やまのい和則ホーム  マスコミ

城南新報(地元紙) 2002108

若者4人が白熱の論戦

南部の市町村合併考える

それぞれの理想のまち・・・主張

「夢の50万都市」「小さな行政継続」

衆議員山井事務所政策シンポに市民100人

シンポの写真はこちら

宇城久・綴喜7市町村の合併の是非を検討する任意組織「宇城久地域合併・将来構想策定協議会」の発足総会が今月10日に迫り、地元でも話題が高まる中、衆議院議員・山井和則事務所のインターン(実習生)として活動してきた若者4人が6日、宇治市生涯学習センターで南部の市町村合併を考える政策シンポジウムを開いた。
地元の市町村合併を巡る動きは先月9日に京都南部地域行政改革推進会議「宇城久・綴喜地域合同分科会」の久保田勇座長(宇治市長)が構成7市町村の首長らに任意の協議会の結成呼びかけを行ったのを受け、各市町すべての首長が『参加』の意思を表明。

また、各市町とも府が示した合併パターンに基づく財政シュミレーションや現時点で考えられる合併によるメリット、デメリットを示した広報紙を全戸配布したことにより、住民レベルでの合併論議は日増しに高まっている。

そんな中、この夏、山井事務所でインターンとして活動してきた若い世代の河野孝匡さん(立命館大学4回生)、山下恵理子さん(同大学3回生)、山雄慎吾さん(帝塚山学院大学3回生)、降旗仁美さん(社会人)の4人が6日、しっかりとした持論をまとめた上で、政策シンポジウムを開き、約100人の市民が白熱した論戦に聞き入った。

まず河野さんは『夢の50万都市』を提案し府のパターンにない宇治市以南14市町村(約54万人)の合併を主張。

ただ、700兆円とも言われる国の借金を例に挙げ「日本が沈没すれば地方はない。国から交付税に頼る制度を変え、日本をいくつかのブロックに分ける道州制を導入し、そこに権限を移すべき」と地方分権も強く推奨した。

さらに「50万人都市になれば『政令指定都市』になることもでき、区役所を置いてのきめ細かな行政サービスもできる」とも述べた。

山下さんは宇城久・綴喜の7市町(約44万人)と相楽7市町村(約10万人)・・・いわゆる府のパターンにある合併を提案。

河野さんの意見に対しては「財政が危機的状況にある京都市の二の舞になるだけ」と対抗しながら「豊かな市町が近隣の苦しい市町を見殺しにしてはいけない。

地方分権を今以上に進めるためには自治体が手を取り合い、助け合うべき。自らの地域を主体的に考えると合併したときのデメリットより、しなかったときのマイナス面の方が大きいのは明らか」と自信たっぷりに語った。

また、山雄さんは先の住民アンケートで宇城久・綴喜地域の住民の最も多くが『10〜20万都市』が適当と考えているのに対し、相楽地域の住民の4割は『5〜10万都市が理想』と回答するなど、それぞれの地域の住民の思いにズレがあることを述べながら「相楽7市町のみが合併し宇城久・綴喜地域は合併しないほうがよい」との考えを示した。

続けて「住民自治なくして合併なし」と宇城久・綴喜地域の住民は合併への盛り上がりが欠けていることも指摘した。

最後に降旗さんは『市町村合併反対』を前面に押し出し「宇治市を学校で例えるなら、これまで19人の生徒に対して1人の先生がいたのに、(府南部全体が)合併したなら50人に1人の先生しかいなくなる。

高齢化社会を迎える中で、きめ細かな行政サービスは絶対に必要。合併特例債が受けられる17年3月の期限に向けて今、行政は焦っている。

しかし、高齢者比率がほぼ同じ城陽市(13.8%)と久御山町(13.7%)にあっても、介護保険の在宅サービス利用割合(城陽市42.5%、久御山町34.9%)が全然違うことでも分かるように、その自治体にとって実際は異なる)と行政は小さな地域の特性に合わせて行うべきであると主張した。

 

宇治以南・14市町村2市にまとめる論が最多

会場で模擬住民投票

▽宇治市以南14市町村の合併を主張した河野さん

▽宇城久・綴喜の7市町と相楽7市町村・・・いわゆる府のパターンどおりの合併を提案した山下さん

▽相楽7市町のみの合併を勧める山雄さん

▽市町村合併反対の降旗さん。

この4人の意見を聞き、会場では参加者による模擬住民投票(有効投票53票)が行われ、その結果は、

▼14市町すべて合併(河野案)=8票

▼2市にまとめる(山下案)=23票

▼相楽のみ合併(山雄案)=12票

▼合併しない(降旗案)=10票となった。

このほか、若者の対論に熱心に聞き入った山本正府議、松峯茂・長谷川雅也・田中美貴子各宇治市議。北村久御山町議それに松井孝治参院議員らからも、それぞれの意見が寄せられた。

さらに山井衆院議員からは14市町村の各首長らと会って合併に対する思いを聴取した結果が報告された。

それによると、南山城、笠置、和束、加茂の相楽東部の町村は財源的な問題から「どうしても合併させてくれ」という考えを持っており、綴喜郡の宇治田原、井手町も「どこかと合併したい」と同じく積極的。

しかし、人口が増加し大阪への利便性が高い京田辺や財政的に豊かな久御山町は合併には消極的で、とくに合併により住民の自己負担が増え、行政サービスが低下することが懸念される久御山町は「(合併は)住民に説明しづらい」と頭を悩ませているという。

最後に山井衆院議員は「(私は)合併推進論者でなく分権推進論者」と前置きしながら「基本的には何らかの合併は必要と考えるが、原点は住民がどう考えているかだ。

十分な議論のうえ、結論を出すべき」と述べ、政策シンポを締めくくった。


やまのい和則ホーム マスコミ シンポの写真はこちら