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介護保険制度について

「介護保険制度に関する質問主意書」について、国から答弁書が返ってきましたので掲載致します。

介護保険制度に関する質問主意書(平成16年10月21日)

 介護保険法施行より四年がたち、国は現在五年目の見直し作業をしているところである。平成16年7月30日に出された社会保障審議会介護保険部会から出された「介護保険制度の見直しに関する意見」には様々な観点から、被保険者の拡大や給付の見直しなどの案が示されているが、以前より多くの介護サービス利用者や介護職員より寄せられた疑問点や意見を解決するものとして十分なものとは言えない。そこで、以下のとおり質問する。

一、平成16年10月15日付けの朝日新聞によれば、大阪府が昨年行った高齢者虐待の調査で「虐待されて生命にかかわる危険な状態」と認識していた29人の中で、その後も虐待が継続され8人が死亡していた。昨年国が行った「家庭内おける高齢者虐待に関する調査」では約200名ほどが「生命に関わる危険な状態」と認識されていたが、その後の状況は把握しているか。

二、平成13年度より身体拘束ゼロ作戦として全国的な取り組みを続けているが、介護保険施設での身体拘束の全国的な実態調査をこれまでにしたのかどうか。また、身体拘束の状況はどうなっているのかお示し頂きたい。

三、介護保険施設で身体拘束ゼロを推進するためには、要介護度に応じた人員配置が必要であると考えるがいかがか。

四、介護サービス事業者が「身体拘束ゼロ作戦」を実施している旨の広告をすることは問題ないか。

五、日本労働組合総連合会が平成16年に行った「介護保険三施設調査」結果によれば、過去一年間に「身体拘束」を行ったと答えた職員は半数以上にも上り、「拘束した方が安全」「手が足りない」という理由が多かったが、この結果についてどう考えるか。

六、介護保険施設において、緊急かつやむを得ず身体拘束を行う場合、その態様及び時間、その際の入居者の心身の状況並びに緊急かつやむを得ない理由を記録することが義務づけられているが、五のように依然として身体拘束が存在することから、身体拘束の件数・態様等を一般に情報公開することを新たに義務づけすることはいかがか。

七、要介護度4、5の利用者しかいない介護施設において、3対1の人員配置基準通りで身体拘束することなしに介護することは可能か。

八、国はユニットケアを推進しているが、ユニットケアを行うためには入居者一人に対して、どれくらいの人員配置が必要なのかお示し頂きたい。

九、従来型の特別養護老人ホームと個室ユニット型の特別養護老人ホームが同じ3対1の人員配置基準で運営される根拠は何かお示し頂きたい。

十、介護現場の離職率は高く、非常勤職員の比率が高くなってきているが、質の高いケアの実施やケアの継続性を考えた場合、一定の常勤職員を配置させることが必要と考えるがいかがか。

十一、痴呆ケアの切り札として介護保険施設ではユニットケアが行われているが、精神病院に入院している痴呆性高齢者も同様の痴呆ケアを受ける必要があると思われるがいかがか。

十二、平成16年8月6日の日本経済新聞によれば、神奈川県と東京都の介護療養型医療施設の月間利用料が7万円から22万円までの開きがあり、フェイスタオルやおしぼり、シャンプーなどの日用品費として月に85000円も徴収している施設があるとしているが、これは事実か、またこのような利用料の価格差や高額の日用品費を徴収することを妥当と考えるか。

十三、平成16年9月14日の全国介護保険担当課長会議資料の中で、「東京都23区内の福祉用具レンタル価格の格差(1月)」として「ベッド」・TAISコード「00170-000027」の価格が最低2000円から最高28000円と14倍の価格差があるが、このことについてどう考えるか、又国が一定の価格の上限を示す必要があると考えるがいかがか。 
右質問する。

