは、私はおかしいと思うんです。
 大臣、私は、こういう、弱ったお年寄りを安易に廃用性症候群という非常に失礼な名前で呼ぶということは、高齢者の尊厳というものを書き入れた今回の法改正に矛盾している、ふさわしくないと思うんですが、いかがですか。弱ったお年寄りを安易に廃用性症候群と呼ぶということはやはりやめるというか名前を変える、そういうことを、大臣、高齢者の尊厳というのならば決断をいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○尾辻国務大臣 この法案の審議が始まりまして、事務方といろいろなやりとりが始まりましたときに、率直に申し上げて、この言葉、まずいなと思う言葉が幾つかございました。そういう言葉については、これはかえようといって、あるいはもうこの言葉は使わないようにしようといって、かえたものもございます。
 ただ、今の言葉でいいますと、学術的に使われてきているとかいろいろ言うものですから、何かかえられる言葉があるのかなと思いながら今日に至ってしまいました。そして、せめてもう自分では使わないようにしよう、こういうふうに思っておるところでございます。
 くどくど申し上げておりますけれども、今度のことで私が反省しましたことの一つは、何かそのことにかかわり合っていると、ついつい、違和感がなくというか、もう惰性でそうした言葉を使ってしまうときがあるなと。そういうことについて私どもは絶えず気をつけなければそういう言葉を使ってしまうということも感じたところであります。
 したがいまして、ふさわしくない言葉、本当にお年寄りの皆さんの尊厳を損なうような言葉遣いというのは厳に慎むようにしたいと思いますし、今日まで惰性で使っていたような言葉、とにかく一つずつかえていく必要があるというふうに感じておるところでございます。

○山井委員 私は、これは一つの言葉の問題じゃなくて、この法改正の、何か象徴しているような気がするわけなんですね。
 それともう一つ、私はやはりおかしいと思うのは、繰り返し厚生労働省さんは、訪問介護などをたくさん利用し過ぎるとそれこそ廃用性症候群になってお年寄りの症状が悪化すると言わんばかりの主張をしてこられました。私、この法改正で本当に納得いかないのが、現場を支えておられるホームヘルパーさん、ケアマネジャーさんあるいは老人ホームの職員さん、その方々に対する感謝の念、ねぎらい、激励という気持ちがこの法改正から感じられないんですね。
 どういうことかというと、訪問介護の利用し過ぎでお年寄りは廃用性症候群になっちゃった、そういうことを厚生労働省さんから言われると現場のホームヘルパーはどう感じるのか。そして、今回の法改正も、ケアマネジャーさんに任せておいたら不適切なケアプランをたくさんつくるから市町村がタッチしますと。確かにそういう例もあるでしょう。
 しかし、そういうことを言う前に、ケアマネジャーさんの独立性も担保されていない、中立性も担保されていない、また少ない介護報酬で、介護報酬、ケアマネジャーさんはマネーマネジャーとかと言われながらも、本当に、バーンアウトして、燃え尽きて、倒れてしまった方も私の知り合いのケアマネジャーさんにもおられます。過労の方、そして多くの方が、もうケアマネジャーをやめたいとおっしゃっている方もおられるわけですね。そういう苦しい苦しい中でケアマネジャーさんが頑張ってくださっているということに対する感謝とねぎらいの言葉もなく、ケアマネのプランは不適切なものが多いから法改正するんだと。やはりそういうところは私はちょっと違うんではないかというふうに思います。
 そこで、一つお願いと要望ですが、今までからこの審議の中でも、訪問介護をたくさん利用すると廃用性症候群になったり症状が悪化すると。確かにごく一部そういうケースもあるかもしれませんが、やはりそういうことは大々的に厚生労働省が言うべきことではないと私は思うんですね。
 その前に、繰り返しになりますが、ホームヘルパーさんが、あるいは介護職員の方が、ケアマネの方が、過去五年間最前線で、十分とは言えない労働条件の中で、雨の日でも風の日もお年寄りのために献身的にやってくださっているから、五年間で介護保険に対する評価もここまで上がってきました、ありがとうございます、しかし多少制度はいじらねばならないということにならないと、私は話の順序が逆なんじゃないかというふうに思うんです。
 今回の法改正でも、要支援の方や要介護一の方というのはほとんど文句なんか言いに来られません。あるいはホームヘルパーさんやケアマネジャーの方もほとんど、この法改正に対して文句を言う、そういう機会も与えられていないんですね。
 そこで、大臣、どうでしょうか、訪問介護の使い過ぎが廃用性症候群をつくるとか、やはりそういうふうなことというのは誤解を招く発言であった、基本的には多くのホームヘルパーさんのおかげでお年寄りが幸せに、こうやって継続的に在宅生活を過ごせているんだ、そのことに対して、厚生労働省を代表して、大臣としても非常に感謝して、労働条件をよくするために頑張りますということを一言言っていただきたいと思います。

