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2002年6月20日 

衆議院 本会議 議事録 

解任決議案趣旨説明

これは山井が提出した原稿です

私は、民主党の山井和則です。
民主党・無所属クラブを代表いたしまして、
ただいま議題となりました、厚生労働委員長「森英介君」
解任決議案について提案の趣旨を説明いたします。

主文

本院は、厚生労働委員長「森英介君」を解任する。

以上であります。

以下、その理由を申し述べます。

厚生労働委員長「森英介君」は、委員長就任にあたり、自ら、
「わが国はいまだ厳しい経済状況を脱しない中、医療を始め、
年金、雇用失業対策などの抜本的な改革が求められており、…。」
と語り、医療の抜本改革の必要性を述べ、
あわせて委員長の職責の重大さを痛感し、
公平かつ円満な委員会運営に努めることを公約していました。

「健康保険法等の一部を改正する法律案」は、
抜本改革は先送りをする一方、
サラリーマンや高齢者の自己負担を大幅にアップさせる内容です。
この改正により、受診抑制がかかり、
医療を受けるのが手遅れになり、
最悪の場合、命を落とす人も出てきます。

また、このような自己負担増を、戦後最悪の不況の時期に
行うことは、ますます景気回復を遅らせ、ただでさえ近年、
急増している失業者や家庭崩壊、自殺者をさらに増やします。
このような国民の命と生活に直接かかわる法案として、
世論調査でも重要四法案の中でも、
最も国民の反対意見が強い法案であり、
慎重にも慎重を期した審議が必要でありました。

しかしながら、森君はさる六月十四日、
「健康保険法等の一部を改正する法律案」
他1案の厚生労働委員会における審議を突然打ち切り、
野党各党が強く抗議する中、与党単独で採決を強行するという、
自らの公約を微塵も省みない言語道断の
暴挙を行ったのであります。

そもそも同法案は、
小泉総理が厚生大臣当時に公約した二〇〇〇年度までの
医療制度の抜本改革が全く実現せず、公約の反古にされる中で、
その場しのぎ、場当たり的な対応により提出された法案であり、
いたずらに国民の負担増だけを強いるものであります。
そのような法案を重要広範議案と位置付けながら、
総理出席の締めくくり総括質疑や中央公聴会も行いませんでした。

さらに、名古屋と宇都宮での地方公聴会においては、
与党推薦の公述人を含めてほとんどの公述人が
この法案の問題点を次々に指摘するともに、
公聴会の意見を踏まえてさらに慎重な国会審議を要望しました。
にもかかわらず、公聴会の翌日に強行採決を行ったことは、
地方公聴会の存在意義を否定する暴挙であります。

加えて、ワールドカップサッカーの日本戦に
国民の注目が集まっているドサクサに紛れての強行採決は、
マスコミの目をそらし、国民の目を欺く
姑息で委員会運営と断ぜざるを得ません。

おまけに、強行採決の当日、当初は小泉総理本人が
日本ーチェニジア戦を観戦したいと言っていたというでは
ありませんか。
この小泉総理の責任感の無さ、緊張感の無さに対して、
国民は怒りを通り越し、あきれてしまっております。

法案提出の責任者である坂口大臣でさえ、
強行採決の翌週の18日の閣議後の記者会見で、
「社会保障の議論は、審議を尽くした上で
粛々と与野党出席のもとで採決すべき問題だ」と
語っておられるではありませんか。

にもかかわらず、強行採決を行った厚生労働委員長
「森英介君」の行為は、断じて容認できません。
この行為は、厚生労働委員長の重い職責に全く
背くものであります。

よって、ここに厚生労働委員長「森英介君」の解任決議案を
提出し、速やかに委員長解任を求めるものであります。

以上が本決議案を提出する理由であります。
満場の議員各位の心からのご理解とご賛同を
お願いいたしまして、提案理由の説明を終わります。


平成十四年六月二十日(木曜日)
    ―――――――――――――
 議事日程 第三十四号
  平成十四年六月二十日
    午後一時開議
 第一 離島振興法の一部を改正する法律案(国土交通委員長提出)
 第二 健康保険法等の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第三 健康増進法案(内閣提出)
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 厚生労働委員長森英介君解任決議案(釘宮磐君外一名提出)
 検査官任命につき同意を求めるの件
 情報公開審査会委員任命につき同意を求めるの件
 預金保険機構理事長及び同理事任命につき同意を求めるの件
 公正取引委員会委員長及び同委員任命につき同意を求めるの件
 公害等調整委員会委員長及び同委員任命につき同意を求めるの件
 日本放送協会経営委員会委員任命につき同意を求めるの件
 中央更生保護審査会委員長任命につき同意を求めるの件
 労働保険審査会委員任命につき同意を求めるの件
 土地鑑定委員会委員任命につき同意を求めるの件
 日程第一 離島振興法の一部を改正する法律案(国土交通委員長提出)

