通算68号 別紙

福祉先進国 スウェーデン現地調査

「医療と高齢者福祉」レポート

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5月3日〜5日駆け足で行ってきました!

5月の連休の3日間に痴呆性高齢者向けグループホーム、老人ホーム、病院、地区診療所など10ヶ所を訪問した。
 スウェーデンは、高福祉・高負担で知られるが、経済成長率は1.8%、失業率は4.4%。日本より経済は好調だ。
 「働きたい人間が、働く場を持つことは権利である」という理念のもと、スウェーデン政府は「雇用」を最も重視している。
 特に、再就職のための職業訓練に世界一力を入れ、「人材」「質の高い労働力」を最大の資源とし、IT産業などの高付加価値産業で国の競争力を維持し、同時に、医療や福祉も充実させている。日本にとっても参考になる国だ。
 私は1990年から2年間、スウェーデンに留学し、高齢者福祉を学んだが、今回は2年ぶりの訪問。久しぶりのスウェーデン語だったので、わからない点は、案内して頂いたスウェーデン在住の日本人の知人に通訳して頂いた。本当にありがとうございました。

 


@ 痴呆性高齢者向けグループホーム gruppboende
 居室にて
 痴呆が進んだ方もなじみのピアノを弾くと元気になり、症状がやわらぐ。
 生きがいや役割を持つこと痴呆症のお年寄りには大事だ。なじみの家具も持ち込み、まさに「わが家」だ。

ピアノを弾くお年寄りと私

グループホーム外観
 この建物に4つのグループホームがある。
 スウェーデンでは、単独ではなく、このように1つの建物の中にいくつかのグループホームがあるケースがほとんどだ。夜勤体制もしっかりし、必要に応じて看護師も駆けつける。



A 老人ホーム  alderdomshem
お年寄りと共に
 私の隣りのおじいさんは93才。あまりの元気さにびっくり!
 スウェーデンの老人ホームのほとんどが個室。そして、10人ほどのグループにわかれたユニット型(グループホーム型)。



写真の女性は痴呆専門医のクリスティーンさん


B セーデルテリエ病院  sjukhus

 スウェーデンでは直接、病院に患者が来ることは少ない。
 普通の患者は地区にある診療所をまず訪れ、そこで、病院での治療が必要と判断されれば病院に行く。
 誰もが直接、大学病院の外来に行ける日本と違い、機能分化されている。



エリアス医師に聞く
 スウェーデンでは医療の財源は県の税金。つまり、予算の上限があるので、手術待ちが長い。患者の苦情にもなっている。



C フッディンゲ地区診療所  vardcentral
 まず、患者は地区診療所の医師や看護師の診察を受ける。



ルンドストロム医師に聞く
 1日の外来で診る患者さんは15〜20人。一人に20〜30分かけ、対話をしながら、じっくり診察する。その反面、診る患者が少ないという批判もある。
 「日本の開業医は1日に70〜80人診察し、一人あたり5〜6分しか診られない」と私が言うと、ビックリしておられた。
 短時間だがすぐに医師にかかれる日本と、長時間だが、時々しか診てもらえないスウェーデンの違いを感じた。



地域看護師さん
 スウェーデンでは看護師の権限と役割が大きく、地区診療所でも半数ぐらいの患者には地域看護師が対応し、訪問看護も活発に行う。


上記のスウェーデン現地調査の報告会を行います。


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