国会質問会議録へ ホーム

2001年03月30日 

衆議院 厚生労働委員会 議事録


やまのい和則 質問 部分 

主にグループホーム夜勤について

鈴木委員長

 次に、山井和則君。


山井委員

 民主党の山井和則でございます。三十分間、どうかよろしくお願いいたします。

 この円滑な再就職を促進するための雇用対策法という中で、おとついの議論でも、小沢議員の方から、特に介護などがこれからの雇用を吸収する、創出していく大きな成長分野であるという御指摘がございました。また、我が党の城島正光議員もいつも、二十一世紀は公共投資よりも人材投資の時代であるというふうに言っております。

 ある調査によりますと、今までの公共事業に比べて、同じ投資額を投資しても、箱物をつくるよりは、医療や介護、こういう分野の方が約二倍ぐらい雇用誘発効果が高いということも言われております。この件につきまして、おとついの小沢議員の質問に対して坂口大臣は、確かにそうなんだけれども、現場の声を聞いてみると、介護報酬の低さがネックになってなかなか雇用がふえないんだという声を聞いたということを御答弁なさいました。

 そういう観点から、私はこの三十分の中で、この介護という分野でどうすれば雇用を創出していけるのか、今まで介護というともちろん、弱った方々をお世話する、そういう側面だったんですが、やはり雇用対策としても、そして再就職という面からもこの介護を考えていかねばならないと思います。

 そんな中で、私が今までから取り組んでおりますことに、痴呆性高齢者向けグループホームということがあります。坂口大臣は、先々週ですか、訪問されたと聞いております。この痴呆性高齢者向けグループホームについても、小学校区に一つ、二万五千カ所ぐらい将来的には必要と言われております。そう考えてみましたら、二万五千カ所で、常勤だけでも十二万五千人ぐらいの雇用、そして非常勤を入れると二十万人ぐらいの雇用が創出できるんではないかと思います。

 それで、このグループホーム、七、八人の初期から中期の痴呆性高齢者が生活するというところなんですが、まずお伺いしたいんですが、三月に坂口大臣、宮城県のこもれびの家というグループホームを視察されたと聞いておりますが、その御感想を一言お聞かせ願えればと思います。よろしくお願いします。

坂口国務大臣

 二週間ぐらい前になりますか、こもれびというグループホームを訪問させていただきまして、実際にそこに入所しておみえになります皆さん方にもお会いをさせていただきましたし、そこの経営管理をしておみえになります皆さんにもお話を伺ってまいりました。

 そこでお聞きをしました話を要約いたしますと、ここに、このグループホームに入ると、非常に症状が軽くなる。軽くなりますと、おうちに二、三日帰りたいとかいうようなことにもなる。そういうことになってまいりますと、だんだん、経営的に言いますとグレードが下がってくると申しますか、よくなってまいりますので、介護度という面から見ますとこれは改善されるわけでありますから、経営が苦しくなる。よくしなければならないし、よくすると、よくすればするほど苦しくなる、ここのところが何とかならないだろうかというようなお話がございまして、それはごもっともな御指摘だなと思いながら私もお聞きをしたようなわけでございます。

 そこに入所しておみえになります方が、お茶を出していただきましたり、あるいは漬物を出していただきましたりしたわけでございますが、御近所の方がお手伝いに来ていただいているのかなというふうに思っておりましたけれども、入所しておみえになる方だということをお聞きしてびっくりしたような次第でございまして、グループホームという行き方は大変意義のあるものだということを痛感した次第でございます。

山井委員

 ありがとうございます。そのようなグループホームが本当にどんどんふえていってほしいと思います。今大臣がおっしゃられましたように、やはり大規模な集団や、あるいは非常に、あれやったらだめ、これやったらだめと言われる自宅よりも、グループホームに入って表情が穏やかになったり、言葉数がふえたりするケースもある。

