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「家族介護に週休2日、8時間労働制を」

大阪新聞 平成12年9月6日 水曜日 発行
 介護が変わる 仕事が変わる <25>
 
衆議院議員 山井和則さん
妻を助けて親孝行

       20代で高齢者福祉をライフワークと決
め、研究活動に打ち込んできた山井和則さ
ん(38)。本紙にも介護保険の解説記事を執
筆したことがあるが、  6月の衆院選で民主
党(比例/近畿)から立候補して初当選した。
党の    「介護保険をより良くするプロジェク
トチーム」   の事務局長に就任し、早くも
パワー全開だ。(西村雅之)
 8月26日、大津市の
びわ湖ホール.民主党によ
る初めての「介護保険公開
公聴会」が開かれ、鳩山由
紀夫代表らが市民の声に耳
を傾げた。コーディネータ
ーを務めた新人議員、山井
さんの胸にこれまで出会っ,
た高齢者の姿が去来する。

 京大時代に母子寮でボラ
ンティアを体験し、福祉問
題と向き合う。大学院で遺
伝子工学を専攻し医薬品の
研究員を志望していたが、
進路を切り替え福祉の道を
選ぶ。松下政経塾で本格的
に高齢者福祉を研究し、福
祉の先進国、スウェーデン
をはじめ内外の老人本ーム
に足を運び、介護の現場に
目をむけた。

 視察というより実習だっ.
た。職員とともに高齢者の
オムツを交換し、自身でオ
ムツをしてべッドに横たわ
り高齢者の気持ちを必死に
理解しようと努めた。そう
した若さを生かした活動が
『体験ルポ世界の高齢者福
祉』『同日本の高齢者福
祉』(いずれも岩波新書)
などの著書に結実。ヘルパ
ーや福祉を学ぶ若者たちの
間で読み継がれる「ロングセ
ラーに育っている。

 「やまのい高齢社会研究
所」を主宰する一方、 「お
年寄りは待ってはくれな
い、お年寄りと家族の声を
国会に」 と国政を目指す。
原稿料やカンパで資金を工
面しながら活動を続け、2
度目の挑戦となった先の衆
院選で初当選、さっそく厚
生委員会で質問に立ち、老
人施設で後を絶たない身体
拘束の実態など、について鋭
く切り込んだ。

 同時に同僚議員に呼べか
けて 「介護保険をより良く
するプロジェクトチーム」
(座長・石毛えい子衆院議員)
を結成。議員八+七人の大
所帯を束ねる事務局長
に就任した。その初仕事が
公開公聴会だった。当日は
公聴会に先立ち、鳩山代表
らと滋賀県内の老人施設を
訪問、現場主義は議員にな
っても変わらない。

 公聴会では厚生省、大津
市、家族や介護事業者の代
表も出席し、市民の声を聞
きながら介護保険の課題や
改善点などを探った。山井
さんは本紙の取財に応じ、
高齢者が共同で暮らすグル
ープホームの充実を訴える
とともに、記者に働き盛り
の読者諸兄へのメッセージ
を託した。

 「せっかく介護保険がで
きたのですから、プロの介
護サービスを活用してほし
い。そのうえで介護を妻に
まかせっきりにしないで協
力し、介護疲れから解放し
てあげてください。職場で
は週休二日制が定着したの
ですから、家族の介護も週
休2日・八時間労働を実現
しましょう」

 専門家の力を借り、妻を
助けてこそ本当の親孝行。
夫婦や親子が何でも相談し
ながら介護に取り組めぱ、
家族再生のきっかになる
可能性も秘めている。

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