 内閣からの答弁書(平成16年10月29日)
一について
 財団法人医療経済研究・社会保険福祉協会において、厚生労働省から補助金を受け、平成十五年十一月から平成十六年二月にかけて、「家庭内における高齢者虐待に関する調査」を実施しているが、当該調査は、プライバシーに関する事項もできるだけ正確に把握するため、住所、氏名等の調査回答者及び調査対象者を特定できる情報について記載を求めていないため、調査対象者のその後の状況の把握はできないものと承知している。
二について
 介護保険法(平成九年法律第百二十三号。以下「法」という。)第七条第十九項に規定する介護保険施設(以下「介護保険施設」という。)における身体拘束の状況については、厚生労働省において全国的な調査を行ったことはないが、複数年にわたり調査を行った宮城県、神奈川県、愛知県及び愛媛県の調査結果によれば、いずれの県においても、回答があった介護保険施設等のうち、緊急やむを得ない場合を含め、身体拘束を行っていた施設の割合は、減少傾向にあると承知している。
三について
 介護保険施設において身体拘束を行わずに介護が行えるようにするためには、身体拘束を行った原因を把握し、当該原因を除去するために、施設職員の意識や介護の方法を改め、施設環境を整備することが重要であり、人員配置を手厚くすることによって直ちに身体拘束がなくなるわけではないと考えている。
四について
 法第四十一条第一項に規定する指定居宅サービス事業者及び介護保険施設のうち、病院又は診療所であるものを除いては、御指摘の「身体拘束ゼロ作戦」を実施している等の身体拘束をなくすよう努力している旨の広告を行ったとしても、その内容が虚偽又は誇大でない限り、特段の問題はないと考えている。
五について
 介護保険施設における身体拘束の状況は、御指摘の調査の結果のみでは必ずしも明らかではないが、介護保険施設において、当該入所者又は他の入所者等の生命又は身体を保護するため緊急やむを得ない場合ではなく、単に御指摘の「拘束した方が安全」又は「手が足りない」といった理由で身体拘束が行われている場合は、指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準(平成十一年厚生省令第三十九号。以下「指定基準」という。)第十一条第四項、介護老人保健施設の人員、施設及び設備並びに運営に関する基準(平成十一年厚生省令第四十号)第十三条第四項及び指定介護療養型医療施設の人員、設備及び運営に関する基準(平成十一年厚生省令第四十一号)第十四条第四項の規定に違反するものであり、当該身体拘束は許されるものではないと考えている。
六について
 介護保険施設において、当該入所者又は他の入所者等の生命又は身体を保護するため緊急やむを得ない場合に行われる身体拘束その他入所者の行動を制限する行為についての様態及び時間、その際の入所者の心身の状況並びに緊急やむを得ない理由に関する記録に基づき、当該施設における身体拘束の状況について、当該入所者のプライバシーが確保されることを前提とした上で、どのような情報開示が可能か、今後検討してまいりたい。
七について
 三についてで述べたとおり、介護保険施設において身体拘束を行わずに介護が行えるようにするためには、身体拘束を行った原因を把握し、当該原因を除去するために、施設職員の意識や介護の方法を改め、施設環境を整備することが重要であり、御指摘のような入所者の状況及び人員配置の場合であっても、身体拘束を行わずに介護を行うことは十分可能であると考えている。
八について
 特別養護老人ホームの設備及び運営に関する基準(平成十一年厚生省令第四十六号。以下「施設基準」という。)及び指定基準において、小規模生活単位型指定介護老人福祉施設における介護職員及び看護職員の総数は、常勤換算方法で入所者の数が三又はその端数を増すごとに一以上とすることとしている。
九について
 施設基準及び指定基準は、施設の状況が様々であることを踏まえつつ、最低限必要な人員配置を定めるものであるので御指摘のような人員配置基準となっている。なお、小規模生活単位型指定介護老人福祉施設については、小規模生活単位型ではない指定介護老人福祉施設よりも高い介護報酬を設定しているところである。
十について
 指定基準において、指定介護老人福祉施設は、常勤の生活相談員を入所者数に応じて置くとともに、常勤の看護職員を一人以上置くこととし、また、指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準(平成十一年厚生省令第三十七号)において、指定訪問介護事業者は、常勤の介護職員を事業の規模に応じて一人以上置くこととしており、現行でも一定の常勤職員を配置することとしている。なお、介護保険のサービスの質を確保するため、介護サービスを支える人材全体の資質向上について取り組んでまいりたい。
十一について
 痴呆性高齢者を含めた痴呆疾患患者については、患者の病態に応じて適切に治療や介護を提供することができる体制を確立することが重要であると考えており、介護保険施設と精神病院では施設の性格が異なることから、精神病院において直ちに小規模生活単位型の介護を導入することは困難であると考えるが、現在行っている精神保健福祉施策の見直しの中で、精神病院における痴呆疾患患者に対する適切な治療や介護の在り方についても検討してまいりたい。
十二について
 御指摘の事実については承知しておらず、お尋ねについてはお答えできないが、指定介護療養型医療施設が日常生活において通常必要となるものに係る費用であって、入院患者に負担させることが適当と認められるもの(以下「日常生活費」という。)の支払を受ける場合の取扱いについては、「通所介護等における日常生活に要する費用の取扱いについて」(平成十二年三月三十日付け老企第五十四号厚生省老人保健福祉局企画課長通知。以下「通知」という。)において、日常生活費に係るサービスは、入院患者又はその家族の自由な選択に基づいて行われるものでなければならず、日常生活費の受領は実費相当額の範囲内で行われるべきものであること、また、一般的に要介護者等の日常生活に最低限必要と考えられる物品(例えば、歯ブラシや化粧品等の個人用の日用品等)をすべての入院患者に対して一律に提供し、すべての入院患者からその費用を画一的に徴収することは、入院患者の希望を確認した上で提供されるサービスには該当しないと解されるため、日常生活費として徴収することは、認められない旨を通知しているところである。
十三について
 平成十六年九月十四日の全国介護保険担当課長会議の資料で示した「東京都二十三区内の福祉用具のレンタル価格の格差」のうちの「ベッド」・TAISコード「00170ー000027」の一月のレンタル価格については、最高額が二万八千円であり、最低額が二千円であり、倍率は十四倍となっているところである。しかし、レンタル価格毎の件数の構成比については、一万円から一万五千円未満までの範囲のものが全体の八十七パーセントを占めており、大部分の事例はこの範囲に該当しており、この二万八千円の価格だけが全体の価格と比較して特に高い価格となっている。福祉用具のレンタル価格は、同一品目の福祉用具であっても、新品と一定期間使用されたものとではレンタル価格が異なること、指定福祉用具貸与事業所の事業規模等により管理費用及び流通費用が異なること等により、レンタル価格に一定の差が生じることはやむを得ないと考えている。
 福祉用具のレンタル価格の上限を設定することについては、実勢のレンタル価格が上限価格から下がりにくくなることによって価格が硬直化するおそれがあること、個別に価格を設定する場合は、機能、材質等に着目しつつ、市場の実勢価格を把握した上で多くの単価を設定しなければならず、複雑な仕組みになること、いくつかの機能別にまとめて一律に公定価格を設定する場合は、利用者の状態に応じた個別の機能の評価が不十分になるおそれがあること等から、現行の実際の貸与価格を用いた保険給付が適当であると考えている。

Posted at 2004年11月12日 14:07 | TrackBack
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