    午後一時三分開議
○議長(綿貫民輔君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
○馳浩君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。
 釘宮磐君外一名提出、厚生労働委員長森英介君解任決議案は、提出者の要求のとおり、委員会の審査を省略してこれを上程し、その審議を進められることを望みます。
○議長(綿貫民輔君) 馳浩君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(綿貫民輔君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加されました。
    ―――――――――――――
 厚生労働委員長森英介君解任決議案(釘宮磐君外一名提出)
○議長(綿貫民輔君) 厚生労働委員長森英介君解任決議案を議題といたします。
 提出者の趣旨弁明を許します。山井和則君。
    ―――――――――――――
 厚生労働委員長森英介君解任決議案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔山井和則君登壇〕
○山井和則君 民主党の山井和則です。
 民主党・無所属クラブを代表しまして、ただいま議題となりました厚生労働委員長森英介君解任決議案の提案理由を説明いたします。(拍手)

 主文
  本院は、厚生労働委員長森英介君を解任する。
以上であります。

 以下、提案理由の説明をいたします。

 厚生労働委員長森英介君は、委員長就任に当たり、みずから、我が国は、経済不況を脱することなく、抜本的な医療及び年金、雇用失業対策などの改革が求められておりと、医療の抜本改革の必要性を述べ、同時に、委員長の重大な職責を痛感し、公平かつ円満な委員会運営を公約したのでありました。
 委員会で審議されました健康保険法等の一部を改正する法律案は、抜本改革を先送りし、サラリーマンや高齢者の自己負担を大幅にアップするもので、この改正により、多くの患者さんが医療にかかるのを手おくれになり、命を失うことにもなりかねません。

 同時に、この深刻な不況の中、さらに自己負担を大幅にアップすることは、一九九七年の自己負担二割へのアップの例を振り返るまでもなく、ただでさえ近年急増している失業者や家庭崩壊、自殺者をますますふやし、景気回復をおくらせることは必至であります。

 このように、国民の命と生活に直接かかわる法案であり、世論調査でも重要四法案の中で最も反対意見が強いこの法案は、慎重にも慎重を期して審議することが求められておりました。

 にもかかわらず、六月十四日、厚生労働委員長森英介君は、突然、委員会審議を打ち切り、野党各党が強く抗議する中、与党単独で採決するという、みずからの公約をみじんも省みない暴挙を行ったのであります。

 そもそも、この法案は重要広範議案と位置づけられているにもかかわらず、総理の総括締めくくり質疑も中央公聴会も行わず、地方公聴会、名古屋と宇都宮においては、与党推薦の公述人も含め、ほとんどの公述人がこの法案に対する問題点を次々と訴え、同時に、この公聴会の意見を生かしてさらに慎重に審議を続けることを要望したのでありました。にもかかわらず、その翌日に強行採決を実行するということは、地方公聴会の存在意義をも否定する暴挙であります。(拍手)

 十四日の当日は、ワールドカップの日本戦で国民の注目がそちらに移る中、どさくさ紛れにマスコミの目をそらし、国民を欺き、強行採決をしたこのやり方は、こそくとしか言いようがありません。(拍手)

 おまけに、十四日の強行採決が行われた当日、当初は、小泉総理本人が、自分もワールドカップの日本戦を見に行きたいと言っていたそうではありませんか。このような小泉総理の緊張感と責任感のなさに、国民は、怒りを通り越して、あきれ返っております。
 加えて、法案提出の責任者であります坂口厚生労働大臣までもが、強行採決の翌週の十八日の閣議後の記者会見で、社会保障の議論は、十分に審議を尽くして、与野党ともに出席のもと採決する問題であると語っているではありませんか。にもかかわらず、厚生労働委員長森英介君が強行採決を行ったこの行為は、委員長の重大な職責に反するものであると言わざるを得ません。

 よって、ここに、厚生労働委員長森英介君の解任決議案を提出し、速やかに委員長の解任を求めるものであります。(拍手)

 以上が提案理由説明であります。

 昨日、鈴木宗男議員が逮捕されました。今、国会の国民からの信頼は地に落ちております。この信頼を取り戻す第一歩として、この委員長解任決議案が満場の議員各位の御理解と御賛同を得られますことを心よりお願いいたしまして、提案理由の説明とさせていただきます。

 御清聴ありがとうございました。(拍手)


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