 実際、実は私もきのうの晩グループホームに一泊させてもらっておりまして、おっしゃったように、朝御飯食べたらどうや、お茶飲んでいくかというふうにお世話してもらって、まさに、スタッフの方かなと思ったら、その方が痴呆症のお年寄りで、きょう、これから仕事に行きますので失礼しますと朝八時にグループホームを出たら、またおいでや、こう言っていただいて、本当に痴呆症のお年寄りもこんなに穏やかに暮らされて、いいことだなということを感じました。

 しかし、今大臣もおっしゃってくださいましたように、介護報酬が低かったりして、一生懸命取り組むほどなかなか採算が成り立たないということもあります。

 このようなグループホームというものを、昨年の四月、介護保険と同時に制度化してくださった当時の厚生省の方々の御努力というのは、本当にすばらしいものだと私は思います。しかし、残念ながら、小規模であるがゆえに問題点も出てきております。

 先日、残念ながら国や県の監査が入ったグループホームがあるということを聞いたんですが、こういう問題はどのようになっていますでしょうか。

坂口国務大臣

 日本全体で見ました場合に、そうした、残念ながら一度監査に入らなければならないといったようなところも恐らく幾つかあるんだろうというふうに思いますし、現に入っているところもあるそうでございます。

 そうしたところをよく指導して、本当にそこに入所された皆さん方に御迷惑をかけない、初めのグループホームの趣旨というものが十分に生かされるような形になるように、徹底的な指導をしていかなければならないというふうに思っている次第でございます。

 全体でそういうのが全国で幾つぐらいあるのかというところまでちょっと把握をいたしておりませんが、幾つかそういう例はあるということを職員の方から聞いているところでございます。

山井委員

 具体的な、こういう指導があったというふうな例はいかがでしょうか。

桝屋副大臣

 委員におかれましては、けさもグループホームからの御出勤、本当に御苦労さまです。感謝を申し上げたいと思います。

 今委員からお尋ねありました件は、具体的には、例の神奈川県が指定をいたしました痴呆性高齢者グループホームのミモザケアセンターではないかというふうに思うんですが、このグループホームに関しましては、複数の苦情あるいは告発の手紙が寄せられました。あるいはまた、その内容から、入居者に対する処遇や施設の運営がずさんではないかという疑いもあり、国としても、良質なグループホームを育成していくという観点から見過ごすことはできない、このように感じまして、指定権限を持つ神奈川県と合同指導を三月六日に実施をしたところでございます。これは委員からも御指摘をいただいたというふうに伺っておりますが。

 その三月六日の指導結果といたしましては、運営全般にわたり、指定基準等に定められた運営が実施されていないということも認められまして、昨日、神奈川県と合同で、人員配置や事業運営などに関する二十六項目に及びます是正改善の文書を交付したところでございます。あわせて、二カ月の期間を経てなお是正改善が実施されない場合などには指定の取り消しなどについても行うというようなことも伝えてあるところでございます。

山井委員

 このケースについてそういうふうに取り組んでいただいたことに感謝いたします。このケースは、事業者にも問題があります。しかし同時に、介護報酬も低過ぎるという部分があるのではないかと思います。このようなことのサービスの質については、四月以降、サービスの評価を厳しくするとか指導強化するということでまた厚生労働省さんは取り組んでいただいていることに本当に敬意を表しております。

 そこで、昨年十一月十七日に当時の厚生委員会で私がグループホームの夜勤問題について質問しましたところ、本日もいらっしゃるかもしれませんが、当時の福島豊政務次官から、グループホームの夜勤について、現時点では夜勤の必要性が乏しいという御答弁をいただきました。ということは、夜間は宿直で対応すべきであって、宿直で対応できると理解してよいのでしょうか。また、ということは、グループホームの現在の介護報酬、要介護三で月に二十五万円ぐらいというのは、夜勤を想定していないと理解してよいのでしょうか。