○尾辻国務大臣 お言葉を返すつもりは全くありません。
 ただ、先日、これも申し上げておりますけれども、ホームヘルパーの皆さん方ともいろいろなお話をさせていただきたいと思いまして、何人かの方に大臣室に来ていただいて、いろいろなお話を伺いました。そのときもやはり、今、一部の皆さん、一部のケースというべきだと思いますが、そうしたことがあるという事例については、またそれぞれに皆さんが言ってもおられました。
 厚生労働省といいますか、私どもとしては、やはりそういうおしかりの部分、ここがまずいぞと言われることについてはずしんとくるわけであります。ですから、その言われていること、まずいと言われておしかりを受けることがどうしても頭の中にあるものですから、すぐそのことが口に出てしまうということ。申し上げましたように、決してお言葉を返すつもりもありませんし、言いわけをするつもりもありませんが、御理解いただければありがたいと思ってつい申し上げたところでございます。
 しかし、先日も、先生との間でも大部分か一部かというような議論もいたしましたけれども、多くの皆さんに頑張ってきていただいたおかげで、五年間で介護保険という私どもが初めて導入した制度がここまで定着をした。これはもう本当にありがたいことだと思っていまして、その影というよりももう主役として、ケアマネジャーの皆さん、ホームヘルパーの皆さんが一番現場で頑張っていただいてきた。そのことを否定するつもりも全くありませんし、もうそのとおりだと思っておりますので、改めて、皆さんのおかげで介護保険が五年間ここまで定着をしましたという御礼は申し上げたいと存じます。

○山井委員 私の質問時間も本当にもう残すところあと数分となりましたが、そういう意味では、私は、こういう老人福祉をライフワークとする人間として悔しいという思いもあります。
 やはり、反論することもできないホームヘルパーさんがこうやって廃用性症候群をつくったと批判され、あるホームヘルパーさんは、私たちはそんな極悪非道なことをやったんですかということをおっしゃっていられました。また、ケアマネジャーさんも、本当にケアマネジャーさんをやると家の帰りが遅くなって家庭が崩壊するとまで言われながら、歯を食いしばってやりながらも、国会審議の中ではケアマネには任せられない、不適正なケースが多いと。やはり私は、そういう、お年寄りの幸せのために、日夜、三百六十五日、本当に献身的に働いておられる方々のことを思うと、何か今回の国会審議というのは非常に悔しいという気がします。
 なぜ、この委員会審議がこれだけ混乱したか。私は、やはり厚生労働省さんの持っていき方はおかしかったと思います。
 私だったらこう言うというのをちょっと考えてきました。
 五年間、現場の方々のおかげ、市町村の皆さんのおかげ、また利用者の理解と協力があって、ここまで介護保険は定着してきた。しかし、給付が予想以上に伸びて、このままでは持続可能性が危うい。重度の方は切りにくいので、軽度の人を少しだけカットさせていただきたい。できるだけ悪影響が出ないようにするので、何とか協力してもらえないか。また、すべての人ではないが一部の人には筋トレも効果があるので、それも新たなメニューに加えます。ここまで介護保険が評価をされているのは、安い賃金、不安定な労働条件の中で、お年寄りのために献身的に働いてくださっているホームヘルパーさんや介護職員さん、ケアマネさんのおかげです。また、これからもサービスカットで御苦労をかける面もあるが、どうか何とかよろしくお願い申し上げます。最前線で頑張っていただいている皆さんは国の宝です。
 やはり、こういうことを言って法案審議をお願いするのが私は筋だと思いますが、そうではなくて、家事援助よりも筋トレをやった方がお年寄りは元気になるんですとか、そういうふうなことを言い出すから、本当なのかということで、この審議もその方向に流れてしまった面もあると思います。そういう意味では、私たち民主党も、正直に言ってくださったら正直に私たちもこたえるわけなんですよね。
 そういう意味では、この審議が、残念ながら、そういう入り口の筋トレや新予防給付に集中したことを、私も責任の一端はあるのかもしれません、非常に残念に思っていますし、本音を言えば、もう一回時間を返してほしい。ほかにもやらないとだめな審議の問題はいっぱいあるわけですよ、積もり積もった五年間の介護保険の問題が。
 ところが、やはり厚生労働省さんがここ半年間、わかっていられるでしょう、テレビを見ても新聞を見ても、筋トレマシンでお年寄りが元気になったという報道をあれだけはんらんさせて、やはりそういう問題点はあったと思うんです。
 最後に、こんなことを言ってもなんですけれども、尾辻大臣から、今回の改正によってお年寄りを幸せにするんだ、そのことの最後の決意を聞いて、私の質問を終わりたいと思います。

○尾辻国務大臣 私どもが申し上げたかったこと、気持ちとして持っておったことを最後に先生にお述べいただきました。私どもの言葉が足らなかったといいますか、あるいは説明がまずかったといいますか、そうしたことでもし皆さんに誤解を与えたとすれば、これはおわびをするものでございます。
 最後に決意を述べろということでございましたけれども、私どもは、介護保険の中でそうしなきゃならぬと思っています、お年寄りの皆さんの尊厳を守るということ、そして、お幸せに生きていっていただくというそのことについて全力を傾けますということを改めて申し上げて、答弁にさせていただきます。

○山井委員 時間が来ましたので、質問を終わります。ありがとうございました。
    ―――――――――――――

Posted at 2005年04月27日 12:00 | TrackBack
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