坂口国務大臣

 このグループホームというのは、どちらかといいますと軽い痴呆の人たちを入れるところ、入れると申しますか介護するところでございまして、いわゆる重い人たちを扱うところではございません。もともと、そういう数名のあるいは十名前後の皆さん方が共同生活をする中で自然に回復をしていくような、そういう程度の人たちをグループホームで見ていこう、そういう形でスタートしたというふうに思います。そして、それ以上のところは、特別養護老人ホームでありますとか、あるいは老健施設でありますとか、そうしたところで見ていこうというような振り分けをしながら、軽い、軽度の、初期の痴呆性老人を見ていこうということでスタートしたというふうに私は思っております。

 それで、そうした状況でございますけれども、他の介護施設に比較をいたしますと、このグループホームの介護料と申しますか、これはほかに比較をするとかなりいいわけですね。私もいろいろなことを先ほど申しましたけれども、これはしかし、ほかの介護施設のことを思いますと、グループホームのときには非常に割り増しがついておりまして、いい介護料になっているわけでございます。したがって、その範囲の中でやっていかなきゃならない。

 先ほど私が申しましたのは、その中でも、そこに入るとだんだんと軽くなっていって、痴呆性老人の範囲から外れかけるような、外れかけると言うと言葉は悪いですが、正常とそんなに変わらないような人が出てきたりしまして、そうすると、この人を介護度五なら五に入れておいて果たしていいのだろうかというような状況になってくるものですから、だんだんといろいろの問題が出てくるといったことを申し上げたわけでありまして、もともと他の介護施設のことを思いますと、それなりの介護料というものを算定していたことも事実でございます。

 そして、若干話がずれましたが、その中で、いわゆる痴呆性老人でありますから、夜間にいろいろと動き回る人たちもいるかもしれない。しかし、特別養護老人ホームにお入りになっているような、一晩じゅう歩き回っているような重症の人たちはそもそもここには入れないという考え方で初めつくったのだろうというふうに思いますので、その辺のところの兼ね合いだというふうに私は思います。

 ですから、夜、一緒にそこで職員の人はお見えになりますけれども、お休みといっても仮眠ぐらいしかできないのだろうというふうには思いますけれども、お休みをいただいていても大丈夫なような人たちを入れるというような趣旨であったのではないかというふうに思いますが、その辺、しかしもう少し重い人もその中に入っていくということになってくれば、それはそれなりの対策を立てなければならない、こういうことになるのじゃないかというふうに思います。その辺の割り切りの問題だと思います。

山井委員

 今の発言を解釈しましてもう一回確認したいのですが、ということは、夜間は宿直で対応できると。私の質問を繰り返しますが、それで今の介護報酬には夜勤というものは想定していないというふうに理解してよろしいですね。

桝屋副大臣

 今大臣がお答えを申し上げましたのは、委員のお尋ねでありますが、介護報酬上どういう考え方になっているのかということでありますが、介護報酬ということでありますれば、もう委員十分御承知のことだと思いますが、入っておられる方の程度によって介護報酬というのは差がついているわけであります。加えて、初期加算ということもあるわけでありますから、今大臣るる申し上げましたが、グループホームの夜間の対応というのは私はさまざまな形があるのだろうというように思います。

 ただ、委員がぎりぎりと、では介護報酬でどうなのかと言われると、夜勤までは義務づけていないということでありまして、宿直員一名を配置することで対応が可能という設定になっているということでありますから、結果的には介護報酬におきましてはこの宿直員一名を確保した上での運営経費をもとに事業経費が成り立っている、こういうことでございます。

山井委員

 私、昨夜もそのグループホームで過ごさせていただいたのですが、今宿直で対応すべきということなんですが、違うのですか、もう一回お願いします。

桝屋副大臣

 ですから、夜勤を義務づけているというわけではないということでありまして、ぎりぎりの話では、宿直はもちろん一名は確保していただかなければいかぬということは当たり前でありますけれども、なお、入所されておられる方の八名なり九名の方々の障害の程度に応じて、私は、報酬というのはいろいろその状況によって差があると思いますから、施設でどのように全体の中でそれを運営されるかというのはいろいろあるのだろうと思います。

山井委員

 いや、そこをはっきりしていただきたいのですけれども、ということは、介護報酬は夜勤のことも想定しているのですか。夜勤を想定してこの介護報酬なんですか。

桝屋副大臣

 介護報酬ということでお尋ねであれば、宿直ということで報酬は計上させていただいております。

山井委員 

ということは、繰り返しになりますが、昨夜も私行っておりましたが、痴呆症のお年寄りが夜中に二十回トイレに立たれました。あるお年寄りは、行きは行けても帰りは自分の部屋に帰れません。あるお年寄りは、トイレに行けても自分でパンツがずらせません。あるお年寄りは、トイレに着いても気がついたらもうお漏らししちゃっています。当然そのたびに宿直の方は起きて行かれるわけですね。ということは、こういうことに関して宿直はやっていいのか。

 実際、長崎県の労働基準監督署から立入調査が平成十一年一月二十日にありまして、これはもう宿直の仕事ではない、労働基準法違反である、それで、これは夜勤に変えなさいという指導が出て、変わっているのです。

 ということは、痴呆症のお年寄りで、坂口大臣おっしゃったように軽い人も入っていられるでしょう。でも、時間の問題で夜間徘回されることも出てくるでしょう。その徘回される方が出たときに、対応するときに、夜勤をつけようと思ったら採算が成り立たないわけですね。先ほどおっしゃったように、今の介護報酬は宿直で対応しているわけですから。

 そこで、宿直でそのような夜間の徘回に対応しても、労働基準法上問題ないのですか。そのことをちょっとはっきり言ってください。

桝屋副大臣

 お答えをいたします。

 委員が昨日お泊まりになった施設、二十回という話がありました。職員の体制がどうなっていたのか、あわせて聞かせていただきたい気持ちもあるわけでありますが、今、宿直業務を行う者と、それから労働基準法の関係のお話がありました。

 宿直の業務というのは、これはもう前から、福祉施設等で宿直とはどう規定をするのかということは、恐らく委員も十分御承知であろうと思いますが、四十九年当時の旧労働省の労働基準局の課長通知によりますと、宿直許可の対象となる夜間作業というものについては、軽度あるいは短時間というものについては福祉施設等については宿直許可の対象となるというふうに私どもは理解をしているわけであります。

 この軽度というのは、おむつの取りかえでありますとか夜尿起こしでありますとか、要介護者を実際にハンドサービスで抱きかかえてというところまでは想定していないのでしょうが、おむつの取りかえとか夜尿起こしということであれば、これは軽度になるのかなと。

 あるいは、短時間というのは、今二十回という話がありましたが、これはちょっと私も判断がなかなか悩ましいところですが、軽度の介助作業が一晩に、一勤務中に一回ないし二回というような想定ではないかというふうに思っておりまして、二十回ということが、ちょっと私は実態がよくわかりませんから、よくお聞きしなきゃいけませんが、そうした形だろうというふうに思っております。

 そういう軽度あるいは短時間の業務であれば宿直勤務ということになるんだろうと思いますし、労働基準監督署の許可を受けられるものだというふうに理解をしているところでございます。

山井委員

 改めて聞きますが、それが一回や二回で済まないようになってきている現状が日本じゅうのグループホームにあります。その場合は労働基準法違反にならないのですか、宿直でやった場合。

坂口国務大臣

 先ほども申し上げましたとおり、このグループホームの中にどの程度の人たちを入れるかという初めの問題に帰ってくるのだろうと私は思うのです。ですから、かなりそういう厳しい人たちもグループホームの中に入れなければならないという、そういう事情があれば、それはやはり今後考えなければならないと私は思うのですね。だけれども、初期には、そういう人たちはできるだけ特別養護老人ホームなりそういう施設に行っていただいて、そして非常に軽い初期の段階の皆さん方で夜勤の必要でないような人たちを対象にということであったのではないかというふうに私は理解をいたしております。

 私も、過去に特別養護老人ホームに勤めたことがございます。落選をいたしまして、それで私はその間、昔とったきねづかとまではいかなかったのですけれども、三年半ばかりそこに勤めたわけでございますが、今お話しになりますように、やはり多い人は、非常に難しい人は、五分置きにブザーを押すわけでありますから、五分置きにブザーを押されましたらそれは寝ておれません。もうその人にかかり切らなければならないわけであります。歩く人もおれば、そういうブザーを押し続ける人もいるし、それは大変でございます。ですから、どういう人をそのグループホームが引き受けるかということによってそこは違ってくるだろうというふうに私は思います。

 今御指摘になりましたような、日本国じゅうの中で、もうそういうふうな重い人をこのグループホームで引き受けなければならないというような事態になっているのに、この厚生労働省が、労働省も所管する厚生労働省が、その肝心かなめのところが法律違反をしておるようなことでもいけませんから、そこは改善をしていかなければならないというふうに思いますが、やはりそこのところを私たちももう一度整理をして考えるということにしたいというふうに思います。

山井委員

 再就職の話にも移らないとだめなので余り長々と話しませんが、一言申し上げたいのですけれども、残念ながら、痴呆というものに対する認識が誤っておられます。重度、軽度関係なく、痴呆症のお年寄りというのは晩起きるケースが多いのです。やはりそのことを前提にしないと、厚生労働省さんの痴呆政策というのは成り立たないと思います。

 晩ぐっすり寝る痴呆症のお年寄りだったら、家で見られるじゃないですか。晩手がかかって家で見られないからグループホームを利用するのであって、晩おとなしく寝てくださる痴呆症のお年寄りだったら、家で見られるわけですよ。言ったらなんですけれども、そんなことをここで答弁していただいたら、厚生労働省さんの痴呆対策あるいはグループホーム対策は根本的にひっくり返ってしまうのですね。そういう意味では、初期から中期の晩手のかかる人も入所するのがグループホームであって、現在入所しておられるのです。

 そこで、確かにごく一部、宿直で対応しておられる、晩ぐっすり寝ていられるグループホームもあるかもしれません。そこはいいです。でも、厚生労働省さんが当初想定されなかったように、今大臣おっしゃったように、晩も手のかかるお年寄りがいても、あなたすぐ出ていってくださいとは言えないですよね。そういう場合は、夜勤加算をつける必要がある。

 二年後の介護報酬の改定では遅いので、早急に今年度でもグループホームの夜勤や宿直について調査をされるのではないかと思うのですけれども、そのときに宿直ではもう対応できなくなっているということがわかれば、そのグループホームはその時点で労働基準法に違反しているわけですから、即、二年待たずに夜勤加算なりの形でそれのための報酬をつけてほしいと思うのですが、いかがでしょう。

桝屋副大臣

 夜勤加算のお話でございますけれども、その前に、今大臣と委員の議論を聞いておりまして、グループホームが介護保険に入ってきた、そして、今先ほど最初に委員からもお話がありましたが、将来、これから二万五千という数字も出されました。実際には八千数百のようでありますが、今の介護保険の事業計画に沿ってこれから進んでいく。こういう中にあって、グループホームの介護報酬をどう扱うのか。

 委員御指摘の夜勤あるいは宿直、この部分をどう考えていくのかということは、報酬さえ上げればいいということで整理できるのか。そこは、例えばバックグラウンドの施設の連携等のあり方とか、あるいはグループホームの運営形態のあり方等も含めて全体でやはり検討しなければならぬだろう。こう思っておりまして、現時点で夜勤加算を設定するということは、いまだにまだ検討はいたしておりません。

山井委員

 とにかく、申し上げておきます。今宿直で多く行われている夜勤並みの労働は、労働基準法違反の疑いが非常に強い。私、ここで指摘しておきます。これから放置しないでくださいよ。もしこれを放置したら、国会で問題になっているのにそれを放置したということになりますから。

桝屋副大臣

 労働基準法のこの許可を受けてやっているものが、その許可の内容を著しく超えているということがあれば、これは労働基準法に沿ってきちっと対応しなければならぬ、このように考えており、またそのようにさせていただいているというふうに思っております。

山井委員

 それで、このようなよいグループホームをふやしていくためにも人材が必要なんですが、これからその雇用創出、いい痴呆ケアの人材、まさに晩一緒に付き添えるような人材がなかなかいないということで、グループホームもふえていないのです。

 そこで、厚生労働省さんは、痴呆研究研修センターを始められたり、あるいは痴呆介護行政推進担当者研修、いろいろな研修をされていてすばらしいと思うのですが、それとともに、やはり指導者研修だけではなくて、こういう痴呆ケアのスタッフをふやしていくという研修をしていただきたいと思うのですけれども、その点についてお伺いします。

桝屋副大臣

 研修のお話でございますが、今委員からも御指摘がありましたように、ただいま全国三カ所の高齢者痴呆介護研究センターにおいてまずは指導者を養成する、そしてこれから順次、十三年度、先ほどから委員から御指摘がありましたように、痴呆という問題をやはり介護の現場でしっかりとそれぞれ従事者の方に理解をしていただくための努力をしていきたい、こう思っております。

 先ほどお話がありましたように、グループホームの管理者とそれから計画作成担当者については義務づけをしたわけですが、その他の職員についてもというお話をいただきました。おっしゃるとおりでありまして、特に、単独なり新規のグループホームというようなものについては、委員御指摘のような問題もある可能性もあるわけでありまして、他の職員についても痴呆介護の研修を受講する機会の確保に努めるように、事業者に対して先般の課長会議等でもお願いをしたところでございます。

山井委員

 最後の質問になりますが、旧労働省さんも、このようなことに関して介護労働安定センターでホームヘルパーさんなどの養成、これはある意味で、福祉という観点ではなくて、まさに今回議論している雇用対策ということについてだと思うんです。

 確かに、痴呆ケアスタッフには長年の経験も必要ですけれども、同時に、非常に足りていないということがあります。片や失業者がふえて、片や痴呆の専門スタッフが非常に足りていないという現状において、こういう介護労働安定センターを含めた再就職、リストラに遭った方々、男性の方、女性の方でもできる仕事、しかし、きっちりとした研修が必要な仕事ですので、そういう雇用対策として、再就職のための支援として痴呆介護者研修というものを幅広くやっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

桝屋副大臣

 今の御指摘も、本当に御指摘のとおりでありまして、介護労働安定センター、この点も言及をいただいて本当に感謝にたえません。安定センターを中心にしっかりと取り組んでいきたい。

 特に、委員御指摘がありましたように、離職者を対象に介護分野の公共職業訓練を今実施しているところでありまして、相当の成果を上げているということであります。今後とも、関係機関との連携を図りながら、痴呆ケアスタッフの需要動向の把握にも努めながら、公共職業訓練の展開にも的確に対応してまいりたい、このように思っております。

山井委員

 きょう、介護というこれからどんどん雇用を創出していく分野、これがやはり再就職の一つの大きな柱になっていくと思っております。また、グループホームについては、たしか七年か八年前、公明党の沢たまき参議院議員さんが当時の厚生大臣に要望書を持っていかれて、最も公明党さんがこういう痴呆対策やグループホーム、福祉の問題は頑張っていられるというふうに私もある意味で敬意を表しておりますので、坂口大臣を先頭に、ぜひとも雇用対策と痴呆対策に取り組んでいただきたいと思います。

 本日はありがとうございました。

鈴木委員長 この際、暫時休憩いたします。
    午後零時十二分休憩


会議録へ